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だれでも分かる生物学。細胞の中身って何が入ってる? 細胞小器官 のはたらきを分かりやすく図で解説!

46-細胞小器官のアイキャッチ
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今回は細胞の中身を見ていこう!
細胞には 細胞小器官 っていうのがいっぱいいるんだ。
そいつらを1つずつ見ていくよ!
今日も楽しく新しい知識を付けていこう!

今回のテーマは細胞検査士の試験にも出てくる分野です。
細胞検査士を目指す方も是非見てみてね。

内容なんかどうでもいい!
覚えるだけ!

って人はインスタに投稿したまとめを参考にしてください。

 
 
 
 
 
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ヒトは細胞でできている

こんな感じでヒトは細胞からできてるんだ。
約37兆個あるっていわれてるよ。

細胞には核と細胞質がある

細胞の中にはDNAが入っている核それ以外の細胞質っていう部分がある。
右の写真は僕が育てたがん細胞を写真に撮ったものだよ。
赤い部分が核で黒い部分が細胞質。

でもそれだと中身出ていくんじゃない?

確かにそうだね。
でもちゃんと中身が出ないように膜で囲まれてるんだ。
そこもこれから見ていこう!

細胞の全体的な構造

これらが細胞の中で働いている細胞小器官って呼ばれてるんだ。
厳密にいうと細胞小器官ではないものもあるけどね。

うわっ・・・
複雑で多いなあ・・・

気持ちは分かるよ・・・
でも大体覚えないといけないのは決まってるから大丈夫!
ここにまとめてるから覚えるだけでいい!ってい人はそこだけ見てね。
書く内容も分かりやすく図でまとめてるから気になる人は見てみて!

まずは一番外側の「細胞膜」から見てみましょう!

細胞は「細胞膜」にかこまれている

まず細胞膜の役割は 細胞の中と外を区切る ことなんだ。
必要なものが出ていったり、危ないものが入ってきたら嫌だよね。
そのために「脂質二重層」ってよばれる膜で仕切られてる。

なんで脂質で仕切る必要があるの?

いい質問だよね。
最初に物質には水に溶けるものと脂質に溶けるものがあるって知っておいて。
そして細胞の中と外には水があって、ほとんどのものはそこに溶けてるんだ。

そうか。
水に溶けてるものは水となじむから脂質の層とはなじめず、弾かれるのか!

理解するの早っ!
天才かよ!そして顔気持ち悪っ!

こうして細胞の水に溶けている物質はかんたんに行き来できなくなっています。

ここで重要なのは細胞膜は「リン脂質」っていう脂質でできているということ。
さらにこのリン脂質は丸い「リン酸」と2本棒の「脂肪酸」からできています。

この脂肪酸があるから水に溶けたいろんな物質を弾くんですね。

じゃあ細胞の中のいらないものや、中に入れたいものはどうやってやり取りしてるの?

それは タンパク質 を使ってるよ。
細胞膜にはタンパク質がところどころにあって、そこを通して物のやり取りをしてるんだ。

核にはDNAが入っている

核の中にはDNAが入ってるって言ったのに画像にないじゃないか!
言ったのに!そう言ったのに!

まあ、落ち着いてよ・・・(取り乱しすぎだろ)
前の記事を見てDNAについて思いだしてみよう。

そうだった。
DNAはヒストンに巻き付いて「クロマチン」っていう構造になってるんだった。
上の画像のクロマチンがDNAってことか。

合ってるけど、情緒が不安定でこわいよ・・・

そしてこのクロマチンは2種あります。

ヘテロクロマチンは「ギュッ」と凝縮してる。
凝縮してるから色を付けた時に 濃くみえる んだ。
ユークロマチンは「ゆるっ」としてる。
ゆるっとしてるから色を付けた時に色が分散して 薄く見える んだ。

