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【ワルチン・スターリー染色】硝酸銀・スピロヘータ・ピロリ菌など試験に必要なポイントを解説

ワルチン・スターリー染色
どっとぜぶら
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WarthinーStaryy(ワルチン・スターリー)染色はスピロヘータ(梅毒・ライム病・レプトスピラ症など)やピロリ菌の検出に用いられる染色です。

硝酸銀を使うことや、加温する染色であることからそれらを問う問題で出題されます。

この記事ではポイントを絞って試験突破に必要な情報を全てまとめました。
試験対策としてぜひお使いください。

この記事の著者

どっとぜぶら
どっとぜぶら
細胞検査士
臨床検査技師
医学博士
Profile
・細胞検査士試験 1発合格
・12月からの勉強でMT国試150点

少しでも多くのMT, CT学習者の役に立ちたいと思いSNSなどで情報発信中。
テーマは【勉強ができない人はいない。やり方次第で誰でもできる!】
細胞診過去問解説集や病理の国試解説集を出しました。

ワルチン・スターリー染色のポイント

ワルチン・スターリー 染色のポイントは3つです。

  1. 硝酸銀を使う
  2. 加温する
  3. スピロヘータピロリ菌く染まる

ワルチン・スターリー染色の全体像

重要な点は赤文字にしています。
必ず覚えましょう!

  1. 脱パラ・脱キシ・親水
  2. 硝酸銀加温:43℃】
    (染色)
    スピロヘータやピロリ菌に銀液を反応
  3. 還元液:【加温:57℃】
    (還元)
    ❷の硝酸銀を黒くする
  4. 脱水・透徹・封入

❶硝酸銀を使う(銀液を使う染色まとめ表)

ワルチン・スターリー染色は硝酸銀を使って対象物を黒く染めます。

銀を使う染色一覧
染色名銀液加温の
有無
主な
対象物
渡辺の鍍銀アンモニア銀✖️細網線維
PAMメセナミン銀
(65℃)
糸球体基底膜
コッサ反応硝酸銀✖️石灰化物
グリメリウス硝酸銀
(37℃)
内分泌組織
(A細胞)
内分泌顆粒
神経内分泌腫瘍
マッソン・
フォンタナ
アンモニア銀
(60℃)
メラニン
内分泌顆粒
神経内分泌腫瘍
ヘルマン
ヘレル

ストローム
硝酸銀
(37℃)
膵島D細胞
ワルチン・
スターリー
硝酸銀
(37℃)
スピロヘータ
ピロリ菌
グロコットメセナミン銀
(約50℃)
真菌
ボディアンプロテイン銀
(37℃)
神経原線維
カハールアンモニア銀
(約55℃)
神経膠細胞

硝酸銀を使う染色は下のゴロを使って覚えてください。

硝酸銀染色のゴロ
小3でグリコだけだと腹減るわ

硝酸銀を使う染色のゴロ

その他のゴロ100個はこちら

❷加温する(加温染色まとめとゴロ)

ワルチン・スターリー染色は37℃で加温します。

銀を使う染色は基本的に加温しますが、
渡辺の鍍銀
コッサ反応
のみ加温しないことも覚えてください。

加温する染色は以下のように多いため、下のゴロを使って覚えてください。

加温する染色の一覧とゴロ

加温する染色のゴロ
顔が紳士なホイール持った魔法使い、
変などんぐりと悪いパン食べてグロッキー

画像
加温する染色のゴロ
  • 顔(加温)
  • 紳士(神経系染色と脂肪染色)
  • ホイール(Feulgen 反応)
  • 魔法使い(Masson-Fontana 染色)
  • 変な(ヘルマン・ヘレルストローム)
  • どん(DOPA反応)
  • ぐり(Grimelius染色)
  • 悪く(Warthin-Starry染色)
  • パン(PAM染色)
  • グロッキー(Grocott染色)

その他のゴロ100個はこちら

ワルチン・スターリー染色の目的はスピロヘータとピロリ菌

ワルチン・スターリー染色はスピロヘータやピロリ菌を対象としています。
しかし、現在は感度・特異度ともに高い免疫染色によって検出されることが多いです。

スピロヘータやピロリ菌を検出できる染色として試験には出題されることがあるので、覚えておきましょう。

スピロヘータとは?

スピロヘータの特徴
スピロヘータの特徴

スピロヘータはTreponemaBorreliaLeptospiraなどの総称です。
試験には梅毒のTreponema pallidumがよく出されます。

共通する特徴として以下の特徴があります。

  • らせん状形態
  • グラム染色で観察しにくい
  • らせん状細菌でらせん菌よりも長い

検出には免疫染色が最も有効ですが、ワルチン・スターリー染色、ギムザ染色でも染まります。

ピロリ菌とは?

ピロリ菌の特徴
ピロリ菌の特徴

胃がんの原因菌として有名で以下のような特徴があります。

  1. グラム陰性らせん状桿菌で鞭毛をもつ
  2. 本名はヘリコバクター・ピロリ
  3. ウレアーゼを出して胃中の尿素をアンモニアと二酸化炭素に変える
  4. 尿素を摂取して二酸化炭素量を測る「尿素呼気試験」が検出に使われる
  5. 産生したアルカリ性のアンモニアで胃酸から自分を守る
  6. 腸上皮化生や萎縮粘膜を引き起こし最終的に慢性胃炎になるが、ピロリ菌自体は腸上皮化生や萎縮粘膜にはいない
  7. 胃癌(特にMALTリンパ腫)の原因となる
  8. グラム染色では赤、ギムザ染色では青に染まる
  9. 染色はギムザ染色、ワルチン・スターリー染色、トルイジン青染色、ヒメネス染色、免疫染色ISH法がある

ワルチン・スターリー染色 関連問題

問題 60A56

病原微生物と特殊染色との組合せで正しいのはどれか。 2 つ選べ。
1.Aspergillus fumigatus
― Ziehl-Neelsen 染色
2.Helicobacter pylori
― Giemsa 染色
3.Mycobacterium tuberculosis
― Warthin-Starry 染色
4.Pneumocystis jirovecii
― Grocott 染色
5.Treponema pallidum
― Alcian blue 染色

Q
答えはここをクリック

2.Helicobacter pylori ― Giemsa 染色
4.Pneumocystis jirovecii ― Grocott 染色

問題 62A51

疾患と染色法の組合せで誤っているのはどれか。
1.梅毒 – Warthin-Starry 染色
2.カルチノイド – Grimelius 染色
3.アスペルギルス症 – mucicarmine 染色
4.アミロイドーシス – Congo red 染色
5.ヘモジデローシス – Berlin blue 染色

Q
答えはここをクリック

3.アスペルギルス症 – mucicarmine 染色

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