【細胞検査士】実力を一段上げるおすすめ書籍5選!
細胞検査士として実力を一段上げたい。
そう思った時に頼りになるのが、良質な書籍です。
試験では「典型的な細胞像」を選ぶ力が問われますが、
臨床現場では「白黒つけられないグレーゾーン」を
いかに論理的に推定し、病理医へつなぐかが問われます。
私自身も病院で細胞検査士として働いていた時期があり、 現場で鑑別に迷う大変さは身にしみて理解しています。
現在は大学で細胞検査士を目指す学生を指導する立場ですが、 「あの時この本があれば」と感じる書籍を5冊厳選しました。
受験生の方にも、合格したばかりの新人の方にも、 中堅としてさらに力をつけたい方にも、 それぞれの段階で役立つ一冊が必ず見つかるはずです。
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細胞診鑑別アトラス
2021年に発行されたこの本、私自身が受験生・新人だった頃には存在しませんでした。
当時は別の本を使っていましたが、「この本を新人の頃から使えていたら、どれだけ楽だったか」ということです。
特に明確に優れている点が、鑑別診断の書き方です。
疾患ごとに候補と所見が具体的に並んでいて、読むだけで鑑別思考のトレーニングになります。
現場で鑑別に迷う場面は必ずあります。
その時、考えるべき選択肢を一冊で確認できる本があるのと無いのとでは、成長速度が全く違います。
臨床で「使える」3つの理由

❶鑑別すべき疾患と所見が明記されている
疾患ごとに「鑑別すべき疾患」と「見分けるためのポイント」が具体的に書かれています。
箇条書きの場合もあれば文章で説明される場合もありますが、いずれにしても候補疾患と決め手の所見が明確です。
一部の疾患では鑑別が表形式にまとまっていて、鏡検中に開いてすぐ参照できます。
❷細胞像と組織像を一緒に理解できる
Pap染色のカラー細胞像に加えて、ほぼすべての疾患にHE染色の組織像が併載されています。
特徴的な症例では免疫染色やFISH、肉眼像まで掲載されており、「なぜこの細胞像になるのか」を多角的に理解できます。
❸14分野・100超の疾患を最新の報告様式で学べる
子宮頸部(ベセスダシステム)、唾液腺(ミラノシステム)など最新の報告様式に沿って解説されています。
各章の冒頭には「細胞診断の進め方」が掲載されているので、日常業務でも試験対策でも使える構成です。
収録されている14分野
- 子宮頸部
- 子宮内膜・卵巣
- 乳腺
- 甲状腺
- 泌尿器
- 体腔液
- 呼吸器
- 口腔
- 唾液腺
- 肝胆膵
- 中枢神経系
- 骨・軟部腫瘍
- 造血器・リンパ組織
- 感染症
細胞診鑑別アトラスのイメージ図
記載されている内容のイメージは以下のような感じです。
(実際の内容閲覧はこちらから 細胞診鑑別アトラス)

疾患によって文章量、組織写真と細胞診写真の数は変化します。
各疾患の解説は「疾患概念→臨床所見→細胞所見→鑑別診断」という流れで統一されているので、どの疾患を調べても同じ手順で情報を追えます。
最初の約60ページの総論の価値が高い
この本の前半には、細胞診のための病理学総論が約60ページにわたって掲載されています。
目次を見ると分かりますが、内容は
- 細胞の構造と分裂
- 変性・壊死・アポトーシス
- 細胞増殖制御と分子生物学の基礎
- 検体処理・固定・染色
- 免疫染色の基礎(原理、手技、診断マーカー、FISHまで)
- 細胞診の報告様式
ここまでカバーしている総論は珍しく、
受験生にとっては基礎固めに
現場にとっては知識の再確認
に使えます。
鑑別思考の基礎を身につけたい受験生にも、日々の鏡検でより正確な判断をしたい現場の方にも、手元に一冊あると確実に力になる本です。
症例から学ぶ-組織像と対比して-増補改訂版
この本は1位の【細胞診鑑別アトラス】を補完する最強のサブテキストです。
細胞診鑑別アトラスと比べると解説文が少なく、画像がメインの本になっています。
掲載されている分野が少ないため、
どちらか一冊と言われたら【細胞診鑑別アトラス】をお勧めします。
しかし、細胞診鑑別アトラスに載っていない症例が含まれているため、補強する資料としては有用です。
掲載されている分野は以下の5種類です。
- 呼吸器
- 乳腺
- 泌尿器
- 婦人科
子宮頸部・体部 - 体腔液

