【細胞検査士】試験合格後に買うべきおすすめ書籍5選!
細胞検査士試験、合格おめでとうございます。
これまで試験のために費やした時間は、間違いなくあなたの基礎力となっています。
しかし、現場に出ている方なら既にお気づきかと思いますが、「試験に出る典型的な細胞像」と「臨床現場で遭遇する細胞像」にはギャップがあります。
試験では「正解」を選びますが、臨床では「白黒つけられないグレーゾーン」をいかに論理的に推定し、病理医へつなぐかが問われます。
つまり、資格取得後には「診断・判定に直結する、より実践的な知識」のインプットが不可欠になります。
今回は、私が「細胞検査士の新人の方にデスクに必ず置いておいてほしい」と心から思える書籍を厳選しました。
これからの時代を担う細胞検査士 必見の記事です!
\1位〜5位はこちら/
| クリックできる書籍名 | 概要 | |
|---|---|---|
| 1位 | 細胞診鑑別アトラス | ・カラー画像が豊富 ・所見が明確 ・組織も理解できる ・免染画像もある |
| 2位 | 症例から学ぶ細胞診 ー組織像と対比してー 増補改訂版 | ・カラー画像が豊富 ・アトラスにない疾患有 |
| 3位 | 細胞診のベーシックサイエンスと臨床の実際 | ・分子生物などに特化 |
| 4位 | 病理と臨床:病理形態学キーワード2024 | ・208の言葉の定義収録 |
| 5位 | カラーアトラス 病理組織の見方と鑑別診断 第7版 | ・カラー画像が豊富 ・組織を理解できる |
細胞診鑑別アトラス
- 画像が豊富
- 画像がカラー
- 鑑別疾患と鑑別所見が明確に記載
- 組織の所見と画像もわかる
- 免疫染色画像もある
臨床で使える細胞診の本で最もおすすめが
【細胞診鑑別アトラス】
試験はいかに典型的なものを拾うかが重要ですが、臨床ではそれだけでなく「鑑別」もかなり迫られます。
この本には以下の内容が記載されており、臨床でもかなり使える本です。
- 鑑別が必要な疾患
- 鑑別に使える所見
内容はざっくりと病理学的な総論(筆記試験的な内容)と各論(分野ごとの所見や写真など)に分かれており、収録されている領域(各論)は以下の通りです。
- 子宮頸部
- 子宮内膜・卵巣
- 乳腺
- 甲状腺
- 泌尿器
- 体腔液
- 呼吸器
- 口腔
- 唾液腺
- 肝胆膵
- 中枢神経系
- 骨・軟部腫瘍
- 造血器・リンパ組織
- 感染症
記載されている内容のイメージは以下のような感じです。
(実際の内容閲覧はこちらから 細胞診鑑別アトラス)

疾患によって文章量、組織写真と細胞診写真の数は変化します。
臨床で「ん?」と思った時に何を鑑別で挙げればいいかだけでなく、どこを見て鑑別すればいいかもわかります。
また、鑑別所見が表になっているものも多く、理解もしやすいです。
このほか、病理学的な総論が最初の約60ページに記載されています。

鑑別ポイントが表形式でまとまっており、思考の整理に最適!
組織像と細胞像の対比もしやすいです。
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症例から学ぶ-組織像と対比して-増補改訂版
この本は1位の【細胞診鑑別アトラス】を補完する最強のサブテキストです。
細胞診鑑別アトラスと比べると解説文が少なく、画像がメインの本になっています。
掲載されている分野が少ないため、
どちらか一冊と言われたら【細胞診鑑別アトラス】をお勧めします。
しかし、細胞診鑑別アトラスに載っていない症例が含まれているため、補強する資料としては有用です。
掲載されている分野は以下の5種類です。
- 呼吸器
- 乳腺
- 泌尿器
- 婦人科
子宮頸部・体部 - 体腔液

