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ここでは初心者必見の細胞診用語を紹介!
疾患は他のところで解説するから除外してるよ。
分からない単語がある時は一度ここで調べてみてね。
\細胞診過去問解説集ができました!/
\知識定着用の試験対策模試もできました!/
あ
- アウエル小体
ギムザ染色で赤紫色の針状~棒状にみられる細胞質内の封入体。アズール顆粒が由来。細胞質内に多数のアウエル小体を持つ細胞をファゴット細胞と呼び、急性前骨髄球性白血病でみられることが多い。 - 悪性
細胞診で悪性というと悪性腫瘍を指すことが多い。漢字の”癌”は上皮性悪性腫瘍のみを意味し、平仮名の”がん”は上皮性悪性腫瘍と非上皮性悪性腫瘍どちらも示す。 - 悪性上皮性腫瘍
悪性腫瘍は上皮性腫瘍と非上皮性腫瘍に分けられる。上皮性腫瘍とは基底膜より上にある”上皮細胞”が腫瘍化したものを指す。扁平上皮癌や腺癌、尿路上皮癌などがある。漢字で”~癌”と付くものは上皮性悪性腫瘍を指す。癌腫とも呼ばれる。 - 悪性非上皮性腫瘍
悪性腫瘍は上皮性腫瘍と非上皮性腫瘍に分けられる。非上皮性腫瘍とは基底膜より下にある上皮細胞以外の細胞(例えば線維芽細胞、筋肉細胞、骨細胞など)が腫瘍化したもの。線維肉腫、横紋筋肉腫、骨肉腫など、”~肉腫”と付くものが多い。 - 悪性間葉性腫瘍
悪性非上皮性腫瘍と同義。間葉とは非上皮部分を指し、結合組織、筋、骨、脂肪などが該当する。 - アクチノマイセス
ヒトの口腔や腸管に常在する通性嫌気性のグラム陽性桿菌で狭義の放線菌に含まれる。黄色~黄緑色の菌塊である硫黄顆粒が診断に有用。この菌塊の中心部は好塩基性が強く、周囲は好酸性を示す。 - アクチン
細胞骨格の一つ。細胞の移動や細胞分裂に関与する。マイクロフィラメントとも呼ばれ、細胞骨格の中では最も細い(約8nm)。 - アクロマートレンズ
対物レンズの種類の一つ。赤と青の色収差(光の波長によるズレ)を除去する。 - アズール顆粒
顆粒球系細胞が持つ顆粒。ギムザ染色などに含まれるアズール色素で染まり、アズール好性顆粒とも呼ばれる。顆粒球の分化段階で最初にみられる顆粒であるため、一時顆粒とも呼ばれる。分化するとそれぞれの顆粒球系細胞に特異的な特異顆粒(二次顆粒)がみられる。 - アストロサイト
中枢神経系にあるグリア細胞の一つ。アストログリアや星状膠細胞とも呼ばれる。突起の中にGFAP(グリア線維性酸性タンパク)と呼ばれる中間径フィラメントを含む。 - アスベスト小体
アスベストは線維の一つで、この線維が鉄や蛋白に覆われたものをアスベスト小体と呼ぶ。中の線維がアスベストでないものは含鉄小体と呼ばれる(含鉄小体はアスベスト小体も含む)。 - アスペルギルス
真菌の一種。45度に分岐する真正菌糸が特徴とされ、隔壁を持つ。A.Nigerはシュウ酸カルシウム結晶の沈着が診断に有用である。 - アデニン
核酸を構成する5種類の塩基の一つ。”A”で表され、DNAではチミン(T)、RNAではウラシル(U)と水素結合する。 - 圧挫法
標本作製法の一つ。2枚のスライドガラスで組織片を挟み、圧をかけて潰して作製する。組織片を潰す必要があるため、柔らかい組織(脳組織など)に有効。組織構築が細胞像に反映されやすい特徴がある。 - 圧迫萎縮
組織がなんらかの原因で圧迫され虚状態になることで萎縮が生じること。水腎症などでみられる。 - アポクリン化生細胞
乳管上皮細胞などがアポクリン腺細胞様に変化したもの。細胞質が顆粒状で核小体が目立つ。悪性より良性に多い。異型のあるアポクリン化生細胞はアポクリン癌との鑑別が難しい。 - アポクロマート
対物レンズの種類の一つ。可視領域全般に対して色収差((光の波長によるズレ)を除去し、アクロマートでは補正しきれない収差も除去する。 - アポトーシス
細胞死の形式の一つ。ATPを使って対義語としてネクローシスを用いることが多い。受容体にリガンドが結合して生じる外因性経路と非受容体刺激によって起きる内因性経路がある。後者はミトコンドリアが関与する。どちらの経路もカスパーゼがカスケード的に活性化され、DNAを断片化する。細胞膜が最後まで保たれるため、周囲の細胞に影響を及ぼさない。 - アミラーゼ
ジアスターゼとも呼ばれる膵液や唾液に含まれる消化酵素。膵臓や唾液腺の腺房細胞はこのアミラーゼのもとであるチモーゲン顆粒を持つ。グリコーゲン(糖)を分解するため、細胞が糖を持つかどうかの確認でこのアミラーゼ(ジアスターゼ)消化PAS反応を行う。 - アミロイド
不溶性の蛋白が変性した物質。全身の様々な組織に沈着し、機能障害を引き起こすアミロイドーシスと呼ばれる疾患がある。証明には特殊染色(コンゴー赤染色、ダイレクトファストスカーレット)や蛍光染色が有効。複屈折性をもち、特染後に偏光顕微鏡で確認すると黄緑色蛍光を示す。 - アメーバ赤痢
赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)の感染によっておこる疾患。イチゴゼリー状の粘血便が特徴。グリコーゲンを有するためPAS染色に陽性を示す。 - アリアス・ステラ反応
妊娠時の内膜上皮の変化。この変化した細胞をアリアス・ステラ細胞と呼ぶ。 - アルカリホスファターゼ
リン酸化合物を加水分解する酵素。肝臓、小腸、腎臓、骨などあらゆる組織に存在する。免疫染色の酵素としてや血液系の特殊染色としても使用される。 - アルギン酸ナトリウム
海藻に含まれる多糖類の一種。病理分野ではセルブロック作製に使用される。アルギン酸ナトリウムと塩化カルシウムを混ぜると固形になる性質を利用している。 - アルシアン青染色
酸性粘液多糖類を染める染色。解説はこちら。 - アンブレラ細胞
尿路上皮細胞の最表層にみられる比較的大型の細胞。細胞診でこの細胞が集塊に付着する場合は良性の集塊と判定される。 - 合わせ法
標本作製法の一つ。2枚のスライドガラスを軽く合わせて検体を伸ばす。組織片などの固形物は圧挫を行うが、微量の液状検体や穿刺物などは合わせ法を行うと良い。 - Askanazy細胞(アスカナジー細胞)
好酸性細胞質をもつ細胞。特に甲状腺の橋本病でこの名称を使われる。同義語としてHürthle細胞(ヒュルトレ細胞)がある。 - ICL
細胞質内の空胞の一つ。Intracyto plasmic lumenの頭文字を取ったもので日本語では細胞質内小腺腔と呼ばれる。乳腺の浸潤性乳管癌 硬性型や小葉癌で見られやすい。 - Antoni A型
神経鞘腫の型の一つ。細胞密度が高く、柵状配列がみられやすい。 - Antoni B型
神経鞘腫の型の一つ。細胞密度が低い部分を指す。
い
- 伊藤細胞
肝臓のディッセ腔(類洞の肝細胞索の間の腔)にみられる線維芽細胞の一種。肝星細胞とも呼ばれる。脂肪やビタミンAを貯蔵する。 - 伊藤小体
明細胞癌でみられる細胞集塊の中心にみられる基底膜様物質。ギムザ染色で異染性を示す物質でラズベリー小体とも呼ばれる。東海大学(2023年現在)の伊藤仁氏から名称を取っている。 - 位相差顕微鏡
生の細胞や組織に有効な顕微鏡。直接光と回析光を鑑賞させて得られる位相の差を明暗の差として観察することができる。 - 異型(性)
形、色、大きさなどが正常とかけ離れて異常に見える細胞や組織を表す言葉。異形性と異型性は異なるので注意。 - 異形成
病変の状態を指す言葉。悪性に進展する可能性もある病変。異形性の中には異型性を持つ細胞も存在する。 - 異型腺細胞
異型のある腺細胞。子宮頸部ベセスダシステムのAGCに相当する。良悪性の鑑別に苦慮する腺細胞。 - 異型尿路上皮細胞
異型のある尿路上皮細胞。 - 異型扁平上皮細胞
異型のある扁平上皮細胞。 - 異型リンパ球
異型のあるリンパ球。 - 異所性
本来あるべき場所でないという意味。例えば通常は妊娠が起きない卵管などで妊娠した場合、異所性妊娠と呼ばれる。その他胃などに膵組織が存在することを異所性膵(迷入膵)と呼ぶ。 - 異染性
ギムザ染色で見られる本来の色と異なる染色性を示すこと。メタクロマジーとも呼ばれる。ギムザ染色には赤い色素が含まれていないが、間質成分などは赤紫色に染まる。この効果をロマノフスキー効果と呼ぶ。 - 移行上皮細胞
尿路上皮細胞のこと。現在はあまり使われない。尿路上皮が収縮時と拡張時に形態変化することから”移行”という名称がつけられていたとされる。 - 胃炎
胃粘膜に炎症が起きた状態。原因は感染、薬剤、ストレスなど様々。 - 胃潰瘍
粘膜よりさらに下の層まで胃組織が損傷した状態。粘膜内にとどまる損傷はびらんと呼ばれる。 - 萎縮
一旦正常の大きさになった組織が、細胞数の減少や細胞数が小さくなることで組織が小さくなること。はじめから正常の大きさになれないものは低形成と呼ばれる. - 萎縮性膣炎
膣粘膜の萎縮によって防御力が低下し、炎症を起こしたもの。ホルモンの低下によって引き起こされるため高齢者に多い。 - 萎縮内膜
萎縮した子宮内膜。ホルモンの低下によって引き起こされるため高齢者に多い。 - 咽頭
鼻、口のつき当たり部分。上・中・下の咽頭があり、上咽頭は鼻腔の奥、中咽頭は口腔の奥、下咽頭は中咽頭と食道の間にある。それぞれ構成する上皮が異なり、上咽頭は多列線毛円柱上皮、中咽頭は重層扁平上皮、下咽頭は重層扁平上皮で被覆される。 - 陰嚢水
陰嚢に貯留したもの水。この貯留した状態を陰嚢水腫とよび、炎症、腫瘍、フィラリア感染などでみられる。 - 鋳型状
細胞同士が強く結合している状態で小細胞癌の特徴所見として使われることが多い。木目込み細工様とも呼ばれる。 - E-カドヘリン
細胞接着に関連する蛋白の一つ。鑑別に苦慮することがある小葉癌と浸潤性乳管癌 硬性型の鑑別にこの蛋白の発現が使える(小葉癌 -, 浸潤性乳管癌 硬性型 +) - EA-50液
パパニコロウ染色に含まれる液の一つ。この液の中にはエオジンY、ライトグリーンSF、ビスマルクブラウンの3色素が含まれる。その他リンタングステン酸と炭リチウム水溶液を含み、溶媒は95%エタノール。 - EBUS-TBNA
超音波ガイド下経気管支針生検(Endobronchial ultrasound-guided transbronchial needle aspiration)のこと。超音波気管支鏡を用いて気管・気管支の壁外にあるリンパ節を観察し、気管(支)壁を貫いてリンパ節に穿刺して細胞や組織を採取する方法。肺癌の病気の広がりを調べるために2004年に開発された。
う
- ウイルス感染細胞
ウイルスが感染した細胞。ウイルスは通常の顕微鏡で観察できないほど小さいため、細胞診では感染した細胞の変化を捉えて間接的にウイルスの存在を形態学的に証明する。感染が分かるものもあれば分からないものもある。 - ウィルソン病
常染色体劣性遺伝の先天性銅過剰症。全身の臓器に銅が蓄積し、障害をきたす。 - ウィルヒョウ転移
消化器癌(主に胃癌)が左鎖骨上窩リンパ節に転移すること。卵巣に転移したものはクルーケンベルグ腫瘍、ダグラス窩に播種したものはシュニッツラー転移と呼ばれる。 - ウィルムス腫瘍
腎芽腫のこと。腎芽腫にみられる癌抑制遺伝子WT1のWTはこの「wilms tumor」の頭文字を取っている。 - ウォルフ管
胎生期の発生過程にみられる管。このウォルフ管から精巣上体、精管、精嚢、射精管が発生する。中腎管とも呼ばれる。 - 打ち抜き状空胞
悪性リンパ腫や白血病でみられる細胞質の空胞。パパニコロウ染色よりギムザ染色で観察しやすい。 - 羽毛状集塊
子宮頸部上皮内腺癌にみられる細胞所見。円柱状の細胞が羽毛状に配列する。 - ウレアーゼ活性
尿素を二酸化炭素とアンモニアに加水分化する酵素。細胞診領域覚えたいのはピロリ菌がもつウレアーゼで尿素呼気試験にこのウレアーゼの存在が利用されている。患者に尿素を服用させると、ピロリ菌がいる場合分解されて二酸化炭素が増える。この二酸化炭素量を検知してピロリ菌の存在を証明する。 - window
中皮細胞にみられる細胞所見。中皮細胞同士が結合すると結合部分に空隙ができる。この空隙を”窓”や”window”と呼ぶ。
え
- エオジンY
分子量691.85の酸性色素でパパニコロウ染色のEA-50液に含まれる。細胞質を染める。細胞質を染める色素の中では中間の分子量である。 - エオジン好性指数
子宮頸部細胞診でエストロゲンによる表層細胞への分化状態をみる指数。表記方法は例えばエオジン好性細胞が70%、ライトグリーン好性細胞が30%の場合、70/30で表記する。また、エオジン好性細胞のみの比率を%で表記する。 - 液状化検体細胞診(LBC)
採取した細胞を液で固定・保存した後、塗抹する方法。採取後すぐに固定・保存液に細胞を浮遊させるため乾燥を防ぐことができ、新鮮な状態で塗抹・保存もできる。いくつかの塗抹原理があるが、どの方法でも塗抹範囲が狭く、細胞が重ならず、背景所見が減弱する特徴がある。最大のデメリットとしてはコストがかかる点である。遺伝子検査や免疫染色などの応用もできる。 - エクソダス
月経前後にみられやすい細胞集塊。2種類の細胞で構成され、内側に内膜間質細胞、その外側に内膜上皮細胞が取り囲む。 - えくぼ徴候
乳癌で見られる皮膚症状。しこり部分の皮膚を寄せるとえくぼの様なくぼみができること。腫瘤が皮膚を引っ張ることで生じる。 - 壊死
細胞や組織が局所的に死滅した状態。細胞診で壊死はあらゆる色素に染まる無構造物質として背景に認められる。悪性にも良性にもみられる。 - エステラーゼ染色
血液系細胞に用いられる染色法。特異的エステラーゼ染色と非特異的エステラーゼ染色があり、前者は骨髄系細胞の証明に使用される。後者は単球系・巨核球系細胞の証明に用いられる。この性質を用いて急性骨髄性白血病M4、M5の鑑別に使用される。M4(特異的+, 非特異的+)、M5(特異的-, 非特異的+) - エストロゲン
コレステロールを原料にして合成されるホルモンで顆粒膜細胞から放出される。エストロン、エストラジオール、エストリオールの3種類があり、エストラジオールが最も強い生理活性を持つ。そのため通常エストロゲンというとエストラジオールのことが多い。乳管の発育、子宮内膜の増殖・肥厚、頸管粘液の分泌・粘稠度低下、牽糸性上昇、子宮筋の発育・増大、膣粘膜の角化・肥厚、骨量の維持などの作用を示す。肝臓で分解されるため肝硬変では高値を示し、女性化乳房などの原因となる。 - エタノール
病理分野で多用されるアルコール。細胞診では固定液として95%エタノールが使用される。その他にもパパニコロウ染色で使われるOG-6液やEA-50液の溶媒として、染色後の脱水にも使用される。 - 塩基性色素
-NH,-NH2,-N(CH3)2などの基を持ち、正に帯電する色素。アルコールに溶けやすく水に溶けにくい性質を持つ。クレシル紫、メチル緑、メチレン青、チオニン、トルイジン青、クリスタル紫、ナイル青、フラニンOなど青っぽい色素が多い。その他色素には酸性色素と無極性色素がある。 - 炎症
生体に変化をもたらした侵襲に対する生体の防御反応。炎症が生じる場所では①発赤②発熱③腫脹④疼痛⑤機能障害の5兆候がみられる。 - 炎症細胞
炎症を起こすもしくは起きた後に集まる細胞たちのこと。好中球、好酸球、好塩基球、組織球、リンパ球などが該当する。 - 炎症細胞浸潤
炎症細胞が病巣に向かって移動(遊走)すること。細胞診ではリンパ球浸潤した疾患で背景に多数のリンパ球が見られるため特徴的な細胞所見の一つとなる。ワルチン腫瘍、乳腺髄様癌など。 - 遠心直接塗抹法
