【イラスト解説】胎児循環と胎児の血管を分かりやすく解説!確認問題あり

- 静脈管
- 卵円孔
- 動脈管(ボタロー管)
- 臍静脈
- 臍動脈

今回はややこしい胎児循環を分かりやすくイラスト解説します!
医療系試験にも出やすいからここで理解していこう!
胎児循環 とは
胎児循環とは胎児の血液循環のこと。
胎児と出生後では心臓の構造や血液の循環が異なる。
- 静脈管は肝臓を通らない
- 卵円孔は右心房と左心房を繋ぐ
- 動脈管(ボタロー管)は肺動脈と大動脈を繋ぐ
- 臍静脈は1本で動脈血を含む
- 臍動脈は2本で静脈血を含む
この5つの詳細を確認していきましょう。
胎児循環を分かりやすくイラスト解説
胎児循環 全体像のイラスト

胎児は胎盤でガス交換などを行う。
その胎盤から臍静脈が出て胎児循環が始まる。
- 静脈管(アランチウス管)
- 卵円孔
- 動脈管(ボタロー管)
静脈管(アランチウス管)のイラスト解説

●胎児循環
消化器の静脈
静脈管
下大静脈
右心房
●通常の循環
消化器の静脈
門脈
肝静脈
下大静脈
右心房
出生後と違い、門脈に入らない経路も存在する。
それを 静脈管 と呼ぶ。
(別名:アランチウス管)
出生後は肝臓に栄養を貯蔵するため血液が肝臓を経由するが、胎児は母からの栄養供給が常にあり、肝臓で栄養を貯蔵する必要がない。
上記のような違い、理由から静脈管があれば効率よく血液が循環できる。
卵円孔のイラスト解説

●胎児循環
右心房
左心房
左心室
大動脈
全身
●通常の循環
右心房
右心室
肺動脈
肺
肺静脈
左心房
左心室
大動脈
全身
胎児は肺呼吸をしないため、右心室→肺の経路を取る必要がない。
※肺にも栄養が必要なため、肺に血液も流れはします。
そのため右心房と左心房の間に 卵円孔 という孔(あな)が開いている。
こうすることで以下のように効率良い循環ができる。
つまり右心房に入った血液は肺動脈を通る経路と卵円孔から左心室に入る経路がある。
? じゃあ肺動脈に入った血液は無駄になるのか。
【結論】無駄になりません。
肺動脈にも循環効率を上げる経路が存在します。
それが次で説明する動脈管(ボタロー管)です。
動脈管(ボタロー管) のイラスト解説

●胎児循環
肺動脈
大動脈
全身
●通常の循環
肺動脈
肺
肺静脈
左心房
左心室
大動脈
全身
胎児は肺呼吸をしないため、あまり血液を必要としない。
そのため肺動脈から大動脈に直接入る動脈管 (ボタロー管) という経路が存在する。
つまり肺動脈の血液は肺に行く経路と大動脈に行く経路が存在する。
【臍静脈と臍動脈】のイラストと解説
臍静脈と臍動脈にも特徴がある。
臍動静脈の本数

下のイラストで臍静脈と臍動脈を確認してみよう。

静脈と動脈の本数。
- 臍静脈は1本
- 臍動脈は2本
臍動脈が2本あるのは左右の内腸骨動脈から1本ずつ出るためである。
臍動静脈に流れる血液

まず通常の血管と血液の関係を確認してみよう。

基本的には血管名とそこに流れる血液名はリンクしている。

でもリンクしない血液もたまにある。
それはどういうこと?

それは
・動脈に流れるのが動脈血
・静脈に流れるのが静脈血
ではないからだよ。

血液名は酸素の多い・少ないによって変わるのが基本だと覚えよう。
ここで通常の循環と胎児循環を比較してみましょう。

ややこしいと思う人は
- 臍静脈には動脈血
- 臍動脈には静脈血
と覚えればOK。
上の図がややこしい人は下の簡略verを見てみよう。

確認問題

最後に問題を解いて知識を定着させよう!
胎児循環で酸素を最も多く含む血液が流れているのはどれか。
1. 肺動脈
2. 肺静脈
3. 臍動脈
4. 臍静脈
看護師国家試験 第108回 午前7問
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4
胎児の卵円孔の位置で正しいのはどれか。
1. 右心房と左心房の間
2. 右心室と左心室の間
3. 大動脈と肺動脈の間
4. 門脈と下大静脈の間
看護師国家試験 第101回 午後10問
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1
胎児循環で胎児から胎盤に血液を送るのはどれか。
1. 総頸動脈
2. 肺動脈
3. 臍動脈
4. 臍静脈
看護師国家試験 第111回 午前7問
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3
まとめ
- 静脈管は肝臓を通らない
- 卵円孔は右心房と左心房を繋ぐ
- 動脈管(ボタロー管)は肺動脈と大動脈を繋ぐ
- 臍静脈は1本で動脈血を含む
- 臍動脈は2本で静脈血を含む