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【 副腎 】国試に必要な6つのポイントをイラスト解説!

副腎
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MT・CTのどっとゼブラです。
今回は 副腎 について。
国家試験では画像問題でも出るし覚えたい疾患もある重要器官。
国試の部分はもちろん今後の試験対策で周辺知識も見ていこう!

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副腎で覚えるべき7つ
  1. 重さ
  2. 位置
  3. 皮質と髄質
  4. 組織像
  5. 分泌するホルモン
  6. 副腎疾患

副腎の解剖

副腎の解剖で覚えたいのは次の7つ。

  • 重さ(最悪覚えなくても良い)
  • 位置(後腹膜臓器)
  • 皮質と髄質
  • 胚葉
  • 組織像
  • 分泌するホルモンと分泌場所

一つずつ確認していきましょう!

副腎 の重さ

副腎の重さは約5g

国試に臓器重量の問題もあるが、副腎は特に覚える必要がない。

とりあえず頭の片隅はおいておこう!

副腎 の位置

副腎は腎臓の上に乗っている臓器。

脂肪に富んだ被膜を持つため黄色に見える。

副腎 は肝臓と接する

この真上には肝臓が存在する。
つまり副腎と腎臓は肝臓に接する臓器の一つとなる。

下のどっとゼブラ考案の”透かし解剖図”で周辺臓器の位置を確認しておこう!

肝臓と接する臓器は次の8つ。

  1. 横隔膜
  2. 食道
  3. 十二指腸
  4. 結腸
  5. 胆嚢
  6. 腎臓
  7. 副腎

副腎 は後腹膜臓器

腎臓や副腎は後腹膜臓器(器官)の一つでもある。

後腹膜臓器とは一部もしくは全体が腹膜に覆われない臓器のこと。

下図の全体が青い部分に囲まれていないものが後腹膜臓器。

後腹膜臓器をまとめると以下の9つ。

  1. 膵臓
  2. 腎臓
  3. 副腎
  4. 十二指腸
  5. 上行結腸
  6. 下行結腸
  7. 大動脈
  8. 下大静脈
  9. 尿管

膵臓と腎臓の出題頻度が圧倒的に高い。
まずはその2つから覚えて、他を少しずつ増やそう!

副腎 は皮質と髄質に分かれる

副腎は皮質と髄質に分かれる。

皮質:外側
髄質:内側

のこと。

よく肉まんの皮部分が皮質で餡部分が髄質と比喩される。

副腎 の皮質と髄質

副腎 皮質と髄質の胚葉

副腎 の皮質と髄質は胚葉が異なる。

皮質:中胚葉
髄質:外胚葉

腎臓が中胚葉であることを考えると副腎も中胚葉由来が普通である。

しかし、内側の髄質の細胞は神経系であるため外胚葉。

副腎の皮質と髄質は全く別物のようになっている。

副腎 の組織像

副腎の組織像は国試に出題されているため必ず覚えたい。

副腎の組織は上でも説明したように皮質と髄質に分かれる。

この皮質はさらに3層に分かれ、そこがポイントになる。

まず実際の組織像を見てみよう。

一見わかりずらいですが、皮質は少しグラデーションのようになっている。

この独特なグラデーションは他の組織には無いため覚えておこう!

そして皮質が上から、

球状層

束状層

網状層

になっていることも必ず覚えよう。

副腎 が分泌するホルモン

副腎は内分泌臓器でホルモンを分泌する。

そしてここまでで説明したように副腎は層構造になっている。

これらの層から別々のホルモンが産生される。
ここがややこしいため問題が作りやすい。

確実に一つずつ確認していこう!

まず副腎は皮質の3層と髄質に分かれるため合計で4層あることになる。

つまり、副腎からは大きく分けると4種類のホルモンが産生される。

実際に産生されるホルモンは以下の通り。

  • 皮質の球状層
    電解質コルチコイド(アルドステロン)
  • 皮質の束状層
    糖質コルチコイド(コルチゾール)
  • 皮質の網状層
    男性ホルモン(アンドロゲン)
  • 髄質
    カテコールアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミン)

まずはどこから何が出ているかを必ず覚えよう!

さらに副腎皮質ホルモンは上からの指令で産生している。
その全体像も確認しておこう!

副腎皮質の3ホルモンは視床下部、下垂体からの指令で産生される。
副腎皮質ホルモンが出る流れは以下の通り。

①視床下部
 副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)
 ↓
②下垂体前葉
 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)
 ↓
③副腎皮質
 アルドステロン
 コルチゾール
 アンドロゲン
(特にアルドステロン以外が産生される)

これとは別にレニン・アンギオテンシン・アルドステロン系(RAA系)という経路がある。
これは腎臓からのレニン、肝臓からのアンギオテンシノゲンなどが作用してアルドステロン産生を促す経路のこと。

副腎の疾患

副腎の疾患で覚えたいのは以下の4つ。

  • アジソン病(副腎皮質機能低下症)
  • クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)
  • クッシング病(副腎皮質機能亢進症)
  • 副腎髄質腫瘍(褐色細胞腫、神経芽腫)

アジソン病(副腎皮質機能低下症)

アジソン病は副腎皮質機能低下症のこと。

最終的に副腎皮質ホルモンが出ない疾患のことで原発性と続発性の2種類の機序が考えられる。

①原発性アジソン病
副腎皮質の障害によって副腎皮質ホルモンが出ないもの。

通常アジソン病というと原発性を指す。
そのため、試験で指定が無ければこの原発性で考える。

 CRH:副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン
 ACTH:副腎皮質刺激ホルモン

アジソン病(特に原発性)では以下のものが低値、高値を示す。

低値を示すもの

・アルドステロン
・ナトリウム
・血圧

・コルチゾール
・血糖値
・筋力
・食欲

・アンドロゲン
・17-KS
・月経(無月経)
・骨量(骨粗鬆症)

高値を示すもの

・ACTH
・色素沈着

・カリウム

②続発性アジソン病
視床下部 or 下垂体前葉が障害され、副腎皮質ホルモンが出ない。
この場合、コルチゾールとアンドロゲンは出ないが、RAA系の刺激でアルドステロンは出る。

 CRH:副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン
  ACTH:副腎皮質刺激ホルモン

クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)

副腎腫瘍、過形成、下垂体腺腫などが原因でコルチゾールの過剰分泌を呈する病態の総称。
つまりコルチゾールが過剰に出るものはすべてここに含まれる。

似た疾患名でクッシング病がある。
これはクッシング症候群の中でも下垂体腫瘍によるACTH産生が原因のものを指す。

クッシング病(副腎皮質機能亢進症)

クッシング症候群の中でも下垂体腫瘍によるACTH産生が原因のもの。
原因は下垂体腺腫が多い。

副腎髄質腫瘍

副腎髄質腫瘍は以下の2つが有名。

  1. 褐色細胞腫
  2. 神経芽腫

これらはカテコールアミン(アドレナリンやノルアドレナリン)を分泌する。

そしてこれらの腫瘍では尿中バニリルマンデル酸(VMA)検出が有効。
このVMAはカテコールアミンの代謝産物である。

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