オートスメア法やサイトスピン法とも呼ばれる方法で、四角い穴が開いたチャンバーに液状検体を入れて遠心することで、遠心力で穴が空いた部分の狭い範囲に塗抹される。そうすることで細胞数が少ない検体でも効果的に塗抹することが可能となる。集細胞法と呼ばれる方法の一つ。 - 遠心沈殿法
遠心力で細胞を沈殿させる方法。体腔液、尿など全ての液状検体に用いる。細胞診検体は通常3000rpm程度で遠心するが、脳脊髄液は細胞が壊れやすいため1000rpmの低回転数で遠心する。 - 円柱上皮細胞
上皮細胞の一種。背が高く円柱状の細胞で分泌機能を持つことが多い。線毛を持つものも存在する。 - ABC法
免疫染色の方法の一つ。Abidine biotine complex法の頭文字を取った名称で、アビジンとビオチンの結合を結合力の強さを利用している。
詳しくはこちら - AFP
α fetoprotein(αフェトプロテイン)という蛋白のこと。健常者ではほとんど産生されず、肝細胞癌、卵黄嚢腫瘍などで産生されるためマーカーとして用いられる。他のがんで産生されることもある。 - AML
急性骨髄性白血病(Acute myeloid leukemia)の頭文字をとったもの。造血幹細胞・前駆細胞の遺伝子異常により分化能が障害され、骨髄芽球が単クローン性に増殖する造血器腫瘍。 - APC遺伝子
adenomatous polyposis coliの頭文字を取ったもの。【Adenomatous Polyposis】は腺腫性ポリポーシス、【coli】は大腸のこと。家族性大腸ポリポーシスや大腸癌の原因遺伝子である。 - hCG
ヒト絨毛性ゴナドトロピン(Human chorionic gonadotropin)の頭文字を取ったもの。胎盤を構成するシンチジウム型トロホブラストから産生される。絨毛癌などの絨毛性疾患ではhCGが高値を示す。 - HMB45
Human melanoma blackの頭文字を取ったもので、悪性黒色腫やメラノサイト由来の他の腫瘍の免疫染色マーカーとして使われる抗体。悪性黒色腫以外に明細胞肉腫、血管脂肪肉腫、PEComa、血管筋脂肪腫などで陽性になる。 - LSAB法
免疫染色の方法の一つ。ABC法と同じくアビジンとビオチンの結合力を利用したものであるが、ビオチンがストレプトコッカス由来のストレプトアビジンを使用している。ABC法よりも分子量が小さいため浸透力が良い。
詳しくはこちら - N/C比
C(細胞質 ; cytoplasm)の面積に対してN(核 ; Nucleus)の面積がどれくらいを占めているかの指標。基本的にはN/C比が高いと悪いことが多い。 - NMP-22
核マトリックスプロテイン22のこと。尿中NMP-22は尿路上皮癌(膀胱癌および腎盂尿管癌)で上昇することが知られているため、マーカーとして使用される。 - SCJ
Squamo columnar junctionの頭文字を取ったもので扁平上皮と円柱上皮の境界のこと。子宮頸部で使われ、他の境界ではあまり使われているものをみない。子宮頸癌の好発部位である。
お
- 横紋筋細胞
筋肉の一種である横紋筋を構成する細胞。筋肉細胞の中で唯一核が偏在している。 - 黄色骨髄
脂肪が多い骨髄。脂肪が少ないのは赤色骨髄で赤色骨髄で造血が行われる。 - 黄体
排卵後の卵胞の顆粒層細胞と莢膜細胞が大きくなり、厚い層を形成した組織。ルテインと呼ばれる黄色の脂質顆粒を含むため、黄体を形成する細胞はルテイン細胞とも呼ばれる。この細胞からプロゲステロンが分泌される。 - 大型リンパ球
主に胚中心の胚中心芽球由来の細胞。小型リンパ球の2~3倍の大きさで核は類円形、多辺形、くびれが有るものなど多彩。強好塩基性のものは免疫芽球と呼ばれる。 - オートスメア法
遠心直接塗抹法の一つ。遠心力によって細胞を塗抹する。細胞数が少ない検体に有効で、粘性が強い検体は不向き。 - オカルト癌
転移先の病巣が先に見つかり、その後に原発巣が明らかになった癌のこと。 - オタマジャクシ型細胞
扁平上皮癌でみられる所見の一つ。細胞質が細長く伸び、核が偏在している細胞。核がある部分が膨らんでおり、オタマジャクシの様に見える。 - おとり細胞(decoy cell)
尿細胞診でみられるポリオーマウイルス感染細胞。核腫大、すりガラス状核が特徴。核が腫大してN/C比が高いため尿路上皮癌様にみえることがあり、癌細胞の”おとり”という意味で命名されている。decoy(デコイ)というのはカモも形をした置物で、カモを引き寄せるための囮としてる飼われる。 - オルガネラ
細胞小器官のこと。核、ミトコンドリア、ゴルジ体、リソソームなどが該当する。 - オレンジG
パパニコロウ染色などで使用される酸性色素。 - オレンジG好染性
オレンジGの色素に染まる物質や細胞のこと。 - オンコサイト
好酸性顆粒状細胞質をもつ細胞のこと。この細胞はミトコンドリアに富む。 - オンサイト細胞診
患者のいる場へ行き、標本作製や標本の適否をその場で判定したりすること。 - Oddi括約筋
ファーター乳頭(大十二指腸乳頭)周辺に存在する、総胆管と膵管の両方を囲む括約筋。 - OG-6
パパニコロウ染色で使われる液でオレンジG、95%エタノール、リンタングステン酸が含まれる。
か
- ガードネレラ
球菌様にみえるグラム陽性桿菌でこの菌が扁平上皮細胞をたくさん覆ったものをクルーセルと呼ぶ。 - カーボワックス
ポリエチレングリコールのこと。分子量1540のものが保湿作用のためにサコマノ液に使用される。 - 開口絞り
照明光の開口数を調節する絞り。開口数は顕微鏡の様々な能力に関与する。 - 開口数
対物レンズの様々な性能に関与する重要な指標。数値が高いと分解能が高く、焦点深度が浅く、明るさは明るく、コントラストは低下する。 - 外陰
恥丘、陰核、大陰唇、小陰唇、大前庭腺、膣前庭を含む女性外性器。皮膚と同様に角化型重層扁平上皮で被覆される。 - 外陰上皮内腫瘍
ハイリスクHPVが関与し、扁平上皮癌の前駆病変と考えられている。上皮内癌はボーエン病とも呼ばれる。 - 外陰扁平上皮癌
小陰唇、大陰唇に多く、角化型(高分化型)が多い。 - 外子宮口
子宮頸部の膣に開口する部分。 - 外分泌腺
外分泌を行う腺。外分泌とは粘液などを表面に分泌することである。分泌のために腺房、導管などの構造をもつ。膵臓、乳腺、唾液腺などがある。 - 外胚葉
発生初期の胚にみられる最外層の細胞層。表皮や神経組織になる。 - 花冠状(かかんじょう)
多核巨細胞の核が額紫陽花の花に似た状態で核が環状に配列する。若年性黄色肉芽腫のTouton型巨細胞や悪性中皮腫細胞にみられる。 - 架橋固定
固定の原理の一つ。アミノ基の間にメチレン架橋を引き起こすことで蛋白を固定する。アルデヒド系固定液はこの作用をもつ。 - 核
真核生物の細胞内にある核酸を保存する細胞小器官の一つ。二重膜からなる核膜に囲まれる。 - 核・細胞質比
細胞所見の一つ。細胞質に対して核がどれくらいの割合を占めるかの指標。一概には言えないが、この比の高さは悪性の指標となることが多い。 - 核の柵状配列
神経鞘腫などにみられる核が横並びに配列した状態。観兵配列とも呼ばれる。 - 核異常
核形不整やクロマチン増量など正常核から解離した核所見がある場合に用いる。 - 核縁肥厚
核の辺縁を核縁(かくえん)と呼び、異常がある場合は肥厚することがある。核膜肥厚ともいう。 - 核縁不整
核周囲(核膜)に形態が不整であること。核縁に不整目立つ細胞は悪性のことが多い。 - 核基質
核質(核膜に囲まれた成分)からクロマチンと核小体を除いた無構造部分。蛋白質などが含まれる。 - 核形
核の形のこと。核形不整を示すものは異常なことが多い。 - 核形不整
核の形が異常なこと。多くの正常細胞は核が円形~類円形だが、悪性細胞は核形不整を示すことがある。 - 核溝
核にみられる線(溝)のこと。顆粒膜細胞腫、莢膜細胞腫、甲状腺乳頭癌などでみられる。 - 核質
核膜に囲まれた成分。クロマチンが多くを占める。 - 核腫大
核が大きくなった状態を指す言葉。悪性細胞は核腫大を示すことが多いが、炎症などでも核腫大することがある。 - 核周囲明庭
核周囲の色が抜けた状態。明庭をhalo(ハロー)ともいう。炎症や傍突起膠膠腫などでみられる。 - 核小体
RNAと蛋白質からなる核内にある複合体。蛋白合成が活細胞で発達している。 - 核染色
核に色を付けるもの。核染色法としてヘマトキシリン、ケルンエヒトロートなどがある。蛍光染色としてはDAPI、Hoechst、PIなどがある。 - 核相互圧排像
複数の核がお互いに押し合って圧排されている状態。 - 核突出
核が細胞質から飛び出さんばかりに偏在する状態。 - 核内空胞
核の中にみられる空胞。 - 核内細胞質封入体
細胞質が核内に陥入たことによってできる、核内に細胞質と同じ色のこと。 - 核内封入体
核内にみられる異常な物質の構造物。ウイルス感染や癌などでみられる。 - 核濃縮
核が小さくなり、凝縮されたことによって濃染した状態。表層型扁平上皮細胞や変性細胞や死細胞などでみられる。 - 核濃縮指数
子宮頸部でホルモンの影響を調べる指数の一つ。核濃縮した細胞つまり表層扁平上皮細胞がどれくらいあるかを計る。表層細胞/ 中層細胞の比率を数字で、また表層細胞のみの比率を%で表記する。KPIともいう。 - 核分裂像
細胞周期の分裂期にみられる核が分裂している状態。 - 核分裂指数
核分裂している細胞が占める数を表した指数。悪性細胞は細胞増殖が盛んであるためこの指数が高くなる。悪性度、増殖能の指標となる。 - 核偏在
核が細胞の端によっている状態。円柱上皮細胞や横紋筋細胞、形質細胞などは核が偏在している。 - 核崩壊
核の形が崩れて形態を保っていない状態。 - 核膜
核質を覆う脂質二重膜。連続して覆ってはおらずところどころに核膜孔というあながあいている。 - 核膜孔
核膜にみられる孔(あな)のこと。 - 核膜肥厚
異常によってクロマチンが核膜付近に集積することがある。そうすると核膜が肥厚したように見え、それを核膜肥厚と呼ぶ。核縁肥厚ともいう。 - 核融解
DNA分解酵素によって生じるクロマチンの溶解のこと。 - 角化
重層扁平上皮の表層細胞に角質(高分子ケラチン)が生成されること、過程を指す言葉。生理的に角化するのは表皮のみ。細胞診ではオレンジGに強く染まる細胞を角化細胞ということが多い。 - 顎下腺
大唾液腺の一つ。内胚葉由来で漿液腺優位の混合腺からなる。 - 過形成
一つ一つの細胞の大きさは変わらないが、数が増えたことによって組織が大きくなった状態のこと。 - 過形成性ポリープ
大腸に好発する腫瘍様病変で、腺管の延長や拡張、上皮の鋸歯状増生のある非腫瘍性病変。 - 過誤腫
組織奇形の一つ。正常組織にある1つ以上の組織成分が入り混じって限局性に過剰発育したもの。良性だが、多発することがある。例えば肺の過誤腫は軟骨、脂肪組織、線維組織、平滑筋組織などの間葉成分が少なくとも2種類以上 種々の割合で混在している。 - 滑面小胞体
膜で囲まれた袋状の細胞小器官の一つ。滑面小胞体は表面が滑らかで、カルシウムイオン貯蔵、脂質代謝、ステロイドホルモン合成などを行う。 - 化生
細胞や組織が他の形や能力のある細胞に変化すること。例えば扁平上皮化生は円柱上皮などの細胞が刺激に耐えるために扁平上皮細胞様に変化すること。腸上皮化生は胃などの上皮細胞が腸の上皮細胞に変化すること。 - 化生細胞
化生を起こした細胞。扁平上皮化生細胞や円柱上皮化生細胞や腸上皮化生細胞などがある。 - 仮性菌糸
本当の菌糸ではなく、酵母が伸びてできた菌糸様に見える構造。細胞診領域でよくみられるのはカンジダ・アルビカンス。 - 過染
細胞に色が付き過ぎた状態。鏡検しづらくなる。 - カテーテル尿
尿管膀胱鏡を挿入し、これより尿管カテーテルを尿管口に入れ、尿管から滴下する尿や腎盂に溜まっている尿を採取する。採取部位と左右いずれの腎または尿路の病変かを明確にする目的で行われる。自然尿より細胞量が多く、集塊で出現しやすくなる。そのため自然尿とは見方を変えて鏡検する必要がある。 - カフェオレ斑
神経線維腫症Ⅰ型(別名:レックリングハウゼン病)にみられるコーヒー牛乳色の色素斑。 - 花弁様細胞
異型の強い分葉状の核をもつ細胞のこと。成人T細胞性白血病細胞に使用されることが多い。 - カルシトニン
32のアミノ酸からなるペプチドホルモン。甲状腺傍濾胞細胞(C細胞)から分泌され、血中のカルシウム濃度を低下させる。 - カルチノイド症候群
カルチノイド腫瘍が産生するセロトニンやプロスタグランジンなどの分泌過剰によって皮膚紅潮や下痢などの症状をきたすこと。 - カルノア液
エタノール系の固定液の一つで氷酢酸1:クロロホルム3:無水エタノール6の割合で調整する。グリコーゲンなどの水溶性物質の固定に適する。
き
- ギムザ染色
一言でギムザ染色と言ってもいくつか種類がある。細胞診で用いられるのは一般的にメイグリュンワルド・ギムザ染色である。酸性色素のエオジンと塩基性色素のメチレン青やアズール青(メチレン青の酸化物)、両性色素のエオジン酸・メチレン青の色素が含まれる。酸性色素は赤血球、好酸球顆粒などを染める。塩基性色素は核、リボソーム、好塩基球顆粒などを染める。エオジン酸・メチレン青は好中球の顆粒などを染める。メチレン青の酸化によって様々な色素が生じるため様々な色調で染めることができる。pH6.4のリン酸緩衝液下では間質性分など特定の物質に対してメタクロマジーという現象を引き起こす。異染性とも呼ばれ、青の色素で赤紫色を呈する現象である。その他、乾燥固定を行うなどパパニコロウ染色と異なる部分がいくつかあり利点や欠点がそれぞれの染色で異なる。 - キャノンボール
トリコモナス原虫の感染で見られやすい好中球の集塊。特異性はない。 - ギルのヘマトキシリン
パパニコロウ染色時に使用されるヘマトキシリンの種類。ヘマトキシリンは核を染める色素で進行性と退行性に大別される。進行性は核のみを選択的に染めるため分別を必要としないが、退行性は細胞全てを染めた後、細胞質に入った色素を分別という作業で落とす。ギルは後者に含まれる。①エチレングリコール②氷酢酸③硫酸アルミニウム④ヨウ素酸ナトリウム⑤ヘマトキシリン⑥蒸留水が含まれる。 - 基質(間質)
組織は主に細胞成分と間質成分に分けられる。間質はさらに基質や線維などに分けることができる。間質を細胞外基質や細胞間基質と呼ぶことがある。上皮は基底膜上に存在するが、基底膜より下部分を間質や間質成分と呼ぶことが多い。細胞診で間質という時は上皮細胞の周りを埋める細胞たちや成分のことを指す。例えば内膜上皮集塊の周囲に付着する間質細胞などが例の一つ。
間質や結合組織ついて詳しく知りたい人はこちら - 基底細胞
一般的に基底細胞というと皮膚の基底層(最下部の層)にある細胞を指すことが多いと思われる。ただ他の組織にも存在する。例えば細胞診領域でよく出てくるのは前立腺で、正常では前立腺上皮細胞の周りを基底細胞が囲むが、癌になると消失する。 - 基底膜
ラミニンや4型コラーゲンなどで構成される上皮と間質を隔てる薄い膜。癌がこの基底膜を突破することを浸潤と呼ぶ。 - 基底膜様物質
基底膜と同じ成分のラミニンや4型コラーゲンを含む物質。卵巣や子宮体部、子宮頸部の明細胞癌や腺様嚢胞癌などではこの基底膜様物質がみられ、ギムザ染色でメタクロマジーを示す。 - 奇怪細胞
