好評!細胞検査士過去問解説集

【神経組織】神経細胞と神経膠細胞の違いや活動電位など神経系の基礎知識をイラストで完全理解!

74-活動電位
どっとぜぶら
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神経組織は四大組織の1つで組織学の前半で習うにも関わらず、よくわからないということないですか?
私はそう思っていました。

その理由としては他の組織と違い、複雑な構造や働き、目に見えないものが多く理解しづらくなっていると思います。

この記事ではそれらを解決するために、できるだけ簡潔にそして豊富なイラストで解説しています。

学校の講義でわからなかった神経系の基礎をここで一緒にマスターしましょう。

この記事の著者

どっとぜぶら
どっとぜぶら
細胞検査士
臨床検査技師
医学博士
Profile
・細胞検査士試験 1発合格
・12月からの勉強でMT国試150点

少しでも多くのMT, CT学習者の役に立ちたいと思いSNSなどで情報発信中。
テーマは【勉強ができない人はいない。やり方次第で誰でもできる!】
細胞診過去問解説集や病理の国試解説集を出しました。

神経系の発生|外胚葉発生

神経系の発生は外胚葉
神経系の発生は外胚葉

神経系の細胞は外胚葉から形成される神経管神経堤から分化します。
つまり、神経系は基本的に全て外胚葉から発生です。

しかし、小膠細胞だけ中胚葉(間葉系)由来です。

神経堤細胞は末梢神経系の細胞、シュワン細胞、色素細胞、副腎髄質細胞などに分化していきます。

神経は 活動電位 で情報を伝える

活動電位
活動電位

神経が情報を伝えるイメージはこれだよ。
まずはこの流れを頭に入れておいてね。
今回は1つずつ確認してみよう!

活動電位 ってなに???いや、そもそも電位ってなに?

どう変化してるか実際に神経を見てみよう!活動電位 はどうやって起きる?!?細胞外と細胞内のイオン

細胞内はカリウムイオンが多くて、細胞外はナトリウムイオンが多い。
この違いがあるから細胞内に活動電位をつくることができるんだ。

それは分かった。
でもイマイチ細胞内外の電気的な差は理解できないなあ。
つまり電位差があるとか無いとかってのはどういうことだ?

例えば細胞内外にイオンが5個ずつあったとしよう。
細胞内はKが多くて、細胞外はNaが多くなってる。
もしこうなってたら+イオンが5個ずつだから電気的な差はない。
つまり電位差はないってことになる。

でもこんな感じで細胞内のK+が2つ出ていったらどうだろう?
細胞外の+イオンは7個、細胞内は3つになった。
そうすると細胞内は細胞外より+イオンが少ないから相対的にマイナスになるよね。
これが電位差ってことになる。

なるほど。
だからイオンのやり取りで電位差ができるのか。

細胞膜にはイオンを通すタンパクがある

細胞内外でイオンのやり取りをするために神経細胞の細胞膜にはイオン通過に関係する4つのタンパクがある。
そしてそれぞれ特徴があるよ。

  • 電位依存性Naチャネル
    通常閉じているが、神経の刺激が来た時に最初に開く。
    細胞外のNaイオンを細胞内に入れる。
  • 電位依存性Kチャネル
    通常閉じているが、神経の刺激が来た時に2番目に開く。
    細胞内のNaイオンを細胞外に出す。
  • K漏出チャネル
    常に開いていて、細胞内のK+を細胞外に出す。
  • Na/K+ ATPase
    ATP(エネルギー)を使ってイオンを運ぶ。
    細胞内のNa+3つを細胞外に、細胞外のK+2つを細胞内に運ぶ。

なんでわざわざこのタンパクを通すんだ?
サラッとやり取りすればいいじゃないか。

それは厳しい。
ここに書いてあるけど、細胞膜は脂質でできてる。
だから水や水に溶けてる物質は弾くんだ。
だからこの細胞膜に埋まってるタンパクを通すしかない。

活動電位の起き方~静止膜電位~

まず最初に K+漏出チャネル を見ていくよ。
このタンパクが常に開いてることで細胞内のKは細胞外に出ていくことになる。
そうすると細胞内は細胞外より電位が低くなる(マイナスに傾く)。

そもそも何で細胞内から細胞外に行くんだ?
細胞外のが入ってきてもいいんじゃないか?

通常物質のやり取りは 濃度の高い方から低い方に流れる 性質がある。
細胞外は細胞内より濃度が低いから内から外に流れていくんだ。

でもそれヤバくないか?
細胞内のK+全部無くなっちゃうじゃん。

いや、それは無いよ。
細胞内からKが出て細胞内がマイナスになったことで+イオンが細胞内に引き留められる。
+はーに引っ張られるよね?
だからある 一定以上はもう出ていきにくくなる んだ。
この丁度釣り合った状態が通常状態で、「静止膜電位」って呼んでるよ。

活動電位の起き方~脱分極~

刺激が来ることで活動電位が発生する。
まず 電位依存性Naチャネルが開く
そうすると細胞外からNaが細胞内に入ってくる。
大量の+イオンが入ってくるとどんどん細胞外との電気的な差が無くなる。
そしていつしかフラットな状態を超えて細胞内の方が電位が高くなる。
これが 活動電位 だよ。

なるほど。
脱分極”って言葉を聞いたことがあるんだけどそれは何だ?

まず”分極”っていうのは”極が分かれている”ってこと。
この極ってのはS極とかN極とかの”極”。
ここでの極は”+”と”ー”ってことになるね。
普段は細胞内のーと細胞外の+に分かれてる。
つまり ”分極” してる。
活動電位が起きるとそれがゼロに近づいていく。
分極から脱するから ”脱分極” ってことになるんだね。

なるほど!
Naが入ってきて分極しなくなること、つまり活動電位が起きることか。
意味が分かった。

活動電位の起き方~再分極~

次はまた元の状態に戻っていくよ。
これを 再分極 って呼んでる。
電位依存性Naチャネルが開いた後、電位依存性Kチャネルが開く。
そうすると細胞内のK+が細胞外に出ていく。
+イオンが出ていくからまた細胞外よりマイナスになっていく。
こうして通常状態(静止膜電位)に戻っていくんだ。

それだと最終的には細胞内にNaが多くならないか?

その通りだね。
ここでNa+/K+ ATPaseがATP(エネルギー)を使って調整する。
細胞内のNa+3つを細胞外に、細胞外のK+2つを細胞内に。
これによって元の状態に戻るんだ。

たしかにそれなら元に戻るか。
しかも細胞内のNa+を外に出したいから3つも運ぶってことだよな。
じゃあKも3つ運べば早くKを細胞内に戻せるんじゃないのか?

それは知らん!
そうNa3つとK2つにしたかったんだろ。
何か知ってたらむしろ教えてくれ!

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