ここでは細胞検査士の試験に受かるために特化した呼吸器解剖について解説します。
そもそも 細胞診 の呼吸器に必要な解剖の知識はなんでしょうか。
それを見つけるにはまず過去問を解析する必要がある。
そこからいってみよう!
過去9年分(2012年~2020年)の問題
出題された問題を列挙していきます(10年前にあたる2011年の問題は微妙だったので今回入れませんでした。)
まずは問題を解いてみよう!
どれくらい解けるかな?
●2012年度
1.Ⅰ型肺胞上皮細胞の特徴について正しいものはどれか。3つ
a. 肺胞表面の大部分を占めている
b. 遊離縁に微絨毛がある
c. 細胞質内にオスミウム好性の封入体を有している
d. 扁平肺胞細胞とも呼ばれる
e. 細胞質でガス交換を行う
答え
a, d, e
●2013年度
1.正しいものはどれですか。3つ
a. 肺の軟骨は、すべて硝子軟骨である
b. クララ細胞には、粘液顆粒と豊富なミトコンドリアが観察される
c. 肺の内分泌細胞は、嗜銀性細胞と呼ばれている
d. 肺胞大食細胞は、核内にリボソームを含んでいる
e. 気管支内面は、重層扁平上皮で覆われている
答え
a, b, c
3. 誤っているものはどれですか。3つ
a. 塵埃細胞は肺胞内にみられ、異物を細胞内に取り込む
b. 塵埃細胞は、リンパ球に対する抗原提示能力を有する
c. 塵埃細胞は、正常な肺の遊離細胞の約半数を占める
d. 肺における粘液の分泌は、杯細胞によるものが大部分である
e. 杯細胞はmucicarmine染色陰性である
答え
c, d, e
8.誤っているものはどれですか。2つ
a. 肺は外胚葉由来である
b. 臓側胸膜は結合組織層と重層扁平上皮で構成されている
c. 右肺は3葉、左肺は2葉に分かれている
d. 肺は臓側胸膜に覆われている
e. 肺癌は、肺実質の肺胞細胞や気管支粘膜から発生する
答え
a, b
14. 誤っているものを1つ選びなさい
1. Ⅰ型肺胞上皮細胞は、扁平肺胞細胞と呼ばれる
2. Ⅰ型肺胞上皮細胞は、肺胞表面の大部分を占めている
3. Ⅱ型肺胞上皮細胞は、ガス交換作用に関与する
4. Ⅱ型肺胞上皮細胞は、肺胞表面活性物質を分泌する
5. Ⅱ型肺胞上皮細胞は、明瞭な核小体を持っている
答え
3
●2014年度
1. 正しいものどれですか。2つ
A.Ⅰ型肺胞上皮はガス交換に関与する.
B.呼吸細気管支には杯細胞が分布する.
C.生理的には肺胞腔内には細胞が存在しない.
D.気管支粘膜にみられる気管支腺は粘液腺である.
E.呼吸細気管支には線毛は存在しない
答え
a, e
8.肺サーファクタントについて誤っているものはどれですか.2つ
A.おもにリン脂質からなる.
B.生後より分泌が開始される.
C.肺胞の表面張力を維持させるためのものである.
D.未熟な肺ではサーファクタントが欠乏している.
E.サーファクタントはⅡ型肺胞上皮でつくられる.
答え
B, C
●2015年度
1.次のうち重層扁平上皮で覆われているのはどれですか.2つ
A.声帯
B.鼻前庭
C.咽頭鼻部
D.副鼻腔
E.呼吸細気管支
答え
A, B
2.Ⅱ型肺胞上皮細胞について正しいものはどれですか.2つ
A.扁平な細胞である.
B.細気管支を覆う細胞である.
C.無線毛細気管支上皮細胞からできている.
D.サーファクタントアポ蛋白を分泌する.
E.肺胞傷害後の修復過程で増生する.
答え
D, E
●2016年度
16. 呼吸器の細胞について正しいものを1つ選びなさい.
1.異型のない扁平上皮は気管支由来である.
2.組織球の核は多核を呈する場合もある.