異型が強く、正常の形態から著しく逸脱した細胞を奇怪細胞とよぶことがある。 - 気管支擦過
細胞採取法の一つ。気管支をブラシなどで直接擦過する。剥離していない細胞を採取するため剥離細胞よりも新鮮な細胞が得られやすい。 - 気管支洗浄
細胞採取法の一つ。病変部分を生理食塩水で洗浄し、それを回収して細胞などを採取する。 - 気管支肺胞洗浄(BAL)
細胞採取法の一つ。末梢気管支や肺胞に生理食塩水を入れ、それを回収して細胞などを採取する。採取された液は気管支肺胞洗浄液(BALF)と呼ばれる。 - 偽ロゼット
神経系の腫瘍はロゼットと呼ばれる細胞が放射状に配列する構造をとることがある。このロゼットは真正ロゼットと偽ロゼットに大別される。 - 偽角化
角化は重層扁平上皮においてみられる現象だが、変性した他の上皮細胞でも角化細胞様にみえることがある。そのような細胞を偽角化を呼ぶ。 - 偽線毛
細胞の遊離縁に形成された微絨毛。電顕で見ると微絨毛の集簇からなる王冠状の構造で線毛様にみられる。頻度は低いが腹水中の卵巣漿液性癌に多いとされる。 - 偽嚢胞腔
腺様嚢胞癌に見られる構造。腺様嚢胞癌の篩状構造には真の腺腔と偽嚢胞腔がある。真の腺腔は好酸性細胞質の腺上皮細胞で囲まれるが、偽嚢胞腔は細胞質に乏しい腫瘍性筋上皮/基底細胞様細胞に囲まれる。 - 球状硝子体
卵黄嚢腫瘍のAFPの塊や卵巣などの明細胞癌でみられる腫瘍が取り囲んだ基底膜様物質や肝細胞癌でみられる無構造球状物などを指す。 - 魚骨様形態(Herring bone pattern)
主に線維肉腫の組織像で見られる構造。同義語としてニシンの骨様配列、杉文模様という言葉がある。 - 共焦点レーザー顕微鏡
レーザー光を資料の特定の焦点に合わせて像を検出する。厚い標本でもピントを合わせて画像を取得することが可能。連続画像を取り込むことで三次元画像を作成することもできる。FISHなどで使われる。 - 境界病変
がんかどうか形態学的に判定が難しい病変のこと。子宮頸部異形成や内膜異型増殖症などが該当する。 - 胸水
胸腔に貯留した液体のこと。感染症、腫瘍、外傷、循環障害など様々な理由で貯留する。性質によって浸出液と漏出液(濾出液)に分けられる。体腔液の一つ。 - 鏡面像
一つの細胞に同じような核が向き合った状態で存在していることを指す細胞所見。ホジキン病のリード・ステルンベルグ細胞(RS細胞)でこの名称を使うことが多い。 - 筋上皮細胞
唾液腺や乳腺などの外分泌腺にみられる細胞。由来は上皮性だが、1種の平滑筋細胞でもあり収縮脳をもつ。膵外分泌部の腺房には筋上皮細胞が存在しない。 - 銀親和性細胞
銀を還元する能力を持つ細胞。細胞自体に銀還元能があるため、工程に還元液を使用しない染色(マッソン・フォンタナ染色)でも染まる。中腸由来の遠位十二指腸、空腸、回腸虫垂、右結腸の内分泌細胞がこれにあたる。銀還元能を持たない細胞は好銀性細胞と呼ばれる。
銀親和性細胞と染色の解説はこちら - 木目込み細工様配列
結合力のある細胞同士がお互いを押し合っている状態を指す細胞所見。小細胞癌で使われることが多い。 - 棘融解細胞(ツァンク細胞)
尋常性天疱瘡に見られる細胞。表皮細胞の接着が自己抗体によって障害され、剥離した細胞をこう呼ぶ。筆者個人的には扁平上皮化生様細胞に近い形態に見える。 - K-ras
膵癌でよくみられる癌遺伝子の一つ。RASにはKRAS、NRAS、HRASの3種類があり、細胞増殖などに関与する。 - KIT
細胞膜にある受容体型チロシンキナーゼの一つ。c-kit遺伝子に異常があると異常なKIT蛋白が産生され、GISTなどを引き起こす原因となる。
く
- くさび状配列
主に浸潤性乳管癌 硬性型に使われる細胞所見の一つ。間質に浸潤して間質に圧排され形成され他構造と考えられる。集塊の先が細くなったような構造である。 - クッパー細胞
肝臓の類洞に存在するマクロファージのこと。 - クララ細胞(クラブ細胞)
細気管支から呼吸細気管支に存在する細胞。特徴として①サーファクタントを分泌する②微絨毛をもつ③クララ細胞蛋白を分泌する④線毛を持たないがある。 - グリソン鞘
肝臓にみられる結合組織。肝臓の表面の腹膜下にはグリソン嚢という線維性の結合組織が存在する。この結合組織が肝臓内に進入し、肝実質を無数の小葉に分けている。この結合組織を小葉間結合組織やグリソン鞘と呼ぶ。ブタなどでははっきり見えるが、ヒトでは発達が悪く確認しずらい。 - グリメリウス染色
硝酸銀を使う内分泌系の特殊染色の一つ。膵ラ氏島A細胞やカルチノイドなどの神経内分泌腫瘍に有効。工程に還元液を含むため好銀性細胞と銀親和性細胞の両方を染色することが可能。
グリメリウス染色の解説はこちら - クルーケンベルグ腫瘍
消化器癌(特に胃癌)の転移に付けられた名称の一つ。消化器癌(特に胃癌)は転移場所によって名称が変わる。卵巣に転移するものは「クルーケンベルグ腫瘍」、ダグラス窩へは「シュニッツラー転移」、左鎖骨上窩リンパ節は「ウィルヒョウ転移」。 - クルー細胞
扁平上皮細胞が多数の短桿菌で覆われたもの。糸玉状とも呼ばれる。 - クルシュマンらせん体
喀痰にみられるヘマトキシリン好性の糸状物質。狭くなった気管支を粘液が通ることでらせん状になると言われる。 - クルチッキー細胞
気道上皮にみられる内分泌細胞。小細胞癌やカルチノイド腫瘍はこの細胞から発生すると言われる。 - クレオラ小体
炎症病変の喀痰中にみられる過形成性の線毛円柱上皮細胞集塊。高分化腺癌との鑑別が必要。 - グロコット染色
メセナミン銀を使用する真菌染色。PAS反応やグリドリー染色では染まりにくいノカルジアなども良好に染まる。対象物をクロム酸で酸化して生じたアルデヒド基をメセナミン銀で呈色する。 - クロマチン
DNAがヒストンという蛋白に巻き付いた状態のもの。染色質とも呼ばれる。蛋白合成が盛んな細胞は構造が緩んだユークロマチンの形態をとり、蛋白合成が盛んでない細胞は構造が密でヘテロクロマチンと呼ばれる。 - クロマチンパターン
クロマチンの分布状態などを表す言い方。微細顆粒状、細顆粒状、顆粒状、粗顆粒状、凝塊状、濃縮状、破砕状などパターンがある。 - 空胞
核や細胞質内にある空洞のこと。細胞質が核内に陥入する核内細胞質封入体や小葉癌などでみられる細胞質内小腺腔など様々なものを総称して空胞を呼ぶ。 - 偶発癌
手術や検査で偶然見つかる癌のこと。転移巣が原発巣より先に見つかるものはオカルト癌、解剖で初めて見つかる癌はラテント癌と呼ぶ。 - 鋲釘様構造(ホブネイル構造)
卵巣明細胞癌などでみられる細胞先端が膨起し鋲や釘のような形態を表す細胞所見。 - chromogranin A
神経内分泌タンパクの一つ。神経内分泌腫瘍における重要な腫瘍マーカーの一つとして使用される。
け
- ケラトヒアリン顆粒
基本的には皮膚などの角化型重層扁平上皮に存在する顆粒層にみられる顆粒。ケラトヒアリン顆粒の主成分はプロフィラグリンでこれが角化に際してフィラグリンという細胞基質蛋白質になってトノフィラメントを凝集させる。角質層細胞にはトノフィラメントが凝集したケラチン(角質)という物質に満たされている。膣の扁平上皮などでもこの顆粒はみられる。 - 形質細胞
分化したB細胞で抗体を産生する。細胞質は豊富で強好塩基性を示し、ゴルジ装置が発達した核周明庭がみられる。核は円形で偏在し、車軸状と呼ばれるクロマチン構造を示す。 - 経気管支穿刺吸引細胞診(TBAC)
肺内病変,気管支内病変に乏しく,肺門や縦隔のリンパ節の腫大のみが目立つような場合に主として気管分岐下リンパ節を狙って行われる手技。気管支鏡で気管分岐部を直視しながら穿刺針で気管分岐部を穿刺し、穿刺針に接続され た注射器で陰圧をかけて細胞の吸引を行う。通常用いられる針の太さは21G程度なので細胞診しか得られない。 - 経尿道的膀胱腫瘍切除(TUR-Bt)
膀胱癌に対する内視鏡的切除術のこと。腰椎麻酔または全身麻酔を行い尿道から手術用内視鏡を挿入して病巣部を電気メスで切除する。 - 経皮経肝胆道ドレナージ(PTCD)
体外から肝臓を介して胆管にチューブを挿入する方法。超音波、CT、X線などで胆管の位置を確認し、体外から肝臓に向けて医療用針金(ガイドワイヤー)を挿入する。目的場所に到達したら太い管に交換し、皮膚を通して胆管にチューブを留置する。その後体外に胆嚢を排出する。ドレナージとは胆道が閉塞、狭窄し、胆汁が胆嚢に溜まってしまった際に胆汁を排出することである。 - 蛍光顕微鏡
X線、紫外線、可視光線(400~700 nm)などの光(励起光)を物質に照射すると、物質中の分子あるいは原子から蛍光が放出される。その蛍光を観察する顕微鏡。暗い背景の中に目的物が光って見えるため、感度が高い。FISHやその他の蛍光染色標本に使用する。 - 結核菌
Mycobacterium tuberclosisのことで抗酸菌に分類される。検出にはZiehl-Neelsen染色やauramine染色が用いられるが菌体を確認できないこともあり培養やPCRによる確定を要する。組織学的に類上皮細胞、ラングハンス巨細胞、壊死が特徴的。 - 血管周囲偽ロゼット
血管を中心に腫瘍細胞が環状、放射状に配列する構造。上衣腫で見られる。 - 血管内皮細胞
血管の内膜にみられる単層扁平上皮細胞のこと。 - 血鉄素(ヘモジデリン)
ヘモグロビン由来の色素で鉄を含む。赤血球やヘモグロビンが分解される過程で生じる。ヘモジデローシスでは全身の様々な組織にヘモジデリンが沈着する。ベルリン青染色で検出できる。 - 月経期
月経が起こる時期。 - 月経期内膜
月経期の子宮内膜の機能層は剥離する。脱落する子宮内膜組織は、分解した間質の断片、凝血、子宮腺を含んでいる。損なわれずに残った子宮腺の一部は、血液で充たされている。子宮内膜の深層である基底層には子宮腺の底部が月経のあいだも剥離せず無傷で残っている。機能層の大部分の子宮内膜間質では、こわれた血管から間質中にでた赤血球が凝集している。さらに、リンパ球と好中球が間質に浸潤している。 - 原発腫瘍
最初に腫瘍が発生した病変のこと。大腸癌が肺に転移した場合の原発腫瘍は大腸癌となる。 - 減数分裂
生殖細胞が分裂する際に用いる分裂方法。核相は2nからnに減数する。 - 毛羽立ち状所見
細胞集塊辺縁がほつれて毛羽立っているように見える細胞所見のこと。腺系の細胞集塊で使うこともあるし、呼吸器では扁平上皮癌の所見としても挙げられる。 - 頸管腺細胞
子宮頸部の腺細胞。 - Ki-67
細胞周期に関連する抗原でG1期からM期までの核内に発現する。MIB-1はKi-67抗体のクローン名の一つである。
こ
- コイロサイト
子宮頸部細胞のHPV感染を示唆する所見の一つ。核の周りのケラチンが崩壊し、染色されないため各周囲が白く抜けた細胞。HPVが産生するE4蛋白が関連している。英語ではKoilocytoでKoiloは腔(くう)を表す接頭語、cytoは細胞を表す。 - コイロサイトーシス
コイロサイトが出現することを指す。ほぼコイロサイトと同義で使われることが多い。コイロサイトは細胞を指し、コイロサイトーシスは状態を指す。つまりコイロサイトーシスを起こした細胞がコイロサイトということになる。 - ゴースト細胞
壊死や変性などによって細胞質しか見られない細胞。 - コーヒー豆様核
コーヒー豆の様に中央に長軸に線がみられる核。顆粒膜細胞腫や莢膜細胞腫で見られやすい。 - コールド・シッフ
調整時に加熱しない方法のシッフ試薬のこと。シッフ試薬には調整の際に加熱するものとしないもの(室温調整)がある。前者をボイルドシッフと言い、後者をコールド・シッフと呼ぶ。染色性に大きな違いは無いとされる。 - ゴマ塩状クロマチン
粗顆粒状クロマチンと細顆粒状クロマチンが混在したクロマチン構造のこと。神経内分泌腫瘍で見られる所見で、特にカルチノイド腫瘍によく使われる。 - コメド壊死(面皰壊死)
癌胞巣の中心部が変性し壊死に陥ったもの。非浸潤性乳管癌で使われることが多い(その他の腫瘍でもみられることはある)。 - ゴルジ装置
細胞小器官の一つ。蛋白の修飾や分泌などを行う。 - コルポスコピー
コルポスコープという子宮膣部拡大鏡を用いた検査のこと。酢酸加工を行うことで異常所見が明瞭とな生検に有効な部位などの狙いを定めることができる。 - コレシストキニン
別名コレシストキニン・パンクレオザイミン。十二指腸のI細胞から放出され、胆嚢の収縮や膵腺房の消化酵素分泌促進の作用をもつ。コレシストキニンとパンクレオザイミンは別の物質として報告されたが、後に同じもであることが分かった。 - 固定
細胞や組織の腐敗を防ぐために行う方法。凝固固定と架橋固定という2つの固定原理が存在し、前者は脱水による蛋白の凝固を原理とし、後者はアミノ基のメチレン架橋を原理とする。凝固固定の代表はエタノール、架橋固定の代表はホルマリンである。 - 孤立散在性
細胞所見の一つ。細胞が集塊ではなく一つ一つバラバラに出現する出現様式のこと。低分化な腫瘍や間質成分などにみられやすい。 - 口腔ベセスダシステム
口腔細胞診に採用されている報告様式の一つ。ベセスダシステムの特徴である標本の適否や子宮頸部同様SILの概念を採用している。 - 口腔感染症
口腔の感染症。真菌においてはカンジダ感染症が最も多く、口腔のカンジダ感染症を鵞口瘡と呼ぶ。その他ヘルペスウイルス感染なども見られる。 - 口腔原基
発生時に口腔を形成するものの一つ。口腔は外胚葉由来の口腔原基と内胚葉由来の前腸頭側端から形成される。 - 好酸性細胞
好酸性に強く染まった細胞のこと。顆粒状のことが多い。ワルチン腫瘍、オンコサイトーマ、慢性甲状腺炎、顆粒細胞腫、アポクリン化生、アポクリン癌などでみられる。 - 好酸性変化
好酸性に強くそまるようになった細胞。 - 抗ミトコンドリア抗体
ミトコンドリアに対する自己抗体でM1~M9までの亜型が存在する。原発性胆汁性胆管炎(以前は原発性胆汁性肝硬変と呼ばれていた)で高頻度に陽性を示す。 - 抗酸菌
酸に抵抗性を持つ菌の総称。結核菌、らい菌、非結核性抗酸菌などが該当する。抗酸菌染色のチールネルゼン染色が有効。 - 構造異型
細胞所見の一つ。細胞一つ一つの異型を細胞異型と呼ぶのに対し、細胞集団全体の構造の異型を構造異型と呼ぶ。例えば類内膜癌G1でみられる辺縁不整樹枝状集塊は構造異型の一つである。 - 甲状舌管
発生時、気管前方にうまれる管状構造物。ここから甲状腺の左右葉が形成されていく。甲状腺中央にある錐体葉は甲状舌管の名残と言われる。 - 甲状腺
気管前方にある左葉、右葉、峡部で構成される内分泌臓器。甲状腺組織は多数の濾胞で構成され、濾胞内にはコロイドを貯留している。コロイドの主成分は甲状腺ホルモンのサイログロブリンである。濾胞を形成する細胞は濾胞細胞と呼ばれるが、濾胞腔に接していない細胞存在する。その細胞は傍濾胞細胞またはC細胞と呼ばれ、血中カルシウム濃度を低下させるカルシトニンを放出する。 - 甲状腺濾胞
甲状腺組織に見られる濾胞。中に甲状腺ホルモンであるサイログロブリンが主成分のコロイドを貯留する。 - 酵素原顆粒(チモーゲン顆粒)
酵素の前駆体にあたる顆粒。酵素を分泌する膵腺房細胞や唾液腺腺房細胞などにみられる。 - 酵素抗体法
免疫染色の手法の一つ。免疫染色には酵素がついた抗体を反応させる酵素抗体法と蛍光がついた抗体を反応させる蛍光抗体法がある。 - 高円柱状
