今回は 神経 系の基礎 と 末梢神経系 について!
なんだかややこしくて敬遠しがちだけど、イラストでイメージしていこう!
ここでの説明は形態や機能が中心だよ。
この記事で分かること
- 神経の由来胚葉
- 神経系とは
- 中枢神経と末梢神経のちがい(ざっくり)
- 神経系を構成する細胞たち
- 神経細胞の構造とその名称
①細胞体の構造
②神経原線維
③髄鞘
④有髄神経線維と無髄神経線維
⑤シュワン鞘とS-100
⑥衛星細胞(外套細胞)
神経 は外胚葉由来
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胚葉は国家試験に頻出だから必ず覚えよう!
胚葉の詳しい解説は下のリンクにあるかた見てみてね。
基本的にはこんな感じだったよな。
・外胚葉:目で見える部分と神経系
・中胚葉:外と繋がっていない部分
・内胚葉:目で見えないが、外と繋がっている部分
例外はあるけどこれが基本だと覚えてる。
よく覚えてるね!完璧!
こんな感じでまずはざっくり覚えていこう!
神経 系は中枢神経と末梢神経からなる
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神経系は 中枢神経 と 末梢神経 からできてる。【髄鞘の項へ飛ぶ】
中枢神経は脳と脊髄のこと。
末梢神経は中枢神経から出てる神経のこと。
イメージすると上のイラストみたいな感じだね
このビロビロ出た末梢神経はどこに伸びてるんだ?
それは “受容器” や “効果器” と呼ばれる部分につながってるよ。
- 受容器:目や耳など刺激を受け取る部分
- 効果器:筋肉など刺激を受けて反応する部分
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つまり神経系は受容器と効果器をつないでいる部分みたいなことか。
神経 系を構成する細胞たち
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神経系を構成する細胞は中枢神経と末梢神経でだいぶ違うよ。
でも役割は似たようなもんだから名前だけしっかり覚えていこう!
- 末梢神経
神経細胞、シュワン細胞、衛星細胞(外套細胞) - 中枢神経
神経細胞、神経膠細胞(グリア細胞)
基本的には神経細胞+ “それを囲むやつら” ってイメージだよ。
末梢神経の場合
神経細胞がいて、その周りを囲むように シュワン細胞 や 衛星細胞 がいる。
中枢神経の場合
神経細胞がいて、その周りを囲むように 神経膠細胞 がいる。
こんなイメージ。
グリア細胞とその特徴
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神経 細胞の構造とその名称
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分かりやすいように主な要素を色分けしてみたよ。
神経細胞は主に次の2つでできてるんだ。
- 細胞体
- 2種類の突起(樹状突起+軸索)
確かにイラストもそうなってるな。
それぞれどうなってるんだ?
じゃあそれぞれを詳しくみていこう!
突起の数で4種類に分けられる
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ニューロンはイラストみたいに 突起の種類で4種類 に分けられるよ。
でもこれが問われることってあまり無いと思うから覚えなくていいと思う。
あるんだなあと思っておいて。
ほとんどが多極神経細胞だから、今回はこれについて説明するよ。
覚えなくていいものを入れてんじゃねえ!
こっちは試験に要なやつだけが欲しいんだよ!
いや、そうかもだけどこっちは知識の提供として・・・
ごめん・・・
- 単極神経細胞
軸索が1本の細胞。
網膜の杆状体細胞、錐体状細胞、中脳の三叉神経運動核、腸の壁内神経節などが含まれる。 - 双極神経細胞
細胞体から反対の方向へ2本の突起が出る。通常、1本が軸索、1本が樹状突起。
内耳神経の前庭神経節、らせん神経節、網膜の双極細胞などが含まれる。 - 偽単極神経細胞
双極神経細胞の2本の突起の起始部が合体して1本になったもので、さきは2本に分かれている。
見た目は単極性だが、機能的には双極性。
脊髄神経節、脳神経の知覚性の神経節などが含まれる。 - 多極性神経細胞
3本以上の突起を出す細胞。
中枢神経の大部分、末梢の自律神経節の細胞の大部分
神経細胞体の構造
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神経細胞体は大まかに 核 と 細胞質 からできてる。
核が大きくて核小体が目立つのも特徴的だね。
通常その細胞体に 複数の樹状突起 と 1本の軸索 がくっ付いてる。
他には ニッスル小体 っていう紫色の顆粒みたいなのが細胞質にみえるね。
ニッスル小体って聞いたいことねえね。
なんだこれ?
ニッスル小体は “粗面小胞体とリボソームの集合体“って言われてる。
基本的には細胞体と樹状突起内にあるよ。
軸索にはない。
これ何で紫色なんだ?
最初からそういう色ってことか?
いや、通常これは “クレシル紫” っていう色素で染めるんだ。
だから今回もそれを想定して紫にしてるよ。
これは神経を染める “クリューバ―・バレラ染色” の中にも入ってる。
臨床検査技師の知識としては必須だよ!
神経原線維
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神経の細胞体と突起には特徴的な線維があるよ。
それを 神経原線維 って呼んでるんだ。
ニューロフィラメントでできてるってことは 細胞骨格 ってことか。
よく細胞骨格について覚えてたね!
その通り細胞骨格の成分も含んでる。
細胞骨格については下に詳細な記事があるから見てみてね。
ん?ちょっと待てよ?