3.杯細胞は線毛円柱上皮細胞より多い.
4.基底細胞は線毛円柱細胞より大型の細胞である.
5.杯細胞は酸性粘液多糖類を分泌する.
答え
2
20.誤っているものを1つ選びなさい.
1.Club細胞(旧Clara細胞)は,線毛を持たない.
2.I型肺胞上皮細胞は,扁平肺胞上皮細胞ともいう.
3.杯細胞は慢性気管支炎の時に増加している.
4.基底細胞は気管支上皮の予備細胞である.
5.Ⅱ型肺胞上皮はガス交換に関与している.
答え
5
●2017年度
12.正しいものはどれですか.1つ
1.肺胞でのガス交換は, 肺胞上皮, 基底膜, 血管内皮を通して行う.
2.肺胞同士はLambert孔を通して交通している.
3.肺の栄養血管は肺動脈である.
4.リンパ管は肺胞壁から始まり, 肺門に向かう.
5.肺静脈は気管支に伴走する.
答え
1
16.Ⅱ型肺胞上皮細胞について誤っているものはどれですか.1つ
1.細胞分裂をしない.
2.明瞭な核小体を有している.
3.層状封入体(層板小体)を有している.
4.電子顕微鏡学的に細胞表面に微絨毛を有している.
5.細胞質内にはリン脂質に富む分泌顆粒が存在する.
答え
1
17.呼吸細気管支の構造で誤っているものはどれですか.
1.線毛上皮
2.Club細胞(旧 Clara細胞)
3.杯細胞
4.基底細胞
5.平滑筋
答え
3
●2018年度
1. 線毛円柱上皮を有するものはどれですか.2つ
A.呼吸細気管支
B.気管
C.副鼻腔
D.鼻前庭
E.中咽頭
答え
B, C
11. Ⅰ型肺胞上皮細胞について誤っているものはどれですか.2つ
A.肺胞の形を保つ働きがある.
B.血管と肺胞腔との間の蛋白質の輸送に関わる.
C.肺胞の表面積の90%以上を占める.
D.肺胞を構成する肺胞細胞の約40%を占める.
E.細胞質内にオスミウム好性の封入体を有している.
答え
A, E
●2019年度
4.誤っているものはどれですか.2つ
A.鼻腔は上気道に含まれる.
B.喉頭蓋の働きにより、食物は食道に流れる.
C.気管支周辺のリンパ節は少数である.
D.肺のリンパ流は肺門部から末梢に向かって流れる.
E.左右肺と胸椎、胸骨に囲まれた部分が縦隔である.
答え
C, D
11.中枢気管支を構成している細胞で誤っているものはどれですか.1つ
1.杯細胞
2.線毛細胞
3.Club 細胞 (旧 Clara 細胞)
4.基底細胞
5.神経内分泌細胞
答え
3
●2020年度
1.正しいものはどれですか.2つ
A.気管支腺は粘液腺である.
B.副鼻腔には3 つの腔がある.
C.細気管支以下に軟骨は存在しない.
D.上気道の表層上皮には杯細胞が混在する.
E.細気管支では線毛円柱上皮より杯細胞のほうが多い.
答え
C, D
2.正しいものはどれですか.2つ
A.塵埃細胞は上気道由来である.
B.ランゲルハンス細胞は中枢気道に多く分布する.
C.杯細胞の粘液はAlcian blue 染色に強陽性を示す.
D.線毛円柱上皮細胞にはリポフスチンがしばしば存在する.
E.神経内分泌細胞は区域気管支までの気管支壁に多く存在する.
答え
B, C
16.Club 細胞(旧Clara 細胞)について誤っているものはどれですか.
1.線毛を有する.
2.微絨毛を有する.
3.界面活性物質を産生する.
4.糖タンパク質を含んだ分泌顆粒が存在する.
5.終末細気管支と呼吸細気管支の移行部に存在する
答え
1
イラスト解説
今回の問題が「難しい」とか「全く分からなかった」っていう人のために、解剖をオリジナルイラストで解説してるよ。
ココか下のリンクから飛べるのでよかったら見てみてね!
これからも一緒に勉強頑張ろう!
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