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今回は チール・ネルゼン 染色について。
チール・ネルゼン染色は有名な染色だから覚えておこう!
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チール・ネルゼン 染色のポイント
チール・ネルゼン 染色のポイントは4つです。
- 抗酸菌、リポフスチン、セロイドをフクシンで赤く染める
- 塩基性フクシンを使う
- 塩酸アルコールで分別する
チール・ネルゼン 染色の全体像
染色は全体の流れを何となく把握すると理解しやすくなります。
特にこの染色は工程の理解が染色の理解に繋がりやすいです。
※水洗は省略
- 脱パラ・脱キシ・親水
- 石炭酸フクシン
(染色)
塩基性フクシンに石炭酸(フェノール)を混ぜることで脂質を多く含む抗酸菌の細胞壁への浸透力を高める。 - 塩酸アルコール
(分別)
2.で染まった抗酸菌以外の部分を脱色する。抗酸菌は酸で脱色されないため“抗酸”菌と呼ばれる。 - メチレン青
(染色)
3.で脱色した抗酸菌以外を青く染めて抗酸菌の赤を目立たせる。 - 95%エタノール
(分別) - 脱水・透徹・封入
そもそも抗酸菌って?
抗酸菌とは酸に抵抗性がある(酸をかけても色が抜けない)菌のことです。
抗酸菌にはどんなのがいる?
主には4種類です。
1.結核菌
M. bacteriumuが原因菌。ラングハンス巨細胞、類上皮細胞、乾酪壊死をみる特異性炎が特徴的。
2.非結核性抗酸菌症
MAC菌が約80%、M.kansasiiが10%を占める。結核は減少しているが、これらの菌が原因の非結核性抗酸菌症は増加している。
3.ノカルジア
弱好酸性を示す菌。好酸性ではなく、弱好酸性なので通常のチール・ネルゼンではなく、変法であるkinyoun染色(脱色を0.5%硫酸で行う方法)を行うと染まりやすい。
4.らい菌
M. lapraeが原因菌でハンセン病を引き起こす。乾酪壊死を伴わない特異性炎がみられる。
石炭酸フクシンとは
石炭酸フクシンは石炭酸(フェノール)と塩基性フクシンの混合液。
フェノールは水にも脂質にもなじみやすいが、塩基性フクシンは脂質となじみにくい。
塩基性フクシン単体だと脂質が多い抗酸菌の細胞壁を通過しづらいけど、フェノールと合わせると入りやすくなる。
だからフェノールと塩基性フクシンの混合液を使う必要がある。
混合液を使った結果、菌が塩基性フクシンの赤色に染まる。
抗酸菌の他、リポフスチンやセロイドも染まります。
塩基性フクシンを使う染色
塩基性フクシンを使うのは?という問題がたまにあります。
なので合わせて覚えておきましょう。
- PAS
(シッフ試薬) - EVG
(ワイゲルトのレゾルシンフクシン) - フォイルゲン
(シッフ試薬) - チール・ネールゼン
(石炭酸フクシン) - グリドリー
(シッフ試薬) - ゴモリのアルデヒド・フクシン
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