みんなの病理の点数を上げる臨床検査技師、細胞検査士のどっとゼブラです!
今回はみんな苦手な免疫染色の直接法と間接法について解説していきます!
今日も頑張ろう!
- 免疫染色がそもそも分からない
- 直接法と間接法の違いが分からない
そもそも免疫染色ってなに?
免疫染色はおおまかに3つに分けられます。
- 色の付け方
- 使う抗体の数
- 抗体にくっ付く物質など
そもそも免疫染色の意味が分からないって人と1色の付け方が見たい人はココを見てみてね↓
【臨床検査技師国家試験対策】免疫染色を分かりやすくイラスト解説①酵素抗体法と蛍光抗体法
今回は
【2.使う抗体の数による分類】
【3.抗体にくっ付く物質による分類】
についてみていこう!
使う抗体の数による分類
免疫染色には使われる抗体の数によって2種類あります。
- ①抗体を1つだけ使う 直接法
- ②抗体を2つ以上使う 間接法
直接法と間接法
直接法 は色を付けるための標識物質が付いた抗体を抗原にくっ付ける方法。
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直接法の特徴は下のような感じだよ。
- 間接法に比べて 感度(小さなものを見つける能力)が低い
- 間接法に比べて 特異度(目的物質だけ検出する能力)が高い
間接法 は抗原に抗体をくっ付けた後、さらに標識物が付いた抗体をくっ付ける方法。
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一回目に付く抗体を一次抗体、そこにくっ付く抗体を二次抗体と呼ぶよ。
間接法の特徴は下のような感じ。
- 直接法に比べて 感度(小さなものを見つける能力)が高い
- 直接法に比べて 特異度(目的物質だけ検出する能力)が低い
間接法は標識物がたくさん付くから色が付きやすい(感度が高い)ってことか
間接法で特異度が低いのはなんでだ?
間接法は抗体が付く回数が増える分ミスる可能性が上がる。
元々くっ付きたい場所じゃないとこにもくっ付く可能性がある。
だから特異性が低くなるんだね。
伝言ゲームみたいなものか。
人数増えれば増えるほどうまく伝わらないのと似てるな。
ちなみに二次抗体は一次抗体と違う動物の抗体を使う必要がある。
例えば一次抗体がウサギからできた抗体だった場合、二次抗体はウサギ以外の動物からできた抗体を使う。
ウサギは自分にくっ付く抗体を持っていないからウサギからウサギの抗体にくっ付く抗体をつくることができない。
抗体にくっ付く物質による分類
次は抗体にくっ付く物質による分類について見ていきましょう。
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- ABC法
- LSAB法
- (高分子)ポリマー法
大体この3種類があります。
ABC法(アビジン・ビオチン コンプレックス法)
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基本情報として、アビジンとビオチンは結合力が非常に強い。
そして二次抗体にビオチンを付けてそこに標識物がついたアビジンを付けてやればたくさん標識物が付く。
普通の間接法よりも感度が上がる。
今のところ最強じゃないか。
これは欠点とかないのか。
内因性のビオチンを除去する必要がある。
あとは分子量が比較的デカくて浸透力が悪い。
内因性ビオチン?
内因性ビオチンとはもともと体の中にあるビオチンのことです。
そして内因性ビオチンはあらかじめ除去する必要があります。
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この画像のように先にアビジンとビオチンを反応させてやれば使えなくなります。
LSAB法(ラベルド・ストレプトアビジン・ビオチン法)
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LSAB法はほぼABC法と同じだよ。
じゃあ何が違うんだ?
アビジンがストレプトコッカス由来。
それはABC法のアビジンより非特異的反応が少なくて分子量が小さい。
メリットが多いから今はABC法より一般的。
これも内因性ビオチンのブロックは必要?
もちろんビオチンを使うからブロックが必要だよ
ポリマー法(高分子ポリマー法)
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高分子ポリマー法は高分子ポリマーにたくさんの標識物質が付いた高感度な免染方法。
たくさん標識物質を付けることができるため、感度がめちゃくちゃ高い。
抗体をもう一つ追加する3ステップポリマー法もあり、2ステップよりも感度が高い。
ポリマー法はLSAB法よりも高感度で内因性ビオチンの除去も必要ないという特徴がある。
分量がデカいため、浸透力が悪い場合がある。
方法による感度の違い
今回紹介した①直接法②間接法③ABC法④LSAB法⑤ポリマー法以外にも以下のような2つがある。
- PAP法
現在はあまり使われない方法であるため原理などは知らなくても良い。 - CSA法
ビオチン標識タイマライドを用いる超高感度な方法。
これらの方法を感度順に並べると以下のようになる。
直接法<間接法<PAP法<ABC法<LSAB法<ポリマー法<CSA法
まとめ
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これらの方法で標識物に酵素か蛍光を使うってことか。
そうだね。
でも基本的には蛍光抗体法は直接法で行うことが多いよ。
なんでだ。
直接法は感度が低いけど蛍光を使うことで感度を上げられる。
だから間接法にする必要が無いんだね。
なるほどな。
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