MT・CTのどっとゼブラです。
今回は画像でも出やすい染色の EVG染色 。
画像で出やすいのは分かりやすいから。
この記事でポイントをおさえていこう!
EVG染色 のポイント
EVG染色 は以下の3点を覚えましょう。
- 名前の意味
- 使われている試薬
- 何が何色に染まるか
これだけ覚えればある程度対応できます。
しかし、使われている試薬や色も多いのでなかなか大変です。
試薬は使う意味も理解すると覚えやすくなります。
EVG染色 の全体像
染色は全体の流れを何となく把握すると理解しやすくなります。
サラッと見ておきましょう。
- 脱パラ・脱キシ・親水
- ワイゲルトのレゾルシン・フクシン液
(染色) - 無水エタノール or 塩酸アルコール
(分別) - ワイゲルトの鉄ヘマトキシリン
(核染色) - 流水水洗
(色出し) - 塩酸アルコール(共染時)
(分別) - ワンギーソン液
(染色) - 無水エタノール
(分別・脱水) - 透徹・封入
EVG染色 の名前の意味
EVG染色 とはElastica van Giesonの頭文字を取ったものです。
このElasticaは弾性を指します。
van Giesonはワンギーソン染色のことを指します。
つまりEVGは
弾性線維の染色&ワンギーソン染色の合体した染色
という意味。
ちなみに弾性線維の染色はワイゲルト染色のことを指します。
これを踏まえたうえで詳細を見ていきましょう。
EVG染色 の試薬
上でも説明したようにEVGは2種の染色が混合しています。
一気に覚えるより1種類ずつ分けた方が覚えやすいです。
Weigert染色
Weigert(ワイゲルト)染色は 弾性線維を染める液 と 核を染める液 に分かれます。
- 弾性線維→ワイゲルトのレゾルシンフクシン
- 核→ワイゲルトの鉄ヘマトキシリン
これをそれぞれ見ていきます。
ワイゲルトのレゾルシンフクシン(弾性線維染色)
この染色液には3つが含まれます。
- 塩基性フクシン
- レゾルシン
- 塩化第二鉄
この液によって弾性線維が黒く染まります。
鉄や銀が含まれる染色は大体黒に染まります。
ワイゲルトの鉄ヘマトキシリン
この染色液には3つが含まれますが全てを覚える必要はありません。
- ヘマトキシリン
- 塩化第二鉄
- 濃塩酸
覚えるべきポイントは鉄が含まれる点です。
鉄や銀が含まれる染色は大体黒に染まります。
van Gieson染色
van Gieson(ワンギーソン)染色には2つの液が含まれます。
- ピクリン酸
- 酸フクシン
この2つの液は分子量の大小があり、その違いで異なる場所を染めます。
それぞれ次の部分を染めます。
ピクリン酸(黄色)
ピクリン酸は次の3つ染めます。
筋線維、赤血球、細胞質
ピクリン酸は分子量が小さい。
酸フクシン(赤色)
酸フクシンは次の1つを染めます。
膠原線維
酸フクシンは分子量が大きい。
EVG染色 液のまとめ
- 塩基性フクシン
- レゾルシン
- 塩化第二鉄
- ヘマトキシリン
- 塩化第二鉄
- 濃塩酸
- ピクリン酸
- 酸フクシン
EVG染色 の染色結果
最後に何が何色に染まるか実際の画像で確認しましょう。
- 弾性線維:黒
- 膠原線維:赤
- 赤血球:黄色
- 細胞質:黄色
このようにEVGでは黒・赤・黄の3色が見られます。
この3色に染まるものは他に出題されません。
つまりこの3色の時点でEVGです。
国試での出題のされ方
EVGは弾性線維を染めるため、弾性線維が多い組織が出ます。
特に肺、血管 で多く出題されます。
組織画像を見て肺や血管を分かるようにしておきましょう。
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