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上皮 8種類と覚え方をイラスト解説!

上皮 の種類をイラスト解説
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検査技師・細胞検査士のどっとゼブラです!
今回は上皮の種類について。
基本的な上皮の解説と覚え方を紹介します。

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主な 上皮 のざっくりした覚え方

●単層扁平上皮
中皮と内皮

●重層扁平上皮
刺激があるところ。皮膚や口腔、食道、膣など。

●単層円柱上皮細胞
分泌物を出すところ

●多列線毛円柱上皮
呼吸器系(上の方)。鼻腔、気管、気管支など。

●線毛円柱上皮
何かを運ぶところ。痰や異物を運ぶ気管・気管支、卵子を運ぶ卵管、精子を運ぶ精巣輸出管など。

上皮 の分類

上皮は下図のように約8種類あります。

上皮 の分類

このまま覚えてもいいですが、単語の意味を理解すると覚えやすくなります。
単語の詳細を見てみましょう。

上皮 の種類を表す言葉

まず上皮を表す言葉には細胞の重なり具合を示すものがあります。

  • 1層の場合
    →【単層
  • 多層の場合
    →【重層
上皮 重なりを表す言葉

次にくる言葉は細胞の形を表す言葉です。

  • 平たい細胞
    →【扁平】
  • 少し背の高い細胞
    →【立方】
  • すごく背が高い細胞
    →【円柱】
上皮 形を表す言葉

これ以外に特殊な言葉があります。

  • 尿路に見られる特殊な上皮尿路に見られる特殊な上皮
    →【移行(尿路)】
  • 細胞の頭に生える毛
    →【線毛】
  • 重層に見えるが高さが違う細胞が配列
    【多列】
上皮 特殊な言葉

上皮の名前はこれらの言葉の組み合わせでできています。

組み合わせると以下のような上皮の種類ができます。

上皮 の分類

何となく理解できたかな?
次はそれぞれを詳しくて見ていこう。

単層扁平 上皮

左図:血管の組織像。矢印が単層扁平上皮。
右図:左図のイメージ図。

このように単層扁平上皮は単層(1層)の扁平な細胞が並びます。

これらの上皮が見られるのは以下のような組織です。

単層扁平上皮が見られる組織
  1. 血管(内皮)
  2. リンパ管(内皮)
  3. 漿膜(消化器を覆う膜)(中皮)*すべての消化器ではない
  4. 胸膜(肺を覆う膜)(中皮)
  5. 心嚢膜(心臓を覆う膜)(中皮)
単層扁平 上皮

この単層扁平上皮細胞は場所で名前が変わります。

  • 血管やリンパ管を単層扁平上皮細胞を【内皮】
  • 漿膜の単層扁平上皮細胞を【中皮】

このように呼びます。

単層立方 上皮

この上皮は少し背の高い細胞が1層に並ぶものです。

左図:尿細管の組織像。
右図:左のイメージ図。

この上皮の組織はあまり多くありません。

単層立方上皮が見られる組織
  1. 腎尿細管
  2. 甲状腺

これ以外にもあるかもしれませんが、基本的にはこの2つ覚えれば大丈夫です。

単層円柱 上皮

これは1層の背の高い細胞が並ぶ上皮です。

左図:気管支の組織像。
右図:左図のイメージ。

個の上皮は分泌や吸収する場所に多いです。

単層円柱上皮が見られる組織
  1. 消化器(口腔、食道以外)
  2. 気管支
  3. 卵管

他にもありますが、この3つから覚えましょう。

この単層円柱上皮に線毛は生えたものは、
単層線毛円柱上皮
と呼ばれます。

線毛とは何なのかも見てみましょう。

線毛とは

円柱上皮や立方上皮の頭に生えた毛のことです。

この線毛は細胞骨格の微小管でできています。

そしてこの毛は運動性があります。
そのためモノを動かすことができます。

この性質を利用して何かを動かす必要がある場所に線毛が生えています。

線毛でモノを動かす場所は大体3か所です。

  • 気管支などの呼吸器
  • 卵管
  • 精巣輸出管

線毛はある場所を覚える時はこのように覚えておきましょう。

重層扁平 上皮

これは扁平な細胞が何層にも重なった上皮です。

左図:皮膚の組織像。右図:左のイメージ。

扁平な細胞が重なっていますが、どの層かで形が違います。

重層扁平上皮は下から上に分化します。
そして下の方は丸く、上に行くほど扁平になります。

この上皮は重層化することによって刺激に耐えることができます。
そのため下にあるような刺激がある場所に見られます。

重層扁平上皮が見られる組織
  1. 皮膚
  2. 口腔
  3. 食道
  4. 角膜
        など

角化型と非角化型

重層扁平上皮はさらに角化型と非角化型の2種類に分かれます。

角化型は分化して最終的に細胞が垢となって剥離していきます。
非角化型は最後まで垢にはなりません。

組織像をみると次のような見た目の違いがあります。

食道などのいわゆる粘膜は垢がたくさん出ると困ります。
そのため非角化型で被覆されています。

皮膚や口腔内の一部が角化型で被覆されます。

この重層扁平上皮はデスモソーム結合が目立つのも特徴です。

これは細胞間橋とも呼ばれます。
した画像の細胞間のトゲトゲが細胞間橋です。

細胞間橋

重層立方上皮と重層円柱上皮

この2つはほとんどありません。

そのため問題として扱われることもありません。

まず覚えなくてよいでしょう。

趣味で知りたい人は調べてみてください。

多列(線毛)円柱 上皮

これは背の高い細胞が列をなしてる上皮です。

左図:気管の組織。右図:左のイメージ。

画像で見ると重層しているように見えますが、重層していません。

様々な高さの細胞が入り混じってると考えられています。

この上皮は呼吸器系に多いです。

多列(線毛)円柱上皮が見られる組織
  1. 鼻腔
  2. 気管
  3. 耳管
        など

移行(尿路) 上皮

これは尿路系に特殊な上皮です。

この上皮も層構造になっています。
一番上の細胞は特徴的でアンブレラ細胞(被蓋細胞)という名前がついてます。

昔は移行上皮と呼ばれていましたが、今は尿路上皮と呼ぶことが多いです。

移行上皮というのは円柱状の細胞細胞から扁平状の細胞に変化することから付けられたそうです。

実際は同じ細胞であったため名称が尿路上皮に変更されたと言われています。

この形態変化というのは膀胱をみると分かりやすい。

膀胱が空の時は円柱状に見え、尿で充満している時は押されて扁平状になります。

この上皮は尿路に限定して見られます。

移行(尿路)上皮が見られる組織
  1. 腎盂
  2. 腎杯
  3. 膀胱
  4. 尿管
  5. 尿道の一部

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