細胞所見の一つ。円柱上皮細胞のなかでもより背が高い円柱上皮細胞のことを指す。高分化な大腸癌細胞は高円柱状であることが多い。 - 高内皮静脈
リンパ節の傍皮質に分布する静脈。この静脈の内皮細胞は比較的背が高くドーム状に盛り上がっている。リンパ球がこの細胞のすき間や細胞質を通過する。 - 合胞体性栄養膜細胞
胎盤の絨毛を構成する細胞の一つ。絨毛の内側には単核の細胞性栄養膜細胞(ラングハンス型トロホブラスト)と多核の合胞体性栄養膜細胞(シンチジウム型トロホブラスト)が存在する。合胞体性栄養膜細胞からhPLやhCGが産生される。 - 骨幹端部
長管骨の骨端と骨幹の移行部。 - 骨幹部
長管骨の中央にあり、厚い緻密骨に囲まれた部分。中央には骨髄が入る骨髄腔という空洞がある。 - 骨端部
長管骨の関節に面している部分。 - 骨膜
骨の表面を覆う結合組織性の膜のこと。骨悪性腫瘍では玉ねぎの皮様、スピキュラ、codman三角などがみられる。 - 小型成熟リンパ球
成熟リンパ球のこと。多くの成熟リンパ球は小型であるため、小型成熟リンパ球と呼ぶことがある。 - 肛門管
直腸下端部の肛門に開くまでの部分。肛門管の途中で単層円柱上皮から重層扁平上皮に切り替わる。 - 膠原線維性間質
collagenous stromaとも呼ばれ、悪性中皮腫等が膠原線維性間質を取り囲む構造をとることがある。
- Call-Exner body(コールエクスナー小体)
卵巣にある卵胞の顆粒層にみられる構造。中に卵胞液を含んでいる。顆粒層細胞が腫瘍化した顆粒膜細胞腫ではこの構造が特徴的である。 - collagenous stroma
膠原線維性間質のこと。悪性中皮腫等が膠原線維性間質を取り囲む構造をとることがある。 - Cowdry A型封入体
封入体の中でも封入体周囲にhaloを伴うもの。
さ
- サーファクタント
肺胞がつぶれる(虚脱する)のを防ぐ界面活性物質。肺胞周囲には組織液という液体があり、液体は丸くなろう(小さくなろう)とする表面張力をもつ。そのままだと虚脱してしまうため肺胞表面を界面活性物質のサーファクタントで覆い、虚脱を防ぐ。この原理はよくシャボン玉で例えられ、界面活性剤である洗剤がシャボン玉が壊れるのを防いでいる。クラブ細胞やⅡ型肺胞上皮細胞が分泌する。 - サイトスピン法
遠心直接塗抹法の一つ。遠心直接塗抹とは遠心力によって細胞を塗抹する方法である。細胞の回収率は良いが、粘度の高い検体には向かない。 - サイトメガロウイルス
ヘルペスウイルス5型のDNAウイルス。フクロウの目(Owl’s eye)と呼ばれる核内封入体が特徴とされる。 - サイロキシン
甲状腺ホルモンの一つでヨードが4つ結合しているためT4と記載される。甲状腺から分泌されるホルモンは主にT4とT3(トリヨードサイロニン)があるが、最も分泌されるのはT4。T4が末梢組織でT3に代謝され、強い生理作用をもつようになる。 - サイログロブリン
甲状腺濾胞上皮細胞が合成する糖蛋白。甲状腺ホルモンであるT4とT3はコロイド内でサイログロブリンと結合した形で存在する。甲状腺ホルモンが血中に分泌される際に濾胞上皮細胞に吸収される。 - サコマノ液
検診用の喀痰を固定するために開発された固定液。50%カーボワックス(分子量1540)と50%エタノールでできており、乾燥させるため通常の湿固定よりも細胞の剥離を防ぐことができる。 - 砂粒小体
ヘマトキシリン好性の同心円状の石灰化物。乳頭状に増殖する腺癌や髄膜腫などに見られやすい。英語ではPsammoma body(サモマボディ)という。 - 再生
障害して欠損した組織が以前と同様の組織に修復されること。 - 再生上皮細胞
修復細胞とも呼ばれ、障害を受けて欠損した組織が以前と同様の組織に修復されるときにみられる細胞。 - 細胞
17世紀の中旬にフックが顕微鏡でコルクを観察し、一つ一つの空所をcell(細胞)と名付けた。これが細胞という名称が使われた最初とされる。その後、19世紀に細胞説が唱えられる。ヒト細胞は大まかに核を中心に細胞質、細胞膜で構成される。これらの形態は組織によって様々なものが存在し、その正常形態からの逸脱具合を観察し細胞診の結果として判定する。 - 細胞骨格
細胞の形態を保ったり、細胞分裂をしたり、移動したりするための線維の総称。太い順に微小管、中間径フィラメント、マイクロフィラメントの3種類がある。 - 細胞質
細胞膜に囲まれた核以外の部分。 - 細胞質内小腺腔
細胞質内の空胞の一つ。Intracyto plasmic lumenの頭文字を取り、ICLと略されることが多い。乳腺の浸潤性乳管癌 硬性型や小葉癌で見られやすい。 - 細胞周期
細胞が分裂を始めてから次の分裂を始めるまでの1サイクル(周期)のこと。G1期、S期、G2期、M期の1サイクルを1周すると細胞が分裂して増殖する。ほとんどの細胞はこの細胞周期から外れたG0期というフェイズで存在する。 - 細胞集塊
細胞がたくさん集まった塊。集塊で出現するのは結合力を持つことが示唆され、上皮性の細胞が疑われる。 - 細胞小器官
細胞質に存在する微小器官の総称。核、リボソーム、粗面小胞体、滑面小胞体、ゴルジ体、リソソーム、ペルオキシソーム、ミトコンドリアなどがある。 - 細胞性栄養膜細胞
胎盤を構成する絨毛細胞の一つ。絨毛は外側の合胞体性栄養膜細胞、内側の細胞性栄養膜細胞で構成される。細胞性栄養膜細胞は増殖能が高いとされ、合胞体性栄養膜細胞へ分化するといわれる。 - 細胞転写法
一度封入した細胞診標本上の細胞を剥がして他の新しいガラスに載せかえる(転写する)方法。転写時に分割することが可能で、同一患者の検体から複数の免疫染色などが可能となる。 - 細胞保存液
細胞が保存できる液体のこと。サコマノ液やLBC用固定液などが該当する。 - 細胞保存液添加法
遠心した沈査に細胞保存液を加えて処理する方法。 - 柵状配列
細胞所見、組織所見の一つ。柵が並ぶように円柱状の細長い細胞や核が一列に並ぶ構造。 - 索状構造
細胞所見、組織所見の一つ。数層の細胞が列をなして配列する形態。 - 刷子縁(ブラッシュボーダー)
小腸上皮や尿細管上皮にみられる微絨毛が密集した層のこと。細胞診では線毛の付着部のことと書いてある参考書もあるが、正式には微絨毛の層であると筆者は考えている(組織の本で線毛円柱上皮の付着部を刷子縁と書いてるのを見たことが無いため)。 - 擦過法
細胞採取法の一つ。ブラシや綿棒などで擦過して細胞を採取する。自然剥離する前の細胞を採取するため新鮮な細胞が取れやすい。 - 産褥期
「さんじょくき」と読み、分娩後、母体が妊娠前の状態に戻るまでの6週間程度の期間を指す。 - 酸性粘液多糖類
プロテオグリカンに属し、結合組織などに多く含まれる。アルシアン青染色やトルイジン青染色などで染まる。 - 杯細胞
細胞質に多量の粘液をもつ細胞。核が粘液に圧排されている。大腸や気管など様々な組織に存在する。 - 杯細胞増生
細胞診で多くの杯細胞が集塊状にみられる状態。悪性では無いため線毛がみられる。
し
- ジアミノベンチジン
病理分野では免疫染色の基質として用いられる物質。ペルオキシダーゼおよび過酸化水素存在下で茶褐色の色素として沈着する。 - シート状集塊
細胞所見の一つ。1枚の紙のような平面的な集塊の事を指す。重積が無いため良性疾患でみられることが多い。 - シッフ試薬
アルデヒドを検出する試薬の一つ。PAS反応、フォイルゲン反応、グリドリー染色などに使用される。組成は①塩基性フクシン②亜硫酸水素ナトリウム(重亜硫酸ナトリウム)③塩酸。アルデヒドと反応すると赤紫色に発色する。 - シャウマン小体
サルコイドーシスでみられるといわれる多核巨細胞内にある層状構造の石灰化物。一般的にサルコイドーシスでみられるというが、特異性はないとされる。 - シャルコー・ライデン結晶
好酸球の顆粒に由来する正八面体の光輝性結晶。好酸球が増加する寄生虫感染やアレルギー疾患などでみられることが多い。 - シュウ酸カルシウム結晶
尿中にみられる正八面体構造の結晶。尿路結石の成分となる。 - シュワン細胞
末梢神経で髄鞘を形成する細胞。中枢神経の神経膠細胞に当たる細胞と考えられるが、中枢神経で髄鞘を形成する希突起膠細胞と異なり、細胞全体で髄鞘を形成する。この細胞が腫瘍化したものはシュワン細胞腫や神経鞘腫と呼ばれる。 - ショール染色
迅速パパニコロウ染色とも言われ、パパニコロウ染色と似た染色結果をもつ。パパニコロウ染色より時短が可能で色素の組成は異なる。 - シラー・デュバル小体
卵黄嚢腫瘍で見られる構造のこと。血管の周囲に腫瘍細胞が配列し、その周りには空隙があり、さらにその周りに扁平な腫瘍細胞が囲む構造。細胞診検体にみられることはほぼない。 - 子宮
骨盤内にある器官の一つで、下1/3の子宮頸部と上2/3の子宮体部に分けられる。 - 子宮体部
子宮の中でも上2/3の部分。子宮体部の粘膜を内膜と呼ぶ。内膜には基底層と機能層があり、月経時には基底層を残して機能層が剥離する。その下には厚い平滑筋層が存在する。 - 糸球体
腎臓の皮質にある毛細血管の塊。糸球体周囲をボーマン嚢が取り囲み腎小体を形成する。 - 子宮内膜
子宮体部の粘膜のこと。卵巣からのエストロゲンとプロゲステロンの作用によって上皮の形態が変化する。 - 子宮膣部拡大鏡検診
コルポスコピーのこと。コルポスコープという子宮膣部拡大鏡を用いた検査のこと。酢酸加工を行うことで異常所見が明瞭とな生検に有効な部位などの狙いを定めることができる。 - 指状嵌入細胞
かみ合い細胞とも呼ばれ、リンパ節や共染に存在する樹状細胞の一種。T細胞に抗原提示を行う。 - 脂肪芽細胞
脂肪細胞の前駆細胞と考えられている細胞。 - 脂肪細胞
脂肪を蓄えるために分化した細胞。細胞質のほとんどが脂肪で満たされており、核が偏在する。 - 脂肪染色
脂肪を染色するための染色。オイル赤O、ズダンⅢ、ズダン黒B、ナイル青などがある。無極性色素のものが多い。
ズダンⅢとオイル赤Oの解説はこちら
ズダン黒Bとナイル青の解説はこちら - 視野絞り
顕微鏡にある絞りの一つで、サンプル面に光が当たる範囲調節できる。視野絞りは視野に外接する程度に広げるのが最適とされる。 - 耳下腺
大唾液腺の一つ。大唾液腺には耳下腺の他、顎下腺と舌下腺が含まれる。耳下腺のみ外胚葉由来で他は内胚葉由来。耳下腺は純漿液腺で顎下腺は漿液腺優位の混合腺、舌下腺は粘液腺優位の混合腺。 - 自己融解
個体の死後、自らの酵素によって組織や細胞が分解されること。 - 自然尿
自然に排出した尿のこと。 - 自律性増殖
自分の意思で増えること。癌細胞が宿主であるヒトの命令に関係なく、自律性に、不可逆的に増殖する。 - 湿固定
液体を使った固定。細胞診では95%エタノールを使う。対義語として乾燥固定があり、ギムザ染色でよく使われる。 - 実質
その組織の主要な部分の事。例えば肝臓では肝細胞が、肺では肺胞腔と肺胞上皮細胞が実質に該当する。 - 主細胞
胃底腺にある細胞の一つ。胃消化酵素の素になるペプシノーゲンを分泌する。 - 主膵管
膵臓を通る太いメインの管のこと。主膵管から分岐する分岐膵管もある。 - 腫瘍
自律性かつ不可逆性に増殖する細胞集団のこと。悪性と良性、さらに上皮性と非上皮性に分けられる。 - 腫瘍随伴症候群
原発腫瘍や転移性腫瘍によって離れた場所で起きる様々な症状のこと。肺癌が最も多いとされる。 - 腫瘍性背景
細胞診の背景所見の一つ。背景に炎症細胞、壊死、ゴースト細胞などがみられる場合をこのように呼ぶことが多い。 - 受容体
刺激を受け取るための受け皿として働く蛋白のこと。役割によって細胞膜、細胞質、核内に存在する。 - 樹状細胞
樹状細胞は、免疫系において重要な役割を持つ細胞の一種で、外部から侵入してきた異物(細菌やウイルスなど)を認識し、免疫応答を開始するために他の免疫細胞に情報を伝達する役割を担う。名前の通り、枝分かれした突起を持ち、広い範囲の異物を効率的に認識できるようになっている。また、樹状細胞は抗原提示細胞とも呼ばれ、認識した異物を他の免疫細胞に提示することで、その異物に対する免疫応答を促進する役割も担っている。 - 収差
収差とは、光がレンズや反射鏡などの光学系を通過する際に生じる、像の歪みやブレなどの光学的な誤差を指す。光学系は理論的に完璧な像を作り出すことはできないが、収差を減らすことで、より正確な像を得ることができる。色収差と呼ばれる光の色(波長)の違いによるズレと、波長ごとについて起こる単色収差とがある。単色収差はザイデルの5収差とも呼ばれ、球面収差、コマ収差、非点収差、像面歪曲、歪曲収差がある。それぞれの収差に対して、特定の光学設計によって補正することが可能。 - 修復
組織に損傷があった場合に、正常な状態に戻すための過程。 - 修復細胞
身体の組織が損傷した際に、その損傷を修復するために働く細胞のこと。平面的で流れるようなシート状配列、核の大小不同、核小体などを特徴とする。 - 終末乳管小葉単位
終末乳管小葉単位(Terminal Ductal Lobular Unit; TDLU)は、乳房に存在する構造の一つで、乳腺を構成する最小の単位。TDLUは、乳腺小葉と呼ばれる構造と、それに続く乳管から構成されている。TDLUは、乳癌などの疾患の発生部位として注目されており、乳房検診や乳がんの検査においても重要な解剖学的構造の一つとされている。 - 舟状細胞
プロゲステロンの影響を受けて黄色のグリコーゲンを細胞質に貯留した中層細胞。細胞の両端がめくれ上がり舟のような形状を示す。 - 集細胞法
細胞をいったん集めてから処理する処理法のこと。具体的には①遠心沈殿法②遠心直接塗抹法(オートスメア、サイトスピン)③膜濾過法(ポアフィルター法)④セルブロック法がある。 - 充実性
細胞が多く、集まっていることを指す用語。例えば子宮体部の類内膜癌グレード分類に使われる充実性胞巣部分は腺管構造ではなく、癌細胞が密になっている部分のことを指す。 - 十二指腸腺
ブルンネル腺とも呼ばれる小腸の十二指腸にある粘液線。粘膜筋版を貫いて粘膜下層に存在し、アルカリ性の粘液を分泌する。このアルカリ性分泌は、胃から流れてきた酸性の胃内容物を中和して、十二指腸内の消化酵素が正常に働く環境を作り出すために重要。 - 重積性
細胞や組織所見の一つ。細胞が重なっている場合に使われる。 - 女性ホルモン
女性の生殖器官や乳房などに影響を与えるホルモンの総称。主に卵巣で分泌され、主にエストロゲンとプロゲステロンがある。 - 女性生殖器
女性の生殖機能を担う器官のことを指す。主要な器官には、卵巣、子宮、卵管、膣、外陰部などが含まれる。これらの器官は、女性の生殖能力を維持する上で非常に重要な役割を果たしている。 - 小児腫瘍
小児腫瘍とは、小児(成人よりも若い人々)に発生する腫瘍のことを指す。小児腫瘍には、悪性のがんと良性の腫瘍が含まれる。白血病、脳腫瘍、神経芽腫、腎芽腫、肝芽腫、骨肉腫、神経膠腫、リンパ腫などが多い。 - 小唾液腺
唾液腺のなかでも大唾液腺以外のものの総称。口唇腺、頬腺、舌腺などが含まれる。 - 小脳
脳の一部で脳幹の後ろ側に位置し、大脳、脳幹とともに中枢神経系を構成している。小脳は、運動の協調や調整、姿勢の制御、バランスの調整などを担当することが知られており、また、学習や思考にも関与していることが近年の研究で示唆されている。小脳の損傷は、運動の不調やバランスの悪化などを引き起こすことがある。 - 小胞体