だからなんなんだ。

・・・
DNAからタンパク質をつくるんだったよね。
その時DNAにいろんなものをくっつける必要がある
「ギュッ」としてたらくっつける隙間がないけど、「ゆるっ」としてたら色んなものがくっつく余裕ができるよね。
つまり「ゆるっとしてるユークロマチン」タンパク質を活発に作ろうとしてるのが分かるんだよ。

我々、細胞検査士はこのような微妙な違いも確認しながら細胞を見ています。

核にはもうひとつ特徴があるよ。
核膜(核を囲んでいる部分)を見てみて。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-18.png

この核膜には「核膜孔」っていう あな” があいている
この理由はタンパク質を作るときの説明に出てきたね。
分からないよー!って人は確認してみて。
DNAからタンパク質をつくるまで。セントラルドグマを画像で分かりやすく解説!
さらにこの核膜は粗面小胞体と繋がっている
理由は後で出るから頭の片隅に置いといてみて。

リボソームはタンパク質をつくる

リボソーム=タンパク質を作る
と覚えよう!

リボソームは前のタンパク質をつくる時の説明にも出てきたな。
DNAからタンパク質をつくるまで。セントラルドグマを画像で分かりやすく解説!
少しずつだけどいろいろ繋がってきたよ。

イイ感じだね!繋がってくるとどんどん面白くなってくるよ!
じゃあリボソームの特徴を見ていこう!

  • リボソームは リボソームRNA(rRNA)タンパク質 でできている
  • リボソームでタンパク質がつくられる
  • 膜構造を持たない。

これだけ?

なんで不満げなんだよ・・・
覚えるのが少ない方が嬉しいだろ!
強いて言えば、粗面小胞体にくっついてるリボソームを付着リボソーム、その辺に単体でいるやつを遊離リボソームということ。
あとは大きい丸(大サブユニット)小さい丸(小サブユニット)からできてるってことかな。

とにかくリボソームはタンパク質をつくると覚えよう!

2つの小胞体

細胞の中には 2つの ”小胞体” と呼ばれるものがあるんだ。
それぞれ 粗面小胞体滑面小胞体 って呼ばれてるよ。

粗面と滑面っていう名前にポイントがありそうだな。

今日も着眼点がキレてるなあ。
その通りで、まず 粗面小胞体 は名前の通り ”あらい(粗)”んだ。
何故かというと、小胞体の周りに リボソーム がくっついているから表面がざらついて見えるんだね。
もう一つの特徴は核膜と繋がってるってとこ。

上の図のように核膜は粗面小胞体と繋がっています。
繋がることで核の近くにいることができます。

そう、粗面小胞体とリボソームは近くにいる必要があるんです。

ちょっと考えてみる。
リボソームがくっついているってことはタンパクを作りたい・・・
タンパクは核からくるmRNAをもとに作られる・・・
核からmRNAがくるからその近くにいたい!
だから近くにいるのか!
解決!

絶対最初から分かってるやん・・・
分かってるのに逆算して話してるサイコパスだよね?(見た目も含む)

一方、滑面小胞体 はリボソームがくっついていないので、表面がつるつる してます。

何か変な構造してるけど、こいつは大体3種類くらいの役割をしてるんだ。
ステロイドホルモン(脂質でできたホルモン)をつくる
カルシウムイオンをためる
解毒

とにかく小胞体は
粗面小胞体=リボソームがくっついてざらざら=タンパクをつくる

滑面小胞体ステロイドホルモン合成カルシウムイオン貯蔵解毒

と覚えておこう!

ゴルジ装置はタンパクを完全体にする

リボソームでつくられたタンパクは不完全です。
完全なものにするにはゴルジ装置を通る必要があります。

ゴルジ装置はゴルジ体とも呼ばれるよ。
何層かの平たい構造が集まっていて、ここではタンパク質の構造を変えたり、色んなものをくっつけたりするんだ。
これでタンパク質は完全体になるよ。

完全体になったらどうなるの?

