PR

【ゴロあり】炎症 の特徴と12種の炎症を徹底解説

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

今回は 炎症 について。
画像問題でよく出る特異性炎についても解説していきます!

\病理の国試対策本が出ました!/

国試に出る 炎症 の種類

国試対策としてまず次の4つを理解しよう。

  1. 急性炎症
  2. 慢性炎症
  3. 炎症の徴候
  4. 特異性炎(肉芽腫性炎)
    【ゴロあり】

炎症 とは?

【身体に対する様々な刺激への反応】のこと。

この様々な刺激には以下のようなものがある。

  1. 生物学的刺激
    ・細菌
    ・ウイルス
  2. 物理学的刺激
    ・放射線
    ・外傷
    ・熱
  3. 化学的刺激
    ・薬品
    ・昆虫毒

炎症 の4徴候と5徴候

炎症が起きると特徴的4つの症状がみられる。
それを【炎症の4徴候】と呼ぶ。

●炎症の4徴候

①発赤
②発熱
③疼痛
④腫脹

なかでも発赤は初期にみられる。

この4徴候に機能障害も加わると5徴候と呼ばれる。

●炎症の5徴候

①発赤
②発熱
③疼痛
④腫脹
⑤機能障害

急性 炎症 と慢性 炎症

急性炎症は原因に対して素早く起きる炎症のこと。

慢性炎症は炎症が長期化したもの。

この2つについて覚えたいポイントはコレ↓

急性炎症のポイント
  • 血管の透過性が上がる
  • 主体となる細胞は好中球
  • 血漿成分が漏れだす
慢性炎症のポイント
  • マクロファージやリンパ球が主体
  • 血管の増生
  • 線維芽細胞の増生
  • 肉芽組織形成
  • 組織構築の改変

これらは創傷治癒を理解すると分かりやすい。
創傷治癒のイラスト解説はこちら

炎症 に関わる細胞

炎症に関わる細胞細胞は以下の6つ。

①好中球
 急性炎症の主体となる細胞。貪食能、殺菌、血液凝固活性などの仕事を行う。

②リンパ球
 慢性炎症時に多くなる細胞。液性免疫に関わるB細胞と細胞性免疫に関わるT細胞, NK細胞が存在する。

③マクロファージ(組織球、単球)
 慢性炎症で多くなる細胞。異物の貪食、抗原提示、酵素産生などを行う。場所によって名前が変わる。単球(血液)、組織球(多くの組織)、クッパー細胞(肝臓)、塵埃細胞 or 肺胞マクロファージ(肺胞)、破骨細胞(骨)、小膠細胞 or ミクログリア(脳・神経系)。

④好酸球
 アレルギーや寄生虫感染で多くみられる。通常の炎症では目立たない。

⑤好塩基球
 アレルギーで多くみられる。通常の炎症では目立たない。IgE受容体をもち、ヒスタミンやセロトニンなどを分泌する。類似の細胞に肥満細胞というやつがいる。

⑥血管内皮細胞

血管の内側を覆う単層扁平上皮細胞。血液細胞の通過、血液に必要な物質の輸送、血液凝固・線溶、血圧調整などを行う。

ケミカルメディエーター

炎症細胞たちに関わる化学物質をケミカルメディエーターと呼ぶ。

国試レベル病理としては最低下の3つくらいは覚えておこう。

  • ヒスタミン
  • セロトニン
  • プロスタグランジン

炎症の種類

炎症は12種類あるが、まず覚えたいのは①の特異性炎。
模試の点も気になる人は他も順番にポイントだけ覚えていこう!

①特異性炎
特徴的な肉芽腫をつくる炎症。
その特徴とは類上皮細胞、ラングハンス巨細胞のことで、+壊死を見ることもある。

類上皮細胞とラングハンス巨細胞(多核組織球)は組織球が変化したもの。


この炎症に含まれ以下の疾患を覚えておきたい。

●結核(乾酪壊死あり)壊死の解説はこちら
●サルコイドーシス
●ハンセン病
●猫ひっかき病
●クローン病
●梅毒
●トキソプラズマ症

多いのでゴロを使って覚えるのもOK。

\特異性炎のゴロ/

●変質性炎
ヘルペスや肝炎ウイルスなどのウイルス感染でみられることが多い。細胞や組織障害が強い。

●漿液性炎
血清成分(血液の液体成分)が浸出するもの。
火傷の水疱、急性鼻炎の漿液性鼻汁などがこれにあたる。

●線維素性炎
多量のフィブリノゲンを含む液が滲出する。
偽膜性炎もこれに含まれる。
偽膜性大腸炎、大葉性肺炎などがこれにあたる。

●偽膜性炎
線維素性炎の一種。
線維素性の滲出物が壊死細胞や好中球とともに凝固し、膜状となって粘膜を覆うもの。
偽膜性腸炎やジフテリア性炎などが含まれる。

●出血性炎
滲出液や炎症組織に多量の赤血球が含まれるもの。
連鎖球菌感染症、ペスト、インフルエンザ、発疹チフス、流行性出血熱、ワイル病などの場合にみられる。

●化膿性炎
膿性滲出物(多量の好中球と壊死を含むもの。通称:膿)がみられる。
蜂窩織炎、膿性カタル、膿瘍はここに含まれる。
ブドウ球菌や連鎖球菌が代表的な原因菌。

●カタル性炎
粘膜表面の炎症で、粘液分泌の強い亢進を伴ったもの。
粘液中の酸性ムコ多糖類やIgAに役割がある。

●壊死性(壊疽性炎)
壊死性炎とは好中球浸潤によって組織融解が起こり、壊死組織が脱落して潰瘍ができるもの。
劇症肝炎、アメーバ赤痢、結核の乾酪壊死などある。
壊疽性炎は壊死性炎に腐敗菌の感染が重なった場合をいう。

●繁殖性炎
実質細胞の増殖が主体をなす炎症。
例として、ウイルス性疾患でウイルス感染した細胞が増殖するなど。
表皮細胞の増殖がみられる伝染性軟疣などが該当する。

●増殖性炎
線維芽細胞の増殖が主体をなす炎症。
線維も増生する。
肝硬変肺線維症などが含まれる。

コメント