細胞内に存在する膜に覆われた小器官の一つ。粗面小胞体と滑面小胞体という2つの形態が存在することが知られており、前者は蛋白合成、後者はカルシウムイオン貯蔵、ステロイド合成などを行う。 - 消化器
ヒトや動物が食物を消化するための器官の総称。消化器は、口、食道、胃、小腸、大腸、肝臓、膵臓、胆嚢などの器官から構成される。食物は口から入り、消化器を通して栄養素に分解され、体内へ吸収される。食物を消化するための酵素や消化液を分泌し、消化管の壁面にある微小な絨毛突起を通じて栄養素を吸収する。また、消化器は食物の排出を促すために腸管運動や排泄機能を担うことも知られている。 - 消耗色素
リポフスチンのことで加齢などに伴って沈着が増加する。リポフスチンはHE染色やパパニコロウ染色で黄褐色調を示し、沈着の強い萎縮は褐色萎縮と呼ばれる。 - 硝子化
蛋白変性の一つで硝子質成分が細胞間の基質や膠原線維などに沈着して起こる - 硝子変性
硝子化と同義。 - 硝子様物質
硝子変性によって生じた物質。 - 上衣ロゼット
ロゼット構造の一つで真正ロゼットとも呼ばれる。中央に腔があり、その周囲に放射状に腫瘍細胞が配列する。上衣腫で見られる。 - 上皮細胞
皮膚や粘膜の表面を覆う細胞のこと。基底膜上に存在し、基底膜、細胞間同士に結合力がある。必要に応じていくつかの細胞形態や能力をもつ。 - 上皮性・間葉性混合腫瘍
上皮性腫瘍と間葉性腫瘍が混合してできる腫瘍のこと。上皮性腫瘍とは、上皮細胞から発生する腫瘍のことで間葉性腫瘍とは間葉組織から発生する腫瘍のこと。上皮性・間葉性混合腫瘍は、混合する腫瘍の種類によって多くの種類があり、例えば癌肉腫や乳腺線維腺腫などが該当する。 - 上皮組織
細胞が密集して形成された組織であり、体表面や内臓器官、血管、腺などに存在する。上皮組織は体の外部からの刺激や微生物、化学物質から内部を守るバリアーとして機能する他、分泌や吸収などの機能も持つ。また、上皮細胞は身体の内外の環境と体内の組織をつなぐ役割を持っており、情報伝達にも重要な役割を果たしている。上皮組織は細胞形状や細胞数、細胞の特徴などによっていくつかの種類に分類されている。 - 心不全細胞
心臓病細胞とも呼ばれ、ヘモジデリンを左心不全などによって肺うっ血が生じたときなどにみられる。 - 浸出液
体腔液の種類の一つ。炎症、腫瘍性のによるもので、細胞成分やタンパク量が多い。 - 浸潤
上皮細胞が基底膜を破って間質に侵入すること。または血管などに侵入することも血管浸潤などと呼ぶ。 - 真の(真正)ロゼット
上衣ロゼットのこと。中央に腔があり、その周囲に放射状に腫瘍細胞が配列する。上衣腫で見られる。 - 真珠形成
角化型扁平上皮癌の所見の一つで癌真珠とも呼ばれる。同心円状の構造で高度な角化の指標となる。非角化型にはみられない。 - 真正クロマチン
クロマチンの保存形態の一つでユークロマチンとも呼ばれる。ヒストンに対するDNAの巻き付きが緩い状態であるため、転写が行いやすい。そのため転写が活発な細胞でみられやすい。 - 神経管
胎児の脳や脊髄の発生に重要な役割を果たす、胚芽期に形成される管状の構造。胚芽期の初期に胚の背側にある平らな細胞塊が、神経板と呼ばれる細胞塊に変化する。この神経板が、背側に向かって折り畳まれ、神経管が形成される。神経管は胎児の脳や脊髄の前駆細胞となり、成長と分化を続け、最終的に中枢神経系の形成につながる。 - 神経堤
発生の神経管が形成される際に生じる、神経板が折り畳まれる過程で一過性に形成される構造。ここからメラノサイトや神経膠細胞、クロム親和性細胞などが発生するとされる。そのためメラノーマは神経系のマーカーが陽性となる。 - 神経内分泌細胞
全身に存在し、ホルモンやペプチドなどを分泌する神経と内分泌系両方の特性を持つ細胞。この細胞から神経内分泌腫瘍(NET)が発生する。 - 神経内分泌顆粒
神経内分泌細胞がもつ分泌顆粒。パパニコロウ染色では判別できないが、ギムザ染色では異染性を呈する顆粒状物質として見ることができるとされる。電子顕微鏡では観察できる。 - 進行癌
進行し、治療が難しくなったがんのこと。定義は臓器やがんの種類によって異なる。 - 塵埃細胞
肺胞にいる組織球のこと。塵や埃のようなゴミを貪食している像がしばしばみられ、「塵埃(じんあい)細胞」と呼ばれる。肺胞マクロファージとも呼ばれる。 - 腎臓
後腹膜に存在する左右一対の臓器。右腎は肝臓に押されて少し低い位置にある。水分・電解質の調節、酸塩基平衡の調節、ホルモン産生と調節、糖新生、代謝物・老廃物の排泄という5つの機能を果たしている。 - 数珠状配列
細胞所見の一つで細胞が数珠のように一列に並んだ状態を指す。鋳型状とは違い細胞が圧排しておらず、丸みを保った状態で配列する。 - 敷石状配列
パズルをはめたように互いの細胞が配列している状態。実際はそこまでピッタリハマっているわけではないが言われればそのように見えるという程度。 - CCP細胞
ぜんそくやアレルギー疾患などでみられる変性した線毛円柱上皮細胞。①濃染核②クロマチン凝集③エオジン好性の細胞質内小体④叢毛形成などの特徴がある。昔の参考書には書かれていたが、最近の参考書には書かれているものがあまりない。 - CDX2
ヒト十二指腸のから直腸までに消化管上皮に存在する遺伝子遺伝子。上皮細胞の増殖や文化などに関連する転写因子をコードする。大腸癌の免染で高頻度に陽性となるため肺原発か転移性腫瘍化の鑑別などに使える。 - CD抗原
免疫系細胞の表面に発現する分子。白血球系はこのCD抗原の陽性、陰性で大体分けることができる。そのため悪性リンパ腫などの分類で使うことができる。 - CIN分類
子宮頸部における異形成(細胞の変性や異常)の程度を分類するために用いられる分類の1つで、Cervical Intraepithelial Neoplasia(子宮頸部上皮内腫瘍)の略称。CIN1は軽度異形成、CIN2は中等度異形成、CIN3は高度異形成と上皮内癌が該当する。 - C型肝炎ウイルス
肝炎ウイルスの一種で主に血液を介して広がるRNAウイルス。感染すると慢性肝炎、肝硬変、肝臓癌などを引き起こす。 - C細胞
甲状腺に存在する細胞で濾胞腔に接していない細胞。傍濾胞細胞とも呼ばれる。血中カルシウム濃度を下げるカルシトニンを分泌する。 - GFAP
Glial fibrillary acidic proteinの頭文字を取ったもので、中間径フィラメントの一つ。アストロサイトに発現しており、アストロサイトのマーカーとして使われる。
す
- スクリーニング
細胞の形態や構造を観察することで、異常な細胞を早期に発見する方法。一般的に、細胞診のスクリーニングは、がんの検査に用いられる。例えば、子宮頸がん検診では、子宮頸部から採取した細胞を顕微鏡で観察し、異常な細胞があれば追加検査や治療を行うことがある。細胞診のスクリーニングは、比較的簡単かつ低コストで行えるため、一般的ながん検診などで広く利用されている。 - スタンプ法(捺印法)
細胞診の標本作製法の一つ。腫瘍に割をいれ、断面を軽くスライドガラスに押し付けて細胞を採取する。 - スプレー固定
イソプロパノール、ポリエチレングリコールの混合液をスプレー式に細胞へ噴霧して固定する固定法。約15 cmの距離から2~3秒間噴霧する。 - すりガラス状陰影
医療画像(主にX線写真やCT画像など)で見られる陰影の一つで、肺に多く見られる。間質性肺炎や上皮内腺癌などでみられる。 - すりガラス状核
核所見の一つ。甲状腺乳頭癌やウイルス感染などでみられる白っぽい核をこのように呼ぶ。 - すりガラス状細胞質
子宮頸がん取り扱い規約第4版まで組織型として収録されていたすりガラス細胞癌の特徴。すりガラス細胞癌は細胞質がすりガラス状になるとされる。 - すり合わせ法
標本作製法の一つで喀痰など粘性の高い検体に有効。検体をスライドガラス状に採取し、上下左右に3回以内ですり合わせて薄く均一に伸ばす。 - 水解小体(ライソゾーム)
細胞小器官の一つ。主に細胞外から取り込まれた物質の消化・分解を行う。酸性の加水分解酵素をもつ。 - 随時尿
その都度採取される尿。尿細胞診はこの随時尿を検体とする。反対に早朝尿は細胞の編成が強く検体としては適さない。 - 髄様
間質が少なく、細胞が密集した状態。細胞学会の用語集では充実性と同義語として紹介されている。 - 杉綾模様
紡錘形核の細胞が斜めに整列している組織所見を表す言葉。魚骨様形態やherring-bone patternとも呼ばれ、線維肉腫などでみられる。 - 膵液
膵臓の外分泌腺から分泌される消化液。アミラーゼやトリプシンなどを含む。アルカリ性で、胃酸によって酸性化した食物を中和する。 - 膵管洗浄液細胞診
生理食塩水で膵管を洗浄し、回収する細胞採取法。 - 膵臓
消化器の一つで内分泌と外分泌両方の機能をもつ。膵組織内のほとんどは外分泌腺で内分泌腺であるランゲルハンス島は少ない。十二指腸側から膵頭部、膵体部、膵尾部があり、内分泌腺は膵尾部に多い。 - starry-sky像
バーキットリンパ腫に見られる所見。密集した腫瘍細胞(暗い)中にマクロファージ(明るい)がみられる。その様子が夜空に浮かぶ星のように見られることからこの様に呼ばれる。
せ
- セルトリ細胞
精上皮の中で一定の間隔をおいて存在し、精上皮の基底面から内腔面に向けて樹木のようにそそり立っている。大きな核小体を持った明るい卵円形の核を、細胞の基底側に持っているのが特徴。精子発生細胞の支持や保護の他、細胞に栄養を与える働きがある。アンドロゲン結合蛋白質やインヒビンの分泌、曲精細管の中のテストステロン濃度を高めるのに役立っている。さらに、精子形成細胞の不要な細胞質の貪食も行う。 - セルブロック法
液状検体をパラフィンブロックにする方法。通常の組織と同様に多数の切片作製が可能であるため、免染、特染、FISHなどに使用できる。アルギン酸ナトリウム法、クライオバイアル法、コロジオンバック法、遠沈管法など様々な方法がある。 - センチネルリンパ節
悪性腫瘍などの病巣から一番最初に流れ込むリンパ節のこと。 - 成熟指数
細胞成熟指数(Mature index;MI)のこと。
傍基底細胞 / 中層細胞 / 表層細胞の順に子宮頸部細胞診標本でみられる細胞の割合を数えて記載する。ホルモンの影響が分かる。 - 星雲状封入体
クラミジア感染細胞に見られる細胞所見。 - 星状小体
サルコイドーシスの細胞質に見られる小体。星芒小体やアステロイド小体とも呼ばれる。疾患特異性があるわけではない。 - 精管
精巣上体管と尿道とを結ぶ長さ40~50 cmの管で、粘膜、筋層、外膜の3層構造からなる。粘膜には長軸方向にヒダがあり、その内面は二列円柱上皮で覆われている。 - 精細管
曲精細管と直精細管がある。曲精細管は精子を産生する複雑な重層上皮からなり、精上皮と呼ばれる。曲精細管は精巣縦隔に集まり比較的直行する直精細管を介して精巣網という網状の管系に連絡し、精巣輸出管および精巣上体管を経て精管へと続く。直精細管の上皮は単層の円柱上皮。 - 精巣
男性生殖器の一つ。陰嚢の中にある1対の器官(長径4~5 cm)で、縦に細長い卵形をしている。精巣は最初に腹腔の中にできたものが、胎生期の間に次第に下へ移動して、鼡径管を通って陰嚢の中におさまったもの。 - 精巣上体
精巣を上方から後方へ巻く細長い器官で、その内部には精液を運ぶ精巣輸出管と精巣上体管が曲がりくねりながら、ぎっしり詰まっている。背の高い円柱上皮細胞と小さい丸い核を持つ基底細胞からなる。この上皮には運動能を持たない不動毛はみられる。 - 石綿肺
石綿(アスベスト)の暴露によって起きた肺線維症のこと。 - 赤色骨髄
骨髄の中でも造血が盛んな部分。造血能が乏しい部分は黄色髄。 - 赤点斑
コルポスコピーでみられる所見で毛細血管が赤色の点状にみえる限局性異常病変を赤点斑と呼ぶ。 - 接着装置
細胞同士が結合する様式の総称。細胞同士の結合には①タイト結合②アドヘレンス結合③デスモソーム結合④ギャップ結合の4種類がある。 - 舌下腺
大唾液腺の一つ。内胚葉由来で粘液線優位の混合腺。 - 染色質
クロマチンのこと。 - 染色性
色の染まり方のこと。色が薄い場合は染色性が薄い、濃い場合は染色性が濃いなどと表現される。 - 染色体
細胞分裂時にクロマチンが凝集したもの。一対の姉妹染色分体からなり、中央のセントロメアによって接着している。分裂時にはこのセントロメアに微小管が結合し、左右に引っ張る。上は短いため短腕(p)、下は長いため長腕(q)と呼ばれる。 - 潜在癌
ラテント癌とも呼ばれ、解剖で初めて見つかる癌。 - 穿刺吸引
病変部などに比較的長い針を刺し、陰圧をかけて細胞を採取すること。 - 穿刺吸引細胞診
病変部などに比較的長い針を刺し、陰圧をかけて細胞を採取して行う細胞診のこと。 - 穿刺吸引法
病変部などに比較的長い針を刺し、陰圧をかけて細胞を採取する方法のこと。甲状腺やリンパ節など体表臓器に用いることが多かったが、現在では内視鏡の発達などにより膵臓や胆嚢など深部の臓器も対象となる。 - 線維化
線維組織以外の組織が線維組織に置き換わること。 - 線維芽細胞
膠原線維など線維成分の元となるプロコラーゲンを産生する細胞。 - 線状配列
1本の腺のように細胞が並んだ状態を表す細胞所見の一つ。インディアンファイルや索状配列などとも呼ばれる。 - 線毛
一部の細胞の頂部にみられる運動性を持った毛。断面図を見ると微小管できている。 - 線毛円柱上皮細胞
細胞頂部に線毛を持った円柱上皮細胞。単層線毛円柱上皮細胞と多列線毛円柱上皮細胞が存在する。 - 線毛上皮細胞
単層線毛円柱上皮細胞や多列線毛円柱上皮細胞など線毛を持った細胞のこと。 - 線毛性・卵管上皮性変化(化生)
通常線毛をあまり持たない組織の上皮に線毛を持った細胞がみられること。線毛性変化(化生)と卵管上皮性変化(化生)はほぼ同義で扱われるが、厳密にいうと後者は線毛細胞、分泌上皮、介在上皮を含むものを指す。 - 腺管状
外分泌の腺管構造を保った状態のこと。癌では比較的高分化なもので見られやすい。 - 腺上皮
円柱上皮のこと。 - 腺侵襲
高度異形成などが非破壊性に既存の頸管腺内に進展した状態。ぱっと見間質浸潤しているように見えるため注意が必要。 - 腺房細胞
腺房を構成する細胞。腺房とは外分泌腺の先端にみられる構造のことで、腺房で分泌された分泌物が導管を通って分泌される。 - 腺房状
腺房の構造を保った状態のこと。 - 前がん病変
がんになる可能性がある病変のこと。がんは種類によって多段階発がんを示すものtデノボ発がんを示すものがある。前者の場合がんになる前の病変を経るが、その病変を前癌病変と呼ぶ。例えば大腸癌の前癌病変には腺腫がある。 - 前立腺
膀胱の下に存在し、尿道が貫通する。中心に近い中心領域と移行領域、辺縁部の辺縁領域に分かれる。
そ
- 桑実状(ミラーボール状)
腺癌にみられる細胞所見の一つ。細胞質の淡いさ細胞が球状の集塊で見られる場合に用いられる。卵巣明細胞癌や体腔液中の腺癌でよくみられる。 - 粗面小胞体
細胞小器官の一つ。小胞体は粗面小胞体と滑面小胞体の2種類があり、粗面小胞体は表面にリボソームが付着しているため蛋白合成に関与する。核膜と連続性がある。 - 組織
同様の目的を持った細胞のあつまり。組織が集まると器官(臓器)ができる。 - 組織球
マクロファージとも呼ばれる白血球の一種。遊走能や貪食能をもつ。存在する場所(組織によって)名称が異なる。肝臓ではクッパ―細胞、脳では小膠細胞、血液内では単球、肺胞では塵埃細胞と呼ばれる。 - 双極裸核
