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【 甲状腺 】で覚えるべき5つのポイントと副甲状腺ホルモン

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MT・CTのどっとゼブラです。
今回は 甲状腺 (副甲状腺も少し)について。
国家試験では画像問題でも出るし覚えたい疾患もある重要器官。
ここ10年の国試出題部分はもちろん、今後の試験対策として周辺知識も見ていこう!

\病理の国試対策本が出ました!/

甲状腺で覚えるべき5つ
  1. 胚葉
  2. 位置
  3. 組織像
  4. 分泌するホルモン
  5. 疾患
    橋本病、バセドウ病

これプラス副甲状腺ホルモンも解説紹介します。

甲状腺 の解剖

甲状腺の解剖で覚えたいのは次の4つ。

  • 胚葉
  • 位置
  • 組織像
  • 細胞と分泌するホルモン

胚葉

甲状腺は内胚葉

外と交通がないにもかかわらず内胚葉だから問題として使いやすい。
胚葉は必ず覚えよう。

甲状腺 の位置

甲状腺は気管の前方にある。

右葉、峡部、左葉に分かれる。

ここで覚えたいのは気管の前方にあるということ。

甲状腺 の組織像

甲状腺は特徴的な組織像を示す。

そのため試験に画像を出しやすい。

上図のように大小の丸い構造がたくさん見られる。

この丸い構造を甲状腺濾胞と呼ぶ。

濾胞の中にはコロイドという液状物質が入っており、エオジン(ピンク)に染まる。
このコロイドはPAS反応に陽性を示し、甲状腺ホルモンが貯蔵されている。

濾胞の辺縁は単層立方上皮の甲状腺濾胞上皮細胞が囲む。

この特徴的な【濾胞構造】を覚えよう!
濾胞構造が見られたら甲状腺を選んでね。

甲状腺 の細胞と分泌するホルモン

甲状腺に大きく2種類の細胞が存在する。

  • 濾胞上皮細胞
  • 傍濾胞細胞(C細胞)

この2つは異なるホルモンを分泌する。

  • 濾胞上皮細胞
    サイロキシン(T4)
    トリヨードサイロニン(T3)
    サイログロブリン(Tg)
  • 傍濾胞細胞(C細胞)
    カルシトニン

濾胞上皮細胞から出るホルモンは下垂体前葉からの甲状腺刺激ホルモン(TSH)によって制御される。

下垂体前葉は視床下部からの甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)に制御される。

T4, T3, Tg

濾胞上皮細胞から分泌される。

これらのホルモンはヨウ素を原料に作られる。
濾胞上皮細胞に取り込まれたヨウ素は濾胞腔内に貯蔵されている。

下垂体からの甲状腺刺激ホルモン(TSH)に刺激されるとまずサイログロブリン(Tg)が合成されて濾胞腔内に貯蔵される。

次に甲状腺ペルオキシダーゼ(TPO)によってT3とT4がTg上で作られ、濾胞腔内に貯蔵される。

分泌時にTgは濾胞上皮細胞に吸収されてT3とT4のみ分泌される。

血中でサイロキシン結合蛋白と結合して各組織に運ばれる。
T4の方が量は多いが、T3の方が活性は強い。

T4, T3の作用は代謝の亢進である。

カルシトニン

傍濾胞細胞(C細胞)から分泌されるペプチドホルモン。

この傍濾胞細胞は濾胞と濾胞の間に存在し、濾胞腔と接していない

このホルモンは骨吸収を抑制して血中カルシウム濃度を低下させる。

HE染色で見つけ出すのは難しい。

甲状腺 の疾患

覚えたい甲状腺疾患をまとめると以下のようになる。

まず覚えたいのは分泌過剰と分泌低下がみられる疾患に何があるかということ。

甲状腺ホルモン分泌過剰疾患

  • バセドウ病
  • プランマー病
  • 無痛性甲状腺炎

甲状腺ホルモン分泌低下疾患

  • 慢性甲状腺炎(橋本病)
  • クレチン症

この中でもバセドウ病と慢性甲状腺炎は頻出だから確認していこう!

もう一度通常のホルモン分泌経路を再確認。

バセドウ病(グレーブス病)

自己免疫性疾患Ⅱ型アレルギー(V型アレルギー)に分類される。

状腺刺激ホルモン(TSH)受容体に自己抗体が結合し、勝手にたくさんホルモンが出る。

ネガティブ・フィードバックが強くかかるため、TSHは減少する。

バセドウ病にはメルせブルグの3徴候と呼ばれる以下の臨床症状も特徴。

  1. 甲状腺腫(甲状腺の腫脹)
  2. 眼球突出
  3. 頻脈

慢性 甲状腺炎(橋本病)

自己免疫性疾患でⅣ型アレルギーに分類される。

抗サイログロブリン抗体抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体などが検出される。

サイログロブリンや甲状腺ペルオキシダーゼが自己抗体で攻撃されホルモンが出さなくなる。

ネガティブ・フィードバックが弱まるため、TSHは増加する。

点数を上げたい人は主な臨床症状も見ておきましょう。

甲状腺機能低下症の症状
  • 体重増加
  • 嗄声(させい)
  • 皮膚乾燥
  • 便秘
  • 心拍数減少

      など

副甲状腺

副甲状腺は甲状腺の裏に上下左右一つずつある。

副甲状腺には主細胞と好酸性細胞がある。

主細胞からパラトルモンと呼ばれるホルモンが分泌される。
これは骨吸収を促進し、血中カルシウム濃度を増加させる。

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