疾患によって文章量、組織写真と細胞診写真の数は変化します。
画像数が多いため、1つの疾患に対して2〜3ページ画像が続くことがあります。
各画像には簡単な説明文が記載されています。
細胞診のベーシックサイエンスと臨床の実際
この本は分子生物学や分子遺伝学などの観点から細胞診を見た珍しい本です。
細胞検査士は以前「スクリーナー」と呼ばれていましたが、その呼び方は改められてかなりの時間が経過しました。
細胞検査士はスクリーニングをするだけの人ではないということです。
これからの細胞検査士は形態学だけでなく、分子生物学・遺伝子学の知識が必須となります。
「形態屋で終わるか、診断のパートナーになれるか」。
その分岐点となる知識が詰まった、志高い方へ向けた一冊です。
分子生物の基礎もしっかり解説されているので、まだ何も分からないという人でも使える本になっています。
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病理と臨床:病理形態学キーワード2024
病理は特殊な言葉や表現がたくさんありますが、意外と【定義】を理解してないものもあるのではないでしょうか。
例えば【含鉄小体】と【石綿小体】という似た2つの言葉がありますが、これは以下のような定義の違いがあります。
肺組織に沈着した石綿繊維はマクロファージに貪食され、フェリチンやヘモジデリンなどで被覆された構造物を形成する。これを石綿小体とよぶ。(一部省略)芯となる成分が不明なものを総称して含鉄小体と呼ぶ。
引用:病理と臨床:病理形態学キーワード2024
つまり、中身がわからないものは「含鉄小体」、中身が石綿のものが「石綿小体」という定義です。
全部で208種類の表現が掲載されており、それぞれに以下のような説明が記載されています。
- 言葉の定義・概念
- 言葉ができた背景・歴史
- 病理学的な説明
- 病理学的な診断意義
- 鑑別診断
- 関連病変
言葉によって上記の内容は変化しますが、定義や概念がしっかり記載された書籍はかなり珍しいです。
疾患の形態を表す言葉などはその組織像も掲載しているため視覚的にも理解できるようになっています。
この本は、いわば「病理形態学の用語辞典」。
知識の質を一段階上げたいなら、必ず目を通しておくべき1冊です。
この本で勉強すれば言葉の定義を理解でき、正しく使えるようになります。
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カラーアトラス 病理組織の見方と鑑別診断 第7版
細胞診は「組織の一部」を見ている検査です。
組織全体の構築が頭に入っていないと、細胞診の正確な判定は不可能です。
この本は739ページにわたってあらゆる疾患を解説しています。
本書は組織診断のアトラスですが、細胞検査士にも読んでほしい内容です。
「なぜこの細胞が剥離してくるのか?」
「なぜこの背景が出るのか?」
といった疑問は、組織像を見ることで理解できることが多々あります。
組織の理解は細胞診の理解にもつながります。
画像も豊富で、ページ上部に画像、下に解説が記載されています。

疾患によって文章量、組織写真と細胞診写真の数は変化します。
以下の29の組織や細胞診が画像付きで解説されています。
- 心臓
- 血管
- 血液(骨髄)
- リンパ・脾・胸腺
- 呼吸器
- 口腔
- 唾液腺
- 食道
- 胃
- 腸管
- 肝臓
- 膵臓
- 胆道
- 腎臓
- 尿路
- 男性生殖器
- 女性生殖器
- 乳腺
- 下垂体
- 甲状腺
- 副腎
- 脳
- 骨
- 軟部
- 皮膚と付属器
- 眼球と付属器
- 鼻・副鼻腔
- 耳
- 細胞診
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まとめ:良い書籍を一生のパートナーに
細胞検査士の資格は、あくまでスタートライン。
日々の鏡検業務の中で、分からないことに出会い、それを書籍で調べ、自分の知識として定着させる。
この繰り返しの質を高めてくれるのが、今回紹介した書籍たちです。
まずは1冊、自分の手元に置いて、ボロボロになるまで使い込んでみてください。
その本が、あなたの細胞検査士としての力をさらに引き上げてくれるはずです。
\1位〜5位はこちら/
| クリックできる書籍名 | 概要 | |
|---|---|---|
| 1位 | 細胞診鑑別アトラス | ・カラー画像が豊富 ・所見が明確 ・組織も理解できる ・免染画像もある |
| 2位 | 症例から学ぶ細胞診 ー組織像と対比してー 増補改訂版 | ・カラー画像が豊富 ・アトラスにない疾患有 |
| 3位 | 細胞診のベーシックサイエンスと臨床の実際 | ・分子生物などに特化 |
| 4位 | 病理と臨床:病理形態学キーワード2024 | ・208の言葉の定義収録 |
| 5位 | カラーアトラス 病理組織の見方と鑑別診断 第7版 | ・カラー画像が豊富 ・組織を理解できる |