乳腺細胞診標本の背景にみられる裸核細胞。この細胞の由来は線維芽細胞、筋上皮細胞、上皮細胞などで、この細胞が多く認める場合は良性病変を考える。 - 層(状)構造
厚みのある細胞や物質にみられる構造。厚みがあるものをは細胞診標本上でグルグルと層構造を示すことが多い。この層状構造を認めるのは扁平上皮系細胞が多い。 - 早期胃癌
癌の局在が粘膜または粘膜下組織にとどまるものリンパ節転移の有無は問わない。 - 早朝尿
早朝に採取する尿。早朝尿というと一般的には起床後最初に排泄する尿のことを指すことが多い。 - 相互圧排像
隣り合う細胞同士が押し合って圧排していることを示す細胞所見の一つ。小細胞癌や浸潤性乳管癌 硬性型などに見られやすい。 - 相互封入像
細胞がもう一つの細胞に入り込んでいる細胞所見。カニバリズムとも呼ばれ、剥離細胞診標本の場合は悪性を疑う所見の一つとなる。擦過やカテ尿など無理やり採取されたものは悪性所見としないことが多い。 - 総胆管
肝外胆管の一つで、総肝管から繋がっている。最終的に大十二指腸乳頭(ファーター乳頭)に開口する。 - 臓器特異的マーカー
臓器がもつタンパクや糖タンパクなどのこと。正常でもみられるものや腫瘍化することによって増加するものなどがあり、腫瘍の原発部位などや腫瘍の有無などを血液や尿などから検索することができる。 - 臓側胸膜
臓器側の胸膜。胸膜や腹膜は臓側と壁側の二重構造になっている。 - 造血幹細胞
骨髄にある細胞で血球を作り出す元となる細胞。この細胞が分裂、様々な細胞に分化していく。 - 造血器
血球をつくる器官(臓器)のこと。胎生期では肝臓、脾臓、骨髄などが該当し、出生後は骨髄が主である。 - 造血組織
血球を作る組織、つまり造血器のこと。 - 粟粒結核
結核菌が血流に入り、全身に病変が生じた結核のこと。「ぞくりゅうけっかく」と読む。
た
- 多核巨細胞
核がたくさんある大きい細胞。ラングハンス巨細胞、トートン型巨細胞などがある。 - 多核組織球
多核になった組織球。ラングハンス巨細胞、トートン型巨細胞は多核組織球である。 - 多重染色
いくつかの染色法を組み合わせた染色。二重に染色するものが多く、PAS-アルシアン青染色、PAS-オレンジG染色、HE-victria青染色などがある。 - 多段階発癌
正常組織から急に癌が発生するのではなく、前癌病変を経て癌が発生する発癌形式。腺腫から腺癌が発生する大腸癌や増殖症から内膜癌が発生するエストロゲン依存性内膜癌などが該当する。 - 唾液腺
口腔周囲にある唾液を分泌する外分泌腺。大唾液腺と小唾液腺に大別され、前者には耳下腺、顎下腺、舌下腺が、後者には口唇腺、頬腺、口蓋腺、舌腺などがある。 - 唾液腺細胞診国際報告様式ミラノシステム
2015年に提案された唾液腺の報告様式。①診断不能②非腫瘍性③意義不明な異型④腫瘍(良性、悪性度不明)⑤悪性疑い⑥悪性の6カテゴリーからなる。 - 体腔液
からだの空所に貯留した液体。胸水、腹水、関節液、脳脊髄液などがある。 - 対細胞
一つの細胞がもう一方の細胞に入り込んだ状態を表す細胞所見。剥離細胞診では悪性所見として扱われることが多いが、擦過やカテーテル尿など無理やし剥離させた検体で見られる場合は悪性を考えない。Pair cellとも呼ばれる。 - 対物レンズ
顕微鏡の構成部分の一つ。試料に対して最も近い位置にあり、試料からの光を収集して像を形成するためのレンズである。対物レンズは、通常、高度に精密な光学設計を組み込んでおり、高倍率で試料を観察することができる。通常、数種類の倍率が用意されており、対物レンズの倍率は、顕微鏡の最終的な倍率に大きな影響を与える。例えば、10倍の対物レンズを使用する場合、100倍の倍率を持つ顕微鏡である。 - 胎盤
哺乳動物の妊娠中に形成される臓器で、胎児と母体の間で物質交換を行う重要な役割を担っている。絨毛などで構成されており、胎盤の腫瘍はこの絨毛を構成するトロホブラストが腫瘍化したものとなる。 - 大唾液腺
唾液腺の一つ。唾液腺は大唾液腺と小唾液腺に大別され、前者には耳下腺、顎下腺、舌下腺が、後者には口唇腺、頬腺、口蓋腺、舌腺などがある。 - 大腸
大腸は、消化管の一部であり、小腸の末端部から肛門まで続いている管である。大腸は、消化管内に残留した水分や電解質を再吸収し、体内に必要な水分を補充する役割を持つ。また、大腸内には多くの腸内細菌が存在し、消化や免疫などの機能に関与している。盲腸、結腸、直腸の3つの部分から構成されており、盲腸は、大腸の初めの部分で虫垂と呼ばれる付属器官が付いている。結腸は、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S字結腸に分かれている。直腸は、結腸の最後の部分であり、肛門に続く。 - 大脳
大脳は、脳の最大の部分であり、知能や感覚、運動、言語などの高次脳機能を担っている。左右2つの半球に分かれており、それぞれが対称的な機能を担っている。外側には灰白質があり、内側には白質が存在する。灰白質は、脳の神経細胞が密集している部分であり、神経回や脳回、海馬回、視床などの構造が存在する。白質は、神経細胞の軸索が集まっている部分であり、左右の半球をつなぐ大脳溝などの構造が存在する。多くの神経細胞や神経回路が存在し、複雑な情報処理を行うことができる。大脳は、刺激に対して適切な反応を行う反射的な脳機能と、思考、意志、感情などの高次的な脳機能を担っている。
脳の基本構造と機能についてはこちら - 脱分化
細胞が本来持っていた特定の分化状態から、より幼稚な分化状態へと逆戻りする現象である。つまり、細胞が未分化状態に戻ることを指す。 - 脱落膜細胞
妊娠時などに腫大した内膜間質細胞。異所性妊娠においてもこの細胞の変化はみられる。 - ダッチャー小体
形質細胞腫/多発性骨髄腫でみられる核内の小体。同じく形質細胞腫に見られるラッセル小体は細胞質内の封入体である。 - 単核組織球
核が一つしかない組織球。多核で大きい組織球は多核巨細胞や多核組織球などと呼ばれる。 - 単球
単球は、骨髄から分化した白血球の一種であり、主に免疫系の機能を担う細胞。織内に移動してマクロファージとして活動することもあり、身体の免疫や修復に欠かせない細胞である。 - 単純ヘルペスウイルス
ヒトに感染するウイルスの一種。1型から8型まである。1型:口唇(上半身)、2型:性器(下半身)、3型:水痘・帯状疱疹、4型:EBウイルス、5型:サイトメガロウイルス、6型&7型:突発性発疹、8型:カポジ肉腫として知られる。 - 担空胞細胞
physaliferous cellとも呼ばれる脊索腫にみられる細胞。脊索腫にみられる空胞状の細胞をこのように呼ぶ。 - 胆管
肝臓で生成された胆汁を体外へ排泄する管。肝臓内で小さな胆管が集まって大きな胆管となり、最終的に胆嚢を通って十二指腸につながる。肝内胆管と肝外胆管があり、肝外胆管はさらに左右の肝管、総肝管、総胆管が含まれる。 - 胆汁細胞診
胆汁中に剥離した細胞を検体としたもの。消化酵素によって早期に変性が起きやすいため、採取後は氷冷する必要がある。 - 胆汁酸
肝臓で合成され、胆汁中に含まれる有機化合物の一種。脂肪の消化吸収を助けるため、腸管内で作用する。胆汁酸は、脂肪を乳化させ、脂肪酸とグリセリドの小さな小胞に分解し、消化酵素が効率的に働くことを可能にする。また、胆汁酸は脂溶性ビタミンの吸収を促進し、消化管内で細菌が繁殖するのを防止する抗菌効果もある。 - 胆汁色素
胆汁中に含まれる色素の総称で、ビリルビンなどが含まれる。これらは、肝臓で生産された赤血球の老化や破壊によって生成されたヘモグロビンから生成される。胆汁色素は、腸で腸内細菌によって分解され、胆汁酸とともに便中に排出される。 - 胆石
胆嚢や肝臓内に固形物質がたまり、石のようになる状態。胆石が生じる原因には、胆汁中のコレステロールやビリルビンが過剰に存在することがある。胆石は、胆管や膵臓に進行して重篤な合併症を引き起こす可能性がある。コレステロール胆石や黒色胆石などがある。 - 胆道
胆汁の通り道のこと。管内胆管、肝外胆管、胆嚢、十二指腸乳頭部が含まれる。 - 胆嚢
胆汁を貯蔵・濃縮する消化器。胆嚢は肝臓の裏側に存在し、胆嚢管の反対から底部、体部、頸部に分けられる。多くの消化器に存在する粘膜筋板と粘膜下層が無いため薄い。また筋層には腺構造が筋層にまで嵌入するロキタンスキー・アショフ洞をみることがある。 - 男性生殖器
腹部、骨盤、会陰にある器官によって構成される。主な構成要素は、左右の精巣、精巣上体、精管、射精管、正中にある尿道と陰茎である。さらに、1対の前立腺、1対の精嚢、1対の尿道球腺という3種類の付属腺が生殖器系に付属している。
ち
- 膣
膣は子宮と外性器を連結する筋性の管状器官で、子宮からの月経や粘液の排泄管の役割を果たす。エストロゲンの作用により膣粘膜ではグリコーゲンが作られる。グリコーゲンは常在菌であるグラム陽性桿菌のデーデルライン桿菌(乳酸菌)により乳酸に換えられ、膣内は酸性に保たれる。これにより、膣内は外部からの細菌などの侵入を防ぐことができる。膣壁は非角化型重層扁平上皮、粘膜固有層、平滑筋層、外膜からなり、腺組織は存在しない。膣管の表面は子宮頸腺からの分泌物で潤っている。 - 膣プールスメア
後膣円蓋部に貯留した帯下を綿棒や吸引などによって採取する方法。変性が強いため癌などの判定が難しいことがある。 - 中型リンパ球
二次濾胞の胚中心細胞が由来。核径は類円形からくびれが有る。クロマチン凝集は小型より軽度で核小体がみられる。細胞質は好塩基性。 - 中心体
細胞小器官の一つ。核の近傍に存在し、分裂期に細胞が分裂できるよう両極に移動して働く。 - 中枢神経
脳と脊髄の総称。運動、感覚、自律神経などあらゆる機能のコントロールを行う。
脳の基本情報はこちら - 中層細胞
重層扁平上皮の中間層に存在する細胞。子宮頸部では、長径35~50 μm、比較的深層由来の舟形を呈するものから表層に近い大型多角形細胞まで、大きさ、形ともに多様である。細胞質はライトグリーンに淡染し、透明感がある。核は傍基底細胞より小さく、クロマチンは微細で、濃縮を示さない点が表層細胞とは異なる。中層細胞が細胞質内グリコーゲンを多量に含むと、辺縁が厚く中央が黄色調を呈し、舟形細胞とよばれる。舟形細胞は妊娠中にみられることが多いが、妊娠時以外にも、血中プロゲステロンが上昇した状態で出現することがある。 - 中皮
中皮細胞のこと。 - 中皮細胞
腹膜や胸膜などを覆う上皮細胞。組織学的には単層扁平上皮である。中皮細胞は中胚葉由来で中心性の核をもつ。電顕的でみると表面には微絨毛がみられる。 - 中胚葉
胚葉の一つ。発生時に卵子は外胚葉、中胚葉、内胚葉に分かれそれぞれが様々な組織に分化する。中胚葉は筋、骨、血管、リンパ管、生殖器などに分化する。
胚葉の解説記事はこちら - 長管骨
大腿骨や上腕骨などの長い骨。骨腫瘍はこの長管骨を好発部位とするものが多い。その中でも悪性腫瘍は骨幹端や骨幹に発生が多い。 - 腸骨
骨盤を構成する寛骨の一部。寛骨は腸骨、坐骨、恥骨で構成される。 - 直接塗抹法
ブラシや綿棒などで採取した細胞を直接ガラスに塗抹する方法。新鮮な細胞が採取されやすいため変性の少ない細胞がみられやすい。 - 緻密骨
骨の肉眼的に厚く充実した部分を指す。他に骨には海綿骨と呼ばれる部分があり、緻密骨と海綿骨で骨を形成する。 - チモーゲン顆粒
漿液腺の腺房細胞が持つ酵素の素となる顆粒。ジアスターゼ抵抗性でPASに陽性を示す。
つ
- ツァンク細胞
ヘルペス感染で見られるような多核巨細胞、もしくは尋常性天疱瘡でみられる特徴的な細胞のことを指す。 - Two cell pattern
2種類の細胞が混在している場合に用いられる細胞所見。2種類の組み合わせはいくつかあり、代表的なものは「リンパ球と腫瘍細胞」や「間質細胞と上皮細胞」などの組み合わせが挙げられる。
て
- 低分化
分化度が低いということ。病理分野で分化度と言えば一般的に【正常からのかけ離れ具合】を指す。例えば腺管構造は外分泌腺にみられる正常構造であるが、高分化、中分化、低分化、未分化と分化度が下がるにつれてそれらの構造が見えなくなる。 - 停留精巣
胎児期、腹腔内にある精巣が出生後も陰嚢内に下行していない疾患。悪性腫瘍の発生が3~4倍程度高いとされる。 - 泥状核
クロマチン構造を表す言葉の一つ。泥状核は核内構造が不明瞭な状態でスマッジ核とも呼ばれる。感染症、変性、癌など様々なものでみられる。 - ディッセ腔
肝臓に見られる血液と肝細胞の間にある空間。物質交換の場所で肝細胞の基底面と類洞内皮細胞、クッパ―細胞の基底面の間にある。小さく不規則な微絨毛が肝細胞の基底面からこの腔の中へ突き出ている。微絨毛によって肝細胞と血漿の間での物質交換に利用できる表面積が増加している。脂肪とビタミンAを取り込み蓄える伊藤細胞が存在する。 - デーデルライン桿菌
膣に存在するグラム陽性桿菌。膣粘膜細胞がもつグリコーゲンを栄養にして乳酸を産生することで膣内を産生に保つ。 - デカンテーション
遠心などにより沈査を作った後、容器を傾けて上清を廃棄する方法。 - デコイ細胞
腎移植、HIV感染など免疫不全状態時にみられやすい尿路系細胞にポリオーマウイルス(BKウイルス)が感染した細胞。核腫大やスマッジ核などがみられ、高異型度尿路上皮癌と鑑別を要することがある。SV40抗体を用いた免疫染色で陽性となる。 - デスモゾーム
細胞と細胞を繋ぐ接着構造の一つ。接着版とも呼ばれる。中間系フィラメントを介して細胞同士を繋いでいる。 - テレパソロジー
通信技術を用いて遠隔地から病理診断を行うこと。 - 出目金細胞
横紋筋肉腫の所見として使われる細胞所見。偏在した大きな2つの核を持つ細胞をこのように呼ぶ。 - 転移
病理分野では癌などが原発巣とは違う位置に病巣を形成すること。 - 転座
染色体の2か所が相互に入れ替わること。転座によって新たなつくられた遺伝子をキメラ遺伝子や融合遺伝子と呼ぶ。例えばEML4-ALK遺伝子などが該当する。 - 電子顕微鏡
光を当てる光学顕微鏡と違い電子線を当てて試料を観察する顕微鏡。光学顕微鏡の観察可能サイズは0.5µm程度であるが、0.数nmまで観察が可能である。薄切して試料断面を観察する透過型(TEM)と試料表面を観察する走査型の2種類がある。 - D2-40
リンパ管内皮細胞マーカーの抗体。ポドプラニンとも呼ばれる。 - DOG1
消化管間質腫瘍(GIST)のマーカー。c-kitやCD34の陽性率を上回るとされる。 - TNM分類
がんの進行状態を表す3つの因子。Tはがんの大きさや広がり、Nはリンパ節転移の有無、Mは遠隔転移の有無を示す。 - TTF-1(Thyroid transcription factor-1)
様々な腫瘍で陽性を示すが、肺腺癌のマーカーとして良く知られる。核に陽性を示す。
と
- ドーナツ細胞(核)
ドーナツのように核の中央付近に穴が開いたように見える細胞。未分化大細胞型リンパ腫で使われることが多い。 - トノフィラメント
ケラチンからなる中間系フィラメント。皮膚基底細胞の細胞質はこのフィラメントに富む。角質層はトノフィラメントが凝集したケラチンに満たされる。 - トリコモナス膣炎
トリコモナス原虫の感染によって生じる膣炎。 - トリプシノーゲン
蛋白分解酵素であるトリプシンの前駆体。膵臓から分泌される。 - トリヨードサイロニン
