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【臨床検査技師国家試験対策】免疫染色の抗原賦活化とブロッキングをわかりやすくイラスト解説

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みんなの病理の点数を上げる臨床検査技師、細胞検査士のどっとゼブラです!
今回は苦手な人が多い免疫染色の抗原賦活化やブロッキングを解説していきます!
今日も頑張ろう!

\病理の国試対策本が出ました!/
今回はこんな人におすすめ
  • 抗原の賦活化が説明できない人
  • 内因性酵素活性のブロッキングが説明できない人
  • 内因性ビオチンのブロッキングが説明できない人
  • 非特異的反応のブロッキングが説明できない人

免疫染色 に必要な操作を知ろう!

免疫染色は正確な結果を出すために必要な操作があります。

  1. 抗原賦活化
  2. 内因性酵素活性のブロッキング
  3. 内因性ビオチンのブロッキング
  4. 非特異的反応のブロッキング

今回はこれらを一つずつイメージできるようにしていきましょう。

抗原賦活化

まずは抗原賦活化の全体像を確認しよう!

  • ①ホルマリン固定でマスキングが起こる
  • ②マスキングがあると抗原に抗体がくっつかない
  • ③熱や酵素でマスキングを外す
  • ④抗原に抗体がくっ付けるようになる

要は抗体をくっ付けるようにするってことか

ホルマリン固定は抗原を マスキング する

まず知っておくことはホルマリンの作用です

ホルマリンは固定(腐らなくする)する液体ですが、その際にマスキングという現象が起きます

このマスキングはメチレン架橋とも呼ばれるよ

これがどう免疫染色に影響するんだ?

マスキングが起きると抗体が抗原にくっ付けなくなります

こんな感じでマスキングの有り無しが免疫染色できるかできないかの命運を分けます

実際は上のイメージみたいに抗原を囲むわけでは無いけど、イメージとして覚えてね

では一体どうやってマスキングを外せばいいのか
そこを見ていきましょう

熱処理 or 酵素処理で マスキング を外す

タンパク、つまり抗原は熱や酵素によって構造が変化します
この構造を変化させることでマスキングを外すことができます

なるほど
熱とか酵素とかって何を使ってやるんだ?

熱処理
  • 電子レンジ
  • オートクレーブ
  • 圧力鍋
  • 温浴槽 など
タンパク分解酵素
  • トリプシン
  • ペプシン
  • プロテイナーゼK など

これらを使うことでタンパクの構造を変化させることができます

この処理を行って初めて免疫染色ができるんだね!

では抗原の賦活化をおさらいしておきましょう

ブロッキング

マスキングを外しただけではまだまだ良い免疫染色はできません

どの方法を選択するかにもよりますが、3種類のブロッキングを行う必要があります。

免疫染色の種類についてはこちら

  1. 内因性酵素活性のブロッキング
  2. 内因性ビオチンのブロッキング
  3. 非特異的反応のブロッキング

  

内因性酵素活性のブロッキング

内因性酵素活性っていう言葉がムズすぎて拒否反応!

言葉が難しい時は分解して意味を理解しましょう

内因性→体の中に元々ある
酵素活性→酵素の働き

つまり内因性酵素活性のブロッキングは【体の中に元々ある酵素の働きをブロック(阻止)しよう!】っていうことだね!

違う場面だと内因性は体の中という意味ではない時もあります
あくまでも免疫染色で使っている内因性はこういう意味だと思ってください

話を戻しましょう

体の中にはもともとペルオキシダーゼ(POD)という酵素があります。
免疫染色ではペルオキシダーゼを使うことが多いですが、体の中にあるPODを除去しないと余計な部分にも反応してしまいます

免疫染色でPODを使うのが分からないって人はこちらをご覧ください

これでは全体が茶色に染まってしまってどこが目的の場所か分からないな

あらかじめ免疫染色する前に内因性PODを除去すると・・・

本当に必要な部分だけが染まります

こういう関係ない部分が染まることを 非特異的反応 っていうよ

ではどのようにしてこれを除去すれば良いのでしょうか

内因性PODの除去は過酸化水素 入れるんだったな
前の講義で習ったから覚えてたぜ

PODは過酸化水素と反応します
つまり過酸化水素を先にかけておけばPODが消費されて無くなります

ここでも解説してるので気になる人は見てみてね

これは免疫染色にペルオキシダーゼを使いたい時に必要な工程です
必ず必要なわけではないです

内因性ビオチンのブロッキング

体の中には他にも元々ある邪魔のものがあります
それが内因性ビオチンです

それをブロック(除去)するのが内因性ビオチンのブロッキングです

これはビオチンを使う免疫染色の時に必要だよ

ビオチン使う免疫染色には次のようなものがあります

ビオチンを使う免疫染色
  • ABC法
  • LSAB法

この2つの方法の解説はこちら

この方法を使う場合は内因性ビオチンを除去しないと関係ない場所にも反応してしまいます

この除去にはあらかじめアビジンとビオチンを反応させるんだったな

これで内因性ビオチンは反応できなくなります

非特異的反応のブロッキング

非特異的反応ってさっきは内因性PODとかのこと言ってなかった?
さらにブロッキングする必要があるのか?

たしかに必要じゃないところに反応するという意味では内因性PODへの反応も非特異的反応です

免疫染色で非特異的反応のブロッキングというそれ以外を指すことが多いです

体の中には酵素とかに関係なく、抗体がくっ付く場所がたくさんあります

ここでいう非特異的反応のブロッキングとはそれらをブロックすることを指します

つまり非特異的反応のブロッキングは広い意味では内因性PODやビオチンのブロッキングも含む感じです

実際どういうことかイラストで確認してみよう!

理想としては目的部分だけについて欲しい抗体が実際はいろんな場所に付きます
これはなんとしてもブロックしなければ

ということでこの非特異的反応をブロックしていきます

非特異的反応のブロッキングに使うもの
  1. (二次抗体と同じ動物の)正常動物血清
  2. ウシ血清アルブミン
  3. カゼイン など

このようにタンパク成分を先に敷き詰めることで余計な部分に抗体が反応できなくなります

なるほどな
こうすれば目的の抗原だけにくっ付くことができるのか

まとめ

今回は抗原の賦活化と3種類のブロッキングについての講義でした
それぞれ何を使って行うか覚えておこう!

抗原の賦活化

熱処理

  • 電子レンジ
  • オートクレーブ
  • 圧力鍋
  • 温浴槽

タンパク分解酵素処理

  • トリプシン
  • ペプシン
  • プロテイナーゼK 
内因性ペルオキシダーゼのブロッキング

・過酸化水素

内因性ビオチンのブロッキング
  • ・アビジンとビオチン
非特異的反応のブロッキング
  • 二次抗体と同じ動物の)正常動物血清
  • ウシ血清アルブミン
  • カゼイン など

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