この線維って 最初から黒いのか?
いいとこ気づいたね。
この黒は神経原線維を染める ボディアン染色 で染めた場合の色だよ。
色を意識するのは何で染めてるかを意識するってこと。
そうやって常に考えるってのが勉強する時に重要になるよ。
染色多いし、覚えるの嫌なんだよな・・・
そんなこと言ってもしょうがないけど。
神経細胞は突起を通して情報(刺激)を伝える
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神経は樹状突起で受け取った刺激(情報を)を軸索を通して次に伝える。
これが仕事だよ。
どうやってその情報を伝えるんだ?
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こんな感じで情報を伝えてるよ。
この情報の伝え方の詳細は長くなるから別記事で紹介するね。
活動電位とかがよく分からないんだよなあ。
よろしく頼む!
情報(刺激)の伝え方は2種類ある
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軸索を通して情報を伝えることを ”伝導” っていうよ。
そしてこの伝導には 普通の伝導 と ”跳躍伝導” の2種類がある。
跳躍伝導は飛んでいくからめちゃくちゃ速いんだ。
そして跳躍伝導する神経線維を 有髄神経線維、
しないものを 無髄神経線維 って言うよ。
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たしかに動かそうと思ってからすぐ動くもんな。
跳躍伝導してるからだったのか。
でもなんでこの2種類の伝導が起きるんだ?
それには ”髄鞘” っていうのが関係してるよ。
こいつのアリ・ナシでこの伝導方法が変わるんだ。
そこを詳しく見てみよう!
髄鞘とは?
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こんな感じで 軸索に髄鞘が巻き付く と跳躍伝導が起こる。
そしてこの軸索部分は刺激が起きない絶縁(電気を通さない)部分になってる。
だからここを飛び越していくんだ。
髄鞘と髄鞘の間 を ランヴィエ絞輪 って言って、ここに着地して次のランヴィエ絞輪にまた跳ぶよ。
なんでここは刺激が起きないんだ?
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刺激は 電気的な現象 が起きている。
そしてこの髄鞘は ミエリン っていう脂質成分でできてる。
脂肪は電気を通しにくい からここが絶縁部分になるってことだね。
なるほど。
ちなみに上のイラストに書いてあるシュワン細胞、オリゴデンドロサイトってなんだ?
じゃあ次はその2つを見てみようね。
シュワン細胞とオリゴデンドロサイト
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一番最初にここでした 中枢神経 と 末梢神経 の話を覚えてるかな?
それぞれ構成してる細胞が違う。
そして髄鞘をつくる細胞がそれぞれ違って、髄鞘の作り方も違う。
末梢神経がシュワン細胞、中枢神経がオリゴデンドロサイトか。
反対に書いたらすぐ問題にできそうだな。
試験のためにそういう考え方は大事だよね。
常に自分だったらどう問題をつくるかって考えると何が大事か分かりやすいよ。
そして作り方が違うってどういうことだ?
末梢神経のシュワン細胞は体ごと抱きついてる感じ。
中枢神経のオリゴデンドロサイトは手でつかんでる感じ。
こういう違いが特徴的だよ。
結構違うんだな。
無髄神経線維は巻き付いてないんだよな?
それはどうなってる?
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一般的に無髄神経線維っていうと末梢神経のことを指すことが多いよ。
つまりシュワン細胞が関係してるってこと。
そして細胞膜がグルグル巻きじゃなくて、 シュワン細胞に軸索が埋まってる 感じになってる。
こうして束ねてくれてるよ。
髄鞘か髄鞘じゃないかはグルグル巻き付いてるか巻き付いてないかってことだね。
神経線維はどっちにしろ 支えられてる んだな。
シュワン鞘とS-100
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この重要なシュワン細胞には特有のタンパク質をもってる。
このタンパク質は “S-100” って呼ばれてるよ。
それが分かったから何なんだ?
例えば”がん” があったとして、「これ何のがんかハッキリ分からないなあ」ってなったとするよね?
その時S-100を持ってることが分かれば「シュワン細胞のがん」ってことが分かる。
例えば食道に好発する顆粒細胞腫なんかはこのシュワン細胞由来。
そういうやつの確定とかに使えるよ。
なるほど。
でもその タンパク質を持ってるかどうかはどうやって調べる んだ?
免疫染色 っていうタンパク質に色を付ける方法があるんだ。
これに関しては長くなるから、また別の記事で説明するよ。
外套細胞(衛星細胞)とは?
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神経細胞の周りにはそれを支える細胞がたくさんいる。
中枢神経の支える奴らを神経膠細胞。
末梢神経では シュワン細胞 と 外套細胞(衛星細胞)。
イラストみたいに神経細胞の周りにパラパラいて神経細胞を支えてるよ。
今回の参考文献
おわりに
今回は末梢神経を中心に神経の基礎的な部分だったけど、理解できたかな?
神経は苦手意識ある人も多いけど、意外とややこしくなかったよね?
一つひとつちゃんと見ていけば大丈夫だった気がする。
全部を一気に見るんじゃなくて、まず全体像を理解してから細かく見ていくのが良い気がしたよ。
すごい!
それに気づいたってことはちゃんと考えてるってことだよ!
勉強は授業を聞いてるだけじゃだめなんだ。
その後に自分で考えながら勉強するから身に付く。
一緒に少しずつ前へ進んでいこう!
じゃあまたね!
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