甲状腺から分泌されるホルモンの一つ。3つのヨウ素を有し、T3とも記載される。 - トロトラスト
X線診断用の血管造影剤の一つ。胆管癌、血管肉腫、肝細胞癌の発生に関与するため現在は使用されていない。 - トロホブラスト
胎盤の絨毛を構成する細胞で栄養膜細胞とも呼ばれる。単核のラングハンス型トロホブラスト(細胞性栄養膜細胞)と多核のシンチジウム型トロホブラスト(合胞体性栄養膜細胞)と中間型が存在する。 - 塗抹法
採取した細胞をスライドガラスに塗ること。①直接塗抹②引きガラス③すり合わせ④捺印⑤圧挫⑥吹き付け⑦たたきつけ⑧集細胞法などがある。 - 特異性
病理分野での特異性は免染などで特定のものだけに対して反応する性質を指すことが多い。 - 特異的エステラーゼ染色
エステラーゼは脂肪酸エステルや芳香族エステルを加水分解する酵素で血球に含まれる。特異的エステラーゼは高級脂肪酸エステルを分解するエステラーゼで顆粒球系を染める染色。非特異的エステラーゼ染色は単球系などを染める。 - 貪食(作用)
貪食能をもつ細胞(好中球、単球、マクロファージ、樹状細胞)が行う体に不要なものを食べること。
な
- 内因性酵素活性
内因性とは体の中に元々あるという意味。ペルオキシダーゼやアルカリフォスファターゼなどが免疫染色時に多用される内因性酵素が問題となる。内因性ペルオキシダーゼは過酸化水素、過ヨウ素酸、アジ化ナトリウムなどで除去でき、内因性アルカリホスファターゼはレバミゾールで除去できる。 - 内皮
血管やリンパ管の内腔を覆う単層扁平上皮細胞のこと。腹膜や胸膜を覆う単層扁平上皮細胞は中皮と呼ばれる。 - 内分泌腺
内分泌臓器が持つ内分泌するための腺構造。膵臓のランゲルハンス島などがそれにあたる。外分泌腺と異なり、導管が無い。血管にホルモンを放出するため血管が豊富。 - 内分泌顆粒
内分泌をするときのホルモンの顆粒。 - 内胚葉
発生時にみられる胚葉の一つ。多くは外と繋がるような呼吸器や消化器などがここから発生する。 - 捺印法(スタンプ法)
細胞採取法の一つ。リンパ節などの組織に割を入れ、その割面をスライドガラスに軽く押し付けてる方法。 - ナボット嚢胞
頸管腺の開口部が扁平上皮などでふさがれて粘液が貯留した状態。無症状のことが多い。 - 軟骨帽
骨軟骨腫にみられる骨端の軟骨に類似した組織をもつ隆起。 - 軟部腫瘍
臀部や皮下組織など南部にできる腫瘍。 - napsin A
肺のサーファクタの成熟に関与するプロテアーゼ。II型肺胞上皮細胞や肺胞マクロファージ、近位尿細管などに発現している。肺腺癌のマーカーとして使われることが多く、TTF-1よりも感度が高いとされる。
に
- 二核細胞
核が2つある細胞。異常な細胞で二核になることが多いが、肝細胞やアンブレラ細胞など正常でも二核の細胞が存在するので注意。 - 肉芽
ケガなどで損傷した部分を埋める組織のこと。線維芽細胞や毛細血管が多い。肉眼的に赤く顆粒状で軟らかい盛り上がりがある。 - 肉腫
非上皮性の悪性腫瘍のこと。 - 二次性腫瘍
放射線療法などが終わったあと数年から数十年後に元の病気と違う種類んポ癌が生じること。 - 二次卵胞
卵胞の成熟が進むと、卵胞上皮細胞が有糸分裂によって増加し、単層から多層になり、顆粒層と呼ばれる層を作る。この卵胞を二次卵胞と呼ぶ。 - 二重遠心法
血液が多い検体に対して2回遠心して細胞の回収率を高める方法。 - 二相性
特徴的な2種類の細胞が出現している場合を示す言葉。例えば乳腺線維腺腫の筋上皮と乳管上皮、ワルチン腫瘍の好酸性上皮細胞とリンパ球、胞状奇胎のラングハンス型、シンチジウム型トロホブラストなどの出現は二相性を示すと表現される。 - 二倍体
2組の染色体を持つこと。ヒトは通常2倍体であるが、部分胞状奇胎では2精子受精による3倍体が特徴とされる。 - 日母分類
1973年に作成された子宮頸部細胞診の報告様式。パパニコロウ分類がベースとなっており、陰性のクラスⅠ、炎症や感染症などのクラスⅡ、軽度異形成、中等度異形成のクラスⅢa、高度異形成のクラスⅢb、上皮内癌のクラスⅣ、浸潤癌のクラスⅤに分類される。 - 乳癌のサブタイプ分類
乳癌細胞の遺伝子発現プロファイルごとに“instrinsicサブタイプ”に分類でき、このサブタイプによって無治療時の予後が異なることが研究で分かった。その後、日常業務で遺伝子を検索するのは難しいため免疫染色などで代替した方法でサブタイプ分類を行っている。分類には①ER②PgR③HER2④Ki-67が用いられる。 - 乳腺
乳房を構成する組織の一つ。乳腺は乳管と小葉と結合組織からなる。 - 乳頭状
腺癌の増殖形態の一つ。中心に血管間質軸があり、その辺縁に腫瘍細胞が取り囲んだ状態を指す。 - 乳頭分泌物
乳管内発育の腫瘍でみられる分泌物。良性で得は乳管内乳頭腫、悪性では非浸潤性乳管癌、浸潤性乳管癌 乳管形成型などで覆い。 - 尿管
腎盂に繋がる中胚葉の管。腎盂に貯留したの尿がこの尿管を通って膀胱に到達する。 - 尿細管上皮細胞
腎臓にある近位・遠位尿細管の内腔を覆う細胞。単層立方上皮で覆われる。 - 尿細胞診報告様式パリシステム
尿細胞診における報告様式の一つ。①Inadequate②Negative③Atypical urothelial cells(AUC-US)(Low grade urothelial neoplasia)④Suspisious⑤High grade urothelial carcinoma⑥Other malignanciesに分けられる。 - 尿中バニリルマンデル酸
カテコールアミンの代謝産物。カテコールアミン酸性腫瘍である褐色細胞腫で尿中の増加がみられる。 - 尿路細胞診
尿路(腎臓、腎盂、尿管、膀胱、尿道)に対するっ細胞診のこと。 - 尿路上皮細胞
尿路にみられる上皮細胞。腎盂、腎杯、膀胱、尿管および尿道の一部が、この上皮で覆われている。尿の充満や通過の際に拡大すると細胞が扁平になり、横へずれて細胞層の数が減少し、2, 3層の扁平上皮のようになる。腔が空になると、10数層にも細胞が重なった厚い層となる。一番上の細胞は大型で、しばしば核を2つもち、被蓋細胞 umbrella cellとよばれる。このアンブレラ細胞があれば基本的には良性を考える。
ぬ
ね
- ネフロン
腎の機能単位とみなされる腎小体と尿細管からなる構造のこと。ネフロンは片腎に約100万個ある。 - 粘液
粘性のある液体のことで酸性粘液多糖類、酸性粘液、中性粘液がある。組織により産生する粘液が異なり、PAS、アルシアン青pH1.0、アルシアン青pH2.5の染まり方が変わる。この粘液の種類と染色の関係性が試験に出題されることがある。
粘液の種類と染色の関連についてはこちら - 粘液化生
粘液を持たない細胞が粘液を持つ細胞にへんかすること。子宮体部などでみられる。 - 粘液球
球状の粘液の塊のこと。腺様嚢胞癌などでよくみられる。 - 粘液空胞
粘液による細胞内外の空胞。粘液が透明である場合、そこが抜けた空胞状に見える。 - 粘液性背景
背景に粘液がみられる所見のこと。粘液性癌で顕著な粘液性背景を認める。多形腺腫のように間質性粘液が背景に見られる時にも粘液性背景と表現される。 - 粘液染色
粘液を染める染色法の総称。PAS反応、アルシアン青、ムチカルミンが代表的な粘液染色。間質性の粘液はギムザ染色でメタクロマジーを示す。 - 粘液融解法
蓄痰、保存痰などに使われる粘液を融解する方法。粘液融解後に遠心することで効率よく沈査を集めることができ細胞回収率が上がる。 - 粘膜関連リンパ組織
胃、腸管、肺などの粘膜にみられるリンパ組織。ここからMALTリンパ腫と呼ばれるB細胞性リンパ腫が発生する。胃に多い。
の
- 嚢胞
液状の内容物を入れた袋状の病変。肝臓、膵臓、乳腺、腎、口腔など様々な部分にできる。 - 嚢胞性疾患
嚢胞が生じる疾患のこと。例えば膵臓では膵管内乳頭状粘液性腫瘍、粘液性嚢胞腫瘍、漿液性嚢胞腫瘍、充実性偽乳頭状腫瘍などがある。 - 脳神経
脳に出入りする末梢神経。脳神経は12対存在する。1~12まで番号がついており、それぞれ何番でどこから出るかが重要である。
脳神経の解説はこちら - 脳脊髄液
脳室、くも膜下腔、脊髄などに存在する無色透明の液。脳や脊髄を衝撃を和らげる。脳室内の脈絡叢から産生される。脳脊髄液内になる細胞が壊れやすいため低回転数(1000rpm程度)、高回転時間(10分程度)で遠心して細胞を回収すると良い。
は
- バーベック顆粒
ランゲルハンス細胞がもつ顆粒。テニスラケット状の構造を示す。ランゲルハンス細胞組織球症でもみられる。 - パジェット細胞
Paget病で見られる広くて明るい細胞質をもった比較的大きい腺癌細胞のこと。メラニンを持つこともある。 - ハッサル小体
胸腺の髄質に見られる胸腺上皮細胞が同心円状に集まったもの。 - バッフィーコート
体腔液など液状の検体を遠心した際の赤血球層と上清の間に見られる層。癌などの有核細胞はそこに集まるため、細胞診ではバッフィーコートから細胞を採取する。 - パネート細胞
小腸の陰窩の基底部に見られる赤い顆粒を持つ細胞。抗菌作用のあるαディフェンシンやリゾチームなどを分泌する。 - パパニコロウ染色
細胞診検体に使われる染色方法の一つ。オレンジG、エオジン、ライトグリーンの分子量の違う3色によって細胞ごとの染め分けが可能となっている。透明性にも優れており、立体的な細胞をとらえる必要がある細胞診検体に適している。 - パパニコロウ分類
異型度によってClass I~Vに分類する当初子宮頸部細胞診に用いられた分類法。日本ではパパニコロウ分類を基本とした日母分類を用いていたが、現在は世界中でベセスダ分類が主流となっている。 - パリシステム
尿細胞診の分類法一つ。従来の方法と比べて、より高異型度尿路上皮癌の診断を主にした分類である。 - 花むしろ模様
細長い細胞が中心から放射状に配列したものがたくさんある構造をこのように呼ぶ。悪性線維性組織球腫や自己免疫性膵炎などでみられる。 - 播種
体腔や胸腔に種をまいたようにがん細胞が散らばること。 - 排卵
卵子が卵巣から卵管にでること。排卵が起きると残された卵胞は妊娠すれば黄体化が持続され、妊娠しない場合は線維化して白体となる。 - 排卵期
排卵が起きる時期。エストロゲンの作用がピークとなる。 - 杯細胞
粘液を多量に含んだ円柱上皮細胞。粘液によって核が圧排され強く偏在する。大腸ではこの杯細胞が多数みられる。呼吸器では杯細胞が増生して腺癌と鑑別が難しい時がある。 - 背景
主要な細胞以外の部分のこと。細胞診ではまず背景から観察し所見を書く。背景には炎症細胞、各種小体、壊死などがみられる。 - 肺がん検診
肺がん検診は基本的に胸部X線検査を行う。高危険群の人には喀痰細胞診検査が追加される。胸部X線検査は肺野部のがん(主に腺癌)、喀痰細胞診検査は肺門部のがん(主に扁平上皮癌)の早期発見を目的に行われる。細胞診では最も異型の高度な部分でA~Eの5区分に判定を分ける。 - 肺胞
下気道の呼吸細気管支あたりからみられる球状の袋のこと。肺胞ではI型肺胞上皮細胞とII型肺胞上皮細胞、Ⅲ型肺胞上皮細胞が存在し、I型はガス交換、II型はサーファクタント分泌、III型は化学受容器とした機能を主なものとしている。 - 肺胞上皮
肺胞にみられる上皮細胞。I型肺胞上皮細胞とII型肺胞上皮細胞、Ⅲ型肺胞上皮細胞が存在し、I型はガス交換、II型はサーファクタント分泌、III型は化学受容器とした機能を主なものとしている。 - 肺胞嚢
肺胞管から繋がる袋状の行き止まり部分。この行き止まりには肺胞がある。 - 剥離細胞診
尿や喀痰など検体が提出された時点で剥離した細胞の検体を対象とした細胞診のこと。剥離細胞診は剥離してから時間が経過していることがあるため擦過などの新鮮細胞よりも変性が加わっていることが多い。 - 白色上皮
コルポスポピーでみられる異常所見の一つ。酢酸加工後に見られる所見で、軽度所見と高度所見が存在する。 - 白体
卵巣の中にある構造物で排卵後に残った卵胞の細胞が黄体化後に線維化したもの。 - 判定区分
細胞診の判定をするうえで用いられる区分。たてばパパニコロウ分類や日母分類、ベセスダシステムなどがある。臓器ごとに設定された特徴的なものもいくつかある。 - 反応性異型細胞
異型はあるが、悪性ではない細胞。炎症など何かに反応して異型を示すためがん細胞との鑑別が難しいときがある。例えば異型尿路上皮細胞や異型扁平上皮細胞などである。 - 反応性中皮細胞
悪性ではなく、体腔液貯留などに伴って反応性に様々な変化を起こした中皮細胞。通常体腔液を採取する際は反応性中皮細胞がみられる。一方、腹腔洗浄などで無理やり剥離させた場合は静止期中皮と呼び、反応性中皮よりも重積などが少なくシート状に出現する。 - 葉巻状核
細長い核の両端が鈍角になっている状態のこと。平滑筋腫瘍に特徴的とされる。 - 瘢痕
線維性分などで修復された傷口部分のこと。 - 胚中心
リンパ節などの免疫組織に見られる構造。B細胞の増殖や消失などが行われる部分。 - HER2
増殖に関するHERファミリーの2番目である(ちなみにHER1はEGFR)。乳がんや胃がん、胆管がん、すい臓がんなど様々な臓器で高発現がみられる。分子標的治療薬としてトラスツヅマブ(ハーセプチン)が存在する。
ひ
- ヒアルロン酸
グリコサミノグリカンの一種。保水性が高く水分を保持するため粘性がある。アルシアン青染色やコロイド鉄染色に陽性を示す。ヒアルロニダーゼで消失する。病理細胞診領域では特に中皮関連の疾患で検出することが多い。 - ビスマルクブラウン
パパニコロウ染色のEA-50液に含まれる塩基性色素。細胞質の染色には関与せず類脂質やカンジダの染色に関与するとされる。 - ヒトパピローマウイルス
DNAウイルスで子宮頸がん、肛門がん、膣がん、中咽頭がんなどの発生に関与する。HPV感染細胞所見として、コイロサイトーシス、多核、巨細胞、スマッジ核、錯角化を特徴とする。HPV感染がみられる癌細胞などでは、p53分解を促進して細胞周期を進行させるE6と癌抑制遺伝のを不活化するE7が発現しており、癌化に関与している。低リスクHPVとして6型、11型、高リスクHPVとして16型、18型、31型、33型、35型、45型などがある。p16が感染マーカーとなる。 - ヒト絨毛性ゴナドトロピン
妊娠に伴って増加するホルモン。胎盤を構成する絨毛の合胞体性栄養膜細胞(シンチジウム型トロホブラスト)から産生される。 - びまん性
病変が広範囲に人がっていることを示す用語。例えば広範囲に間質などが侵されるびまん性肺疾患などがある。 - ビメンチン
間葉系細胞のみられる中間系フィラメント。具体的には線維芽細胞、血管内皮細胞、平滑筋細胞、横紋筋細胞、骨・軟骨細胞、星細胞などに分布する。上皮性腫瘍と間葉系腫瘍の鑑別などに有効。 - ヒュルトレ細胞
甲状腺に見られる細胞で好酸性顆粒状の細胞質を示す。濾胞性腫瘍や慢性甲状腺炎などでみられる。 - びらん
粘膜層が欠損し、赤く見える状態のこと。性成熟期の子宮頸部で円柱上皮部分が膣側に移行してびらん様に見える状態を偽びらんと呼ぶ。 - ビリルビン
赤血球が持つヘモグロビンの構成物であるヘムの代謝産物。肝臓でグルクロン酸抱合されていないものを非抱合型、されたものを抱合型とよぶ。 - 引きガラス法
塗抹法の一つ。粘性の低い検体を引きガラスで薄く伸ばす方法。ガラスの角度を小さく、ゆっくり引くと塗抹が長くなり、角度を大きく、速く引くと塗抹が短くなる。 - 日和見感染