疾患によって文章量、組織写真と細胞診写真の数は変化します。
画像数が多いため、1つの疾患に対して2〜3ページ画像が続くことがあります。
各画像には簡単な説明文が記載されています。
細胞診のベーシックサイエンスと臨床の実際
この本は分子生物学や分子遺伝学などの観点から細胞診を見た珍しい本です。
細胞検査士は以前「スクリーナー」と呼ばれていましたが、その呼び方は改められてかなりの時間が経過しました。
細胞検査士はスクリーニングをするだけの人ではないということです。
これからの細胞検査士は形態学だけでなく、分子生物学・遺伝子学の知識が必須となります。
「形態屋で終わるか、診断のパートナーになれるか」。
その分岐点となる知識が詰まった、志高い方へ向けた一冊です。
分子生物の基礎もしっかり解説されているので、まだ何も分からないという人でも使える本になっています。
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病理と臨床:病理形態学キーワード2024
病理は特殊な言葉や表現がたくさんありますが、意外と【定義】を理解してないものもあるのではないでしょうか。
例えば【含鉄小体】と【石綿小体】という似た2つの言葉がありますが、これは以下のような定義の違いがあります。
肺組織に沈着した石綿繊維はマクロファージに貪食され、フェリチンやヘモジデリンなどで被覆された構造物を形成する。これを石綿小体とよぶ。(一部省略)芯となる成分が不明なものを総称して含鉄小体と呼ぶ。
引用:病理と臨床:病理形態学キーワード2024
つまり、中身がわからないものは「含鉄小体」、中身が石綿のものが「石綿小体」という定義です。
全部で208種類の表現が掲載されており、それぞれに以下のような説明が記載されています。
- 言葉の定義・概念
- 言葉ができた背景・歴史
- 病理学的な説明
- 病理学的な診断意義
- 鑑別診断
- 関連病変
言葉によって上記の内容は変化しますが、定義や概念がしっかり記載された書籍はかなり珍しいです。
疾患の形態を表す言葉などはその組織像も掲載しているため視覚的にも理解できるようになっています。
この本は、いわば「病理形態学の用語辞典」。
知識の質を一段階上げたいなら、必ず目を通しておくべき1冊です。
この本で勉強すれば言葉の定義を理解でき、正しく使えるようになります。
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カラーアトラス 病理組織の見方と鑑別診断 第7版
細胞診は「組織の一部」を見ている検査です。
組織全体の構築が頭に入っていないと、細胞診の正確な判定は不可能です。
この本は739ページにわたってあらゆる疾患を解説しています。
本書は組織診断のアトラスですが、細胞検査士にも読んでほしい内容です。
「なぜこの細胞が剥離してくるのか?」
「なぜこの背景が出るのか?」
といった疑問は、組織像を見ることで理解できることが多々あります。
組織の理解は細胞診の理解にもつながります。
画像も豊富で、ページ上部に画像、下に解説が記載されています。

疾患によって文章量、組織写真と細胞診写真の数は変化します。
以下の29の組織や細胞診が画像付きで解説されています。
- 心臓
- 血管
- 血液(骨髄)
- リンパ・脾・胸腺
- 呼吸器
- 口腔
- 唾液腺
- 食道
- 胃
- 腸管
- 肝臓
- 膵臓
- 胆道
- 腎臓
- 尿路
- 男性生殖器
- 女性生殖器
- 乳腺
- 下垂体
- 甲状腺
- 副腎
- 脳
- 骨
- 軟部
- 皮膚と付属器
- 眼球と付属器
- 鼻・副鼻腔
- 耳
- 細胞診
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まとめ:良い書籍を一生のパートナーに
細胞検査士の資格は、あくまでスタートライン。
日々の鏡検業務の中で、分からないことに出会い、それを書籍で調べ、自分の知識として定着させる。
この繰り返しの質を高めてくれるのが、今回紹介した書籍たちです。
まずは1冊、自分の手元に置いて、ボロボロになるまで使い込んでみてください。
その本が、あなたの細胞検査士としての力をさらに引き上げてくれるはずです。
\1位〜5位はこちら/
| クリックできる書籍名 | 概要 | |
|---|---|---|
| 1位 | 細胞診鑑別アトラス | ・カラー画像が豊富 ・所見が明確 ・組織も理解できる ・免染画像もある |
| 2位 | 症例から学ぶ細胞診 ー組織像と対比してー 増補改訂版 | ・カラー画像が豊富 ・アトラスにない疾患有 |
| 3位 | 細胞診のベーシックサイエンスと臨床の実際 | ・分子生物などに特化 |
| 4位 | 病理と臨床:病理形態学キーワード2024 | ・208の言葉の定義収録 |
| 5位 | カラーアトラス 病理組織の見方と鑑別診断 第7版 | ・カラー画像が豊富 ・組織を理解できる |
