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筋組織 の基本構造とMT国試に必要な知識まとめ

横紋筋 平滑筋 心筋
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MT・CTのどっとゼブラです。
今回は 心臓 について。
ここでは基本的な構造と国試に必要な関連知識を紹介します!

\病理の国試対策本が出ました!/

特に心筋は画像でも出題されるため組織像をみて分かるようにしよう。

筋組織とその種類

筋肉は大まかに以下の3種類がある。

  1. 骨を動かす骨格筋
  2. 心臓を動かす心筋
  3. 消化器などを動かす平滑筋

そして筋肉は2つの見方で分けることができる。

  • 見た目で分ける
  • 意識で分ける

この2つについて詳しくみていきます。

見た目で分ける筋肉の種類

筋肉を見た目で分けると

  • 横紋筋
  • 平滑筋

この2つに分けられる。

シマシマ(横紋)があるのが横紋筋
ないのが平滑筋。

これが見た目で分けた筋肉の種類です。

横紋筋の横紋は特殊染色(PTAH)で染めることができます。

過去に国試で出題されているので染色を確認しておきましょう

横紋を染めるPTAH染色の解説はこちら

意識で分ける筋肉の種類

筋肉は意識的に動かせる筋肉と意識的に動かせない筋肉がある。

  • 随意筋
    意識的に動かせる筋肉
  • 不随意筋
    意識的に動かせない筋肉

これは考えれば分かりますが以下のように分かれる。

随意筋と不随意筋の問題が出たら実際に動かせるかどうかを考えましょう。

筋肉の種類まとめ

筋組織は筋線維の形態で

①骨格筋

②心筋

③平滑筋組織

に区別できる。

骨格筋と心筋はどちらも筋原線維に横紋があるため、横紋筋にまとめられる。

意識的に収縮させることが可能な筋肉を随意筋、意識的に収縮させることができない(自発的に収縮する)筋肉を不随意筋と呼ぶ。

各筋肉を含む組織

横紋筋と平滑筋を含む組織をまとめてみましょう。

横紋筋を含む組織

横紋を含む組織は【心筋+②自分で動かせる場所と覚えましょう。

横紋を含む組織まとめ

①心臓

②舌

③食道(平滑筋を含む)
食道のイラスト解説はこちら

④横隔膜

⑤外肛門括約筋

⑥腕などの骨格筋

など

平滑筋を含む組織

平滑筋を含む組織は【心臓以外の自分で動かせない場所と覚えましょう。

平滑筋を含む組織まとめ

①消化器(食道は横紋筋も含むので注意)
食道のイラスト解説はこちら

②子宮・膣など生殖器系

③気管・肺

④膀胱・尿管

など

筋肉の構造と骨格筋収縮の原理

筋肉の構造と収縮の原理は以下の記事で紹介してます。

この記事では以下のことが分かります。

  • 骨格筋と平滑筋の違い
  • 随意筋と不随意筋の違い
  • 筋肉の構造
  • アクチンとミオシンについて
  • 筋小胞体とT細管
  • 骨格筋がどうやって収縮するか

少し今回とかぶる部分もありますが、イラストで分かりやすいので是非見てみてください。

筋肉による核の位置の違い

筋細胞は種類によって核の位置が違います。

これは腫瘍になっても同じです。

例えば、

  • 横紋筋肉腫は核が偏在
  • 平滑筋肉腫は核中心性

こんな感じで正常構造を知れば細胞像にも活かせます。

筋肉の再生

筋肉には再生するものとしないものがあります。

再生する筋肉
骨格筋と平滑筋

再生しない筋肉
心筋

再生しない組織は

①心筋
②中枢神経

の2つなので問題に出しやすいです。

再生しない組織として①心筋②中枢神経を覚えましょう。

平滑筋の基本情報

平滑筋に横紋はみられないが、アクチンとミオシンは存在する。
ただ、骨格筋のミオシンとアクチンの比が2 : 1に対し、平滑筋は10~20 : 1と
ミオシンが圧倒的に多い。アクチンが見られないこともある。

平滑筋のアクチンとミオシンの結合

平滑筋の収縮もカルシウムイオンによって始まる。
しかし、トロポニンを発現せずカルモジュリンを発現している。

Ca2+と結合したカルモジュリンはミオシン軽鎖キナーゼ(MLCK)を活性化し、それによって平滑筋ミオシンの2つの軽鎖のうち一方がリン酸化される。

このリン酸化で、ミオシン頭部はアクチンフィラメントと結合できるようになって収縮が起きる。

軽鎖が脱リン酸化されるとミオシン頭部はアクチンから解離しやすくなり、不活性化する。

平滑筋
平滑筋

心筋組織の基本情報

心臓の壁を作る筋肉を心筋といい、これを作る筋組織を心筋組織という。

心筋組織も骨格筋同様、横紋筋で構成される。

心筋線維は骨格筋線維と異なり、線維同士が互いに吻合して網状構造をなしている。

また、心筋線維のところどころには、竹の節のような横線が認められる。
これを介在板と呼び、細胞の境界である。

介在板と介在板の間には、1個ないし2個の楕円形核が中央に認められる。

心筋組織の再生はヒトではほとんど起こりえないと言ってよい。

リポフスチン顆粒

心筋核の両端部の筋形質(筋原線維の間を埋める細胞質部分)には小さいゴルジ装置がある。

この周辺には黄褐色のリポフスチン顆粒(電顕でみれば水解小体)が散在する。

これは10歳代であらわれ、加齢とともに増量する。

このリポフスチンはマッソン・フォンタナ染色などで染めることができる。

リポフスチンを染める染色の解説はコチラ

刺激伝導と特殊心筋線維

心臓は絶え間なく一定のリズムで収縮と拡張を繰り返している。
これを拍動という。

正常の状態では乳児は1分間に約130回成人は60~80回拍動している

心臓のこの規則正しい拍動は、刺激伝導系と呼ばれる特殊な心臓組織の働きによる。

これは洞房結節という部分で作られたリズムが心房の壁を伝わり、房室結節ヒス束プルキンエ線維を介して普通の心筋細胞の収縮を引き起こすという刺激の伝導系である。

刺激伝導系の特殊心筋線維(細胞)の一般的な特徴は、

  1. 筋原線維が少ない
  2. グリコーゲンが豊富
  3. T細管が無い
  4. 中間径フィラメントが豊富

の4つである。

3つの筋肉の違いまとめ

今回紹介していない細かい部分もありますが、必要な部分だけ比較してください。

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