完全体になると、タンパク質は 働けるようになる んだ。
例えば酵素なんかは有名だね。
完全体になることで、何かを消化する酵素になれるみたいな感じになるよ。

ここまでの知識でタンパク質ができるまでの流れが完璧に理解できます。

リソソーム(ライソゾーム)は異物を分解する

リソソーム酸性加水分解酵素をもつ物質の分解をする

リソソームは強力な武器である酸性の加水分解酵素というのを持ってるんだ。
この武器を使って異物が来たら分解していく。

これでなんでも消化できるのか。
消化できないものはないの?

ある程度のものは消化できるはずだよ。
消化はするけど完全には消化しきれないものがあって、それは蓄積していくんだ。
それを リポフスチン と呼んでいるよ。
心臓によくみられるね。

ミトコンドリアはエネルギー産生工場

ミトコンドリアATPをつくるエネルギーをつくる

このミトコンドリアは外側の膜(外膜)と内側の膜(内膜)という2枚の膜がある。
さらに内膜に囲まれた部分(緑)を ”マトリックス” 、マトリックスに食い込んだ白い部分を ”クリステ” と呼んでる。
外膜と内膜の間は 膜間腔 と呼ばれてるよ。

果たしてそんなに細かく場所に名前をつける必要があるのか?

場所によってやってることが違ったりするから結構重要だよ。
ミトコンドリアは働き者なんだ。
主な仕事はATP(エネルギー)を作ること。
あとはアポトーシスっていう細胞が死ぬシステムも手伝ってる。

アポトーシス?
なんだそれは?

少しややこしいですが、アポトーシスとは事前にプログラムされた細胞の死に方です。
では、プログラムされていない死に方は何かというと、ネクローシスです。
壊死なんて言われたります。

アポトーシスは計画して死んでいくから周りに迷惑をかけないようになってるんだ。
一方、ネクローシスは事故みたいなもので、意図せず死ぬから中身が全部出て周りの細胞にも迷惑をかけることになるよ。

細胞の中身には酵素とかもあるだろうから、それが飛び出すと近くの細胞を殺したりする可能性があるのか。

アポトーシスは上の画像の左側のように色んな現象が次々に起きて最終的に核を小さく切り刻みます。
その後、細胞自体も小さくなりアポトーシス小体という小さな丸になって中身を飛び出さないまま死ぬことができます。

このシステムを起こすには2つの経路があるけど、その1つにミトコンドリアが絡んでいるよ。
ミトコンドリアがどう関わっているかは少しややこしいから今回は飛ばそう。
とにかくミトコンドリアが絡んでいることだけは覚えていて。

細胞骨格~細胞の形をつくる骨~

細胞はこの3つの細胞骨格と呼ばれる線維によって形が保たれています。
これらは形を保つ以外にもたくさんの役割があります。
上の図では一番左の微小管が最も太く、右のマイクロフィラメントが一番細いです。

たしか、左の微小管は線毛円柱上皮の線毛の構成成分だって言ってたな。

よく覚えてたね!
忘れていた人はもう一度見て復習しておこう!

左の微小管と右のマイクロフィラメントは細胞分裂の回で説明します。
今回は中間径フィラメントに着目してみます。

主な中間径フィラメントは7種類。
これは細胞の種類によって決まってるよ。

  1. ケラチン ー 上皮細胞
  2. ニューロフィラメント ー 神経細胞
  3. グリアフィラメント ー 神経膠細胞
  4. ビメンチン ー 間葉系細胞
  5. デスミン ー 筋系細胞
  6. ネスチン ー 神経幹細胞
  7. ラミン ー 核膜

形とかをみて見分けがつかない時、これを見れば見分けられそうだね。

鋭すぎる・・・
これを見分けるには免疫染色が必要だよ。
とりあえずこの細胞には上皮細胞=ケラチンとかの組み合わせを覚えておこう!

免疫染色は数回に分けてイラスト解説をしています↓

まとめ

 
 
 
 
 
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どうだったでしょうか?
この細胞小器官は細胞検査士の試験にもよく出るところなので、覚えていきましょう!

これからもみんなで楽しく勉強していこう!

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