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【グリドリー 染色】クロム酸で酸化してシッフで真菌を赤に

グリドリー 染色
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MT・CTのどっとゼブラです。
今回は グリドリー 染色について。
染色と疾患の組み合わせ、銀液がよく出るから要チェック!

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グリドリー 染色のポイント

グリドリー 染色のポイントは4つです。

  1. 原理
  2. クロム酸とシッフ試薬を使用する
  3. 真菌が赤に染まる
  4. 放線菌、ノカルジア、ムコール、イロヴェチは染色性が弱い

グリドリー 染色の全体像

染色は全体の流れを何となく把握すると理解しやすくなります。
特にこの染色は原理も大事なので確認してみてください。
※水洗は省略

  1. 脱パラ・脱キシ・親水
  2. クロム酸
    (酸化)
  3. シッフ試薬(コルマンフォイルゲン試薬)
    (反応・染色)
  4. 亜硫酸水素ナトリウム
    (洗浄)
  5. 70%エタノール
  6. アルデヒド・フクシン液
    (染色)
  7. 90%エタノール
    (分別)
  8. メタニールイエロー液
    (背景染色)
  9. 脱水・透徹・封入

グリドリー 染色の原理

糖をクロム酸で酸化してシッフ試薬を反応させます。

この結果真菌は赤く染まります。

グリドリー 染色の特徴

原理をもう少し詳細に説明します。

クロム酸は多糖類をアルデヒド基に酸化しますが、酸化力が強いためさらに酸化して多くはカルボキシ基まで変化します。

①多糖類

②アルデヒド基

③カルボキシ基

このカルボキシ基はシッフ試薬と反応しません。

ただ、真菌は多糖類が多く含まれます。
そのためアルデヒド基が多く残ります。

結果、真菌が赤く染まります。

ここが過ヨウ素酸で酸化するPAS反応との違いです。

硫酸基をもつ弾性線維や軟骨基質、粘液などはアルデヒド・フクシンと反応して紫に染まります。

シッフ試薬の組成

シッフ試薬の組成が問われることがあるので覚えておきましょう。

シッフ試薬の組成
  1. 亜硫酸水素ナトリウム
    (重亜硫酸ナトリウム)
  2. 塩酸
  3. 塩基性フクシン

塩基性フクシンを含む染色もすぐ出せるようにしておきましょう。

塩基性フクシンを使う染色

  1. PAS
    (シッフ試薬)
  2. EVG
    (ワイゲルトのレゾルシンフクシン)
  3. フォイルゲン
    (シッフ試薬)
  4. チール・ネールゼン
    (石炭酸フクシン)
  5. グリドリー
    (シッフ試薬)
  6. ゴモリのアルデヒド・フクシン

グリドリー 染色の原理と似た染色

グリドリー染色と似た原理が他に4つあるので少しずつ覚えていこう!

他に真菌を染める染色

真菌が染まる染色は5つあります。

  1. グロコット染色
  2. PAS反応
  3. リドリー染色
  4. ムチカルミン染色
  5. グラム染色

1のグロコット染色はあらゆる真菌を染められる染色です。

2と3は放線菌、ノカルジア、ムコール、イロヴェチの染色性が弱いと言われます。

4は真菌の中でもクリプトコッカスを染めます。

ムチカルミン染色の解説はこちら

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