宿主の免疫力が低下した時に感染、発症する感染症。AIDSやカポジ肉腫などがある。 - 肥大
組織を構成する細胞の数は変わらずに細胞一つ秘湯が大きくなって組織が大きくなること。心肥大やや片腎摘出後の代償性の腎肥大などがある。 - 肥満細胞
マスト細胞とも呼ばれアレルギーに関与する。IgE受容体を持つためIgEと結合し、プロスタグランジンやヒスタミンなどのケミカルメディエーターを分泌する。 - 被蓋細胞(アンブレラ細胞)
尿路上皮の最外層に見られる細胞質が広い細胞。正常でも多核のものが存在する。泌尿器検体の細胞診で細胞集塊にこの細胞が見られた場合は良性を考える。 - 非機能性
内分泌組織の腫瘍でホルモン活性がみられないもの。活性がみられるものは機能性と呼ばれる。例えば下垂体腺腫の機能性・非機能性などがある。 - 非上皮細胞
上皮以外の線維芽細胞、筋細胞、骨細胞などの総称。上皮細胞と違い結合性を持たない。 - 非浸潤癌
基底膜を破っていない癌のこと。子宮頸部上皮内癌、上皮内腺癌、ボーエン病などがある。浸潤癌に比べると異型が弱いことが多く、転移も見られないことが多い。 - 非特異的エステラーゼ染色
エステルを分解する酵素(エステラーゼ)の中でも低級脂肪酸エステルに作用するエステラーゼを使った染色のこと。単球系や巨核球系の細胞が陽性となる。 - 微小癌
癌巣の大きさが小さいものをいう。甲状腺に多く、甲状腺では1cm以下のものを微小癌とする。 - 微絨毛
細胞膜ひょうめんにみられる微細な突起。小腸の上皮や尿細管上皮などにみられ、表面積を広げるのに役立っている。 - 表層細胞
層になっている細胞の一番上、最外層にある細胞を指す。重層扁平上皮の細胞や尿路上皮のアンブレラ細胞も表層細胞と言える。 - Bcl-2
名称はB Cell /CLL lymphoma 2に由来し、アポトーシスに関与する。BadやBaxなどに拮抗してミトコンドリアの膜電位を保つ方向に働き、シトクロムcなどの放出を抑制する。濾胞性リンパ腫でt(14;18)(q32; q21)によってクローニングされた。濾胞性リンパ腫で高発現することが有名だが、その他のリンパ腫でも発現している。 - B型肝炎ウイルス
肝炎を引き起こすDNAウイルス。血液や体液を介して感染し、肝硬変、肝癌に進行する可能性がある。 - p40
肺扁平上皮癌のマーカーとして有名な核に染まるがん抑制遺伝子。 - p53
癌抑制遺伝子でアポトーシスやDNA修復など様々な役割を果たす。多くの癌で異常発現がみられる。 - p63
前立腺などの基底細胞に陽性を示すマーカー。前立腺癌では基底細胞が消失するためマーカーとして使える。 - PAS反応
粘液や基底膜、グリコーゲンなど多種多様な物質を染める染色。対象物を過ヨウ素酸で酸化し、生じたアルデヒドにシッフ試薬を反応させて赤色に呈色させる。 - PD-L1
細胞の表面に発現する蛋白で免疫細胞を抑制する働きを持つ。肺癌や悪性黒色などいくつかもがんで発現が見られ、分子標的治療薬キイトルーダが適応となる。
ふ
- ファーター乳頭
胆管と膵管が合流して十二指腸に開口する部分。胆管と膵管は十二指腸壁内で合流し、壁内のOddi括約筋によって逆流が防がれる。 - ファゴット細胞
急性骨髄性白血病のM3である前骨髄球性白血病さいぼうにみられる束状のアウエル小体を持った細胞。 - フィサリフォラス細胞
脊索腫にみられる空胞状の細胞質を持った細胞。日本語では担空胞細胞と呼ばれる。 - フィラデルフィア染色体
9番と22番の染色体の転座によっておこる異常な染色体。この転座によってBCR-ABLというキメラ遺伝子がつくられる。慢性骨髄性白血病や急性リンパ性白血病などで見られる。 - フィルター法
細胞塗抹法の一つ。ポアフィルター法、膜濾過法とも呼ばれ5~10μm程度の孔が開いたフィルターを通して癌細胞などの大きな細胞をフィルター上に捕捉する。そのフィルターごとスライドガラスのせて塗抹し、封入する。 - 封入体
細胞内や核内に見られる特殊な構造物のこと。例えばヘルペスウイルス感染細胞などにみられる好酸性封入体、好塩基性封入体などがある。 - フォイルゲン反応
DNAをシッフ試薬で呈色する染色法。1N塩酸で加水分解し、生じたアルデヒド基にシッフ試薬で呈色する。DNAの定量性があるとされる。 - 不完全型腸上皮化生
パネート細胞を欠く腸上皮化生。完全型は吸収上皮、杯細胞、パネート細胞の3つがそろう。 - 副細胞
胃底腺に存在する粘液を分泌する細胞。 - 腹腔洗浄細胞診
術中迅速中に腹腔内を生理食塩水で洗浄する方法。播種していないかどうかを確認する。腹腔洗浄細胞診をしていない場合はCYX、腹腔洗浄細胞診が陰性の場合はCY0、腹腔洗浄細胞診が陽性の場合はCY1となる。 - 腹水
腹腔内に貯留した液体。癌などに関連する浸出液と循環障害による漏出液の2つに分けられる。 - 腹膜播種
胃や卵巣などにある腫瘍が腹腔内に散らばり腹膜に定着した状態。 - 不顕性感染
細菌やウイルスに感染はしているが、症状が出ていない状態。 - ブルンネル腺
十二指腸腺とも呼ばれ、粘膜下層に存在する。アルカリ性の粘液を出し、胃からの酸性物質を中和する。 - フローサイトメトリー
散乱光や蛍光を利用して細胞一つずつの測定を行う方法。細胞周期、アポトーシスなどの解析や細胞分取を行うことができる。 - フロント
子宮頸部上皮内腺癌に見られる正常部分と異常部分の境界のこと。 - プロゲステロン
女性ホルモンの一つで黄体から分泌される。子宮内膜やらせん動脈の肥厚を起こす。内膜戦は鋸歯状に変化する。膣では中層細胞が優位になる。 - プロモーター
イニシエーターを促進させる物質。発癌の過程ではまずイニシエータが働き、次にプロモーターが作用する。 - 分化
未分化な細胞が成熟した細胞に変化していくこと。例えば重層扁平上皮の基底細胞が表層細胞に変化していくなど。 - 分解能
顕微鏡の能力の一つ。ごくわずかに離れた2つの点を2つとして見分けうる最小間隔として定義される。つまりどれだけ近くにある2つのものをくっ付いていないと認識できるかということである。対物レンズの倍率が高いほど分解能が良い。 - 篩状構造
細胞所見の一つ。細胞集塊内に粘液や腺腔などによる腔がいくつも散見される状態。腺様嚢胞癌でよく見られる。
へ
- 平滑筋
消化器や血管などに存在する不随意筋(自分で動かせない筋肉)。 - 平滑筋細胞
平滑筋を構成する細胞。横紋筋と違い核が中心に位置する。 - 平静時中皮細胞
通常時の中皮細胞。静止期中皮とも呼ぶ。細胞診では腹腔洗浄を行ったときに見られやすい。シート上で異型はみられない。これに対し体腔液貯留などによって反応した中皮を反応性中皮細胞と呼ぶ。 - 壁細胞
エオジン好性顆粒を細胞質に持つ胃底腺にみられる細胞。塩酸とビタミンB12の吸収に関与する内因子を分泌する。胃を全摘すると内因子の分泌が行われず赤血球の成熟がうまくいかないため悪性貧血を引き起こす。 - 壁側胸膜
二重になっている胸膜のうち臓器側では無い外側の胸膜。中皮腫は壁側から発生することが多い。 - ベセスダシステム
子宮頸部やなどの領域で採用されている細胞診断の分類法。どの領域でも検体の適、不適を記載する必要がある。直接塗抹では判定に耐えうる扁平上皮細胞は8000~12000個、LBCでは5000個以上ないと不適正となる。子宮頸部ではHPVを重視した分類になっており、NILM、ASC-US、LSIL、ASC-H、HSIL、SCC、AGC、AIS、Adenocarcinoma、Other maligの10種類に分類される。ASC-USは全報告の5%以下、ASC-Hは全ASCの10%以下が望ましいとされる。 - ヘマトキシリン・エオジン染色
HE染色とも呼ばれ、組織検査では一般的な染色法。ヘマトキシリンで核を染め、エオジンで細胞質を染める。 - ヘモジデリン
赤血球のヘモグロビンに由来する黄褐色顆粒で鉄を含む。ベルリン青で陽性となる。へもじでりんが過剰に沈着する疾患をヘモジデローシスと呼ぶ。 - ヘリコバクターピロリ(Helicobacter pylori)
グラム陰性のらせん状桿菌。鞭毛をもつ。ウレアーゼを出して胃中の尿素をアンモニアと二酸化炭素に変える。このアルカリ性のアンモニアで胃酸から自分を守る。胃壁に悪さをして腸上皮化生や萎縮粘膜を引き起こし最終的に慢性胃炎を起こす。そこから特にMALTリンパ腫が発生する。有効な染色としてギムザ染色、ワルチン・スターリー染色、トルイジン青、ギムザ染色などがある。 - ベルリン青染色
3価の鉄を染める染色。フェロシアン化カリウムと3価の鉄イオンを結合させてベルリン青を作らせることを原理とする。赤くはケルンエヒトロートで赤く染める。 - 偏光顕微鏡
複屈折性のある物質を検出するのに有効な顕微鏡。複屈折性のある物質(偏光顕微鏡が有効な物質)には①アミロイド②ピロリン酸カルシウム③尿酸ナトリウムなどがある。 - 変性
核や細胞質などが内外からの刺激によって構造的な変化を示すこと。細胞が他の細胞に変わるのではなく、細胞はそのままで細胞内外に変化が起きる。例として普段脂肪が目立たない細胞に脂肪がたまる脂肪変性などがある。 - 扁平円柱上皮境界部
Squamo columnar junctionの頭文字を取ってSCJとも呼ばれる。扁平上皮と円柱上皮に移行部のことで、基本的には子宮頸部に用いる。子宮頸がんの好発部位として知られる。 - 扁平上皮化生細胞
円柱上皮が刺激によって扁平上皮様細胞に変化したもの。細胞診でみると、多稜形で、ライトグリーン好性の厚い細胞質を有し、シート状、敷石状あるいは孤立散在性に出現する。しばしば細胞突起がみられる。核は類円形、中心性で軽度に腫大し、核小体を認めることがある。クロマチンの増量はみられない。 - 扁平上皮細胞
扁平な上皮細胞。単層扁平上皮細胞と重層扁平上皮細胞があり、前者は血管、リンパ管、胸膜、腹膜の上皮として知られる。後者は皮膚、膣、口腔など刺激が強い部分の上皮として知られる。さらに後者は角化型と非角化型があり、角化型は表層上皮が脱殻して剥離する。 - Herring bone pattern
魚骨様形態とも呼ばれる細胞配列・組織配列パターンの一つ。線維肉腫でみられる。 - Verocay body
観観平配列とも呼ばれ、柵状に並んだ細胞が向き合った状態で配列する細胞配列・組織配列パターンの一つ。神経鞘腫でみられる。
ほ
- 放線菌症
狭義ではアクチノマイセスの感染、広義ではノカルジアの感染も含まれる。前者は通生検規制のグラム陽性桿菌。後者は変性光輝性のグラム陽性桿菌。 - 泡沫細胞
組織球のこと。細胞質が泡沫状に見えるためこのように呼ばれる。 - 泡沫状
細胞質が淡染し、泡状に見える状態。組織球でよくみられる。 - 膀胱
尿管と尿道の間にある尿を貯留する器官。ほとんどは内胚葉だが、膀胱三角部分は中胚葉である。上側を頂部、下側を頸部とよび、頂部は尿膜管癌の好発部位である。膀胱癌は側壁や後壁に好発する。 - 蜂巣状構造
円柱上皮細胞が示す構造の一つ。円柱状の細胞が集塊状なっている時に上から見ると蜂巣状構造にみえる。これをTop viewと呼ぶ。細胞質が豊富で核が中心性に見える。細胞境界が明瞭でハチの巣のように見えるためこのように呼ばれる。 - 傍基底細胞
上皮層の下の方にある細胞で、重層扁平上皮の基底細胞の上に存在する。子宮頸部などの細胞診では最下層の基底細胞と区別がほぼつかないため同等の細胞として扱われることもある。 - 傍皮質領域
リンパ節にある皮質と髄質の間にある層。この層は共染依存域とも呼ばれTリンパ球が多く存在する。 - 膨張性増殖
圧排性増殖とも呼ばれ、周囲の組織を押しのけるように、広げるようにして増殖していく増殖様式の一つ。基本的に良性腫瘍はこの増殖様式であるが、悪性腫瘍は膨張性増殖および浸潤性増殖を示す。 - ホーマー・ライト型偽ロゼット(Homer-wright pseudo rosette)
中央に腔が無いロゼットのことで髄芽腫などでみられる。 - 墨汁法
クリプトコッカスの検出に有効な染色の一つ。クリプトコッカスは莢膜を持つため、墨汁をはじく。するとクリプトコッカスだけ染色されないため検出できる。 - 星空像(starry-skay appearance)
バーキットリンパ腫の組織所見の一つ。暗く染まる多数の腫瘍細胞の中に明るく見える組織球が存在するため、その組織球を星になぞらえての所見である。 - ホジキン細胞
古典的ホジキンリンパ腫で見られる単核の大型細胞。核小体が目立つ。結節性リンパ球優位型ではみられない。CD15とCD30が陽性となる。 - ポップコーン細胞
けs説性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫にみられる分葉状核をもつ異型細胞。核小体は小さい。CD20陽性でCD15,CD30は陰性。 - ホブネイル状
卵巣や子宮体部などに発生しやすい明細胞癌の細胞・組織所見の一つ。核が偏在した腫瘍細胞が放射状に突出したような状態を示す。 - ポリマー法
免疫染色の方法の一つ。高分子ポリマー法使用することによりたくさんの標識物質を付けられるようになり感度が上がる。分子量が大きいため浸透率は悪いことがある。 - ホルモン細胞診
膣・子宮頸部における女性ホルモンの影響を見る細胞診。細胞成熟度指数(M.I.)、エオジン好性指数(E.I.)、核濃縮指数(K.I)がある。M.I.は傍基底細胞/中層細胞/表層細胞の順に100個中の数を表記。傍基底優位を左方移動、中層優位を中央移動、表層優位を右方移動と呼ぶ。E.Iはエオジン好性細胞/ライトグリーン好性細胞の順に100個中の数もしくはエオジン好性細胞のみの比率を%で表記。K.I.は表層細胞/中層細胞の100個中の数もしくは表層細胞のみの比率を%で表記する。
ま
- マイクロフィラメント
細胞骨格の一つ。約7nmで細胞骨格中では最も細い。アクチンで構成される。 - 膜濾過法
細胞塗抹法の一つ。ポアフィルター法、フィルター法とも呼ばれ5~10μm程度の孔が開いたフィルターを通して癌細胞などの大きな細胞をフィルター上に捕捉する。そのフィルターごとスライドガラスのせて塗抹し、封入する。 - マクロファージ
白血球の一種で遺物を貪食する能力を持つ。同類の細胞があらゆる場所に存在し、場所によって名前が変わる。血液:単球、肝臓:クッパー細胞、肺胞:塵埃細胞 or 肺胞組織球、脳:小膠細胞など。 - 末梢神経
脳と脊髄以外の神経を指す。脳と脊髄の神経は中枢神経と呼ばれる。末梢神経で髄鞘を形成するのはシュワン細胞である。 - マラコプラキア
細菌感染による慢性肉芽腫性炎症疾患。原因菌としてはE.coliが最も多く、Aerobacter、Klebsiella、Enterobacter、Proteus、Pseudomonasなどがある。その原因や病理発生は明確ではないが、大腸菌属の感染およびマクロファージの殺菌作用の低下・欠如が考えられている。組織学的には好酸性顆粒状胞体をもつ大型マクロファージの集簇とその細胞内外にカルシウムと鉄の沈着を伴った層状同心円状構造を有する小球(Michaelis-Gutmann bodies)の出現を特徴とする。この小体はPAS染色、鉄染色、コッサ反応陽性。 - マリモ状
丸く集塊状になった細胞集塊を指す。腺癌で見られる構造の一つである。 - マリモ状集塊
まりも状と同義。丸く集塊状になった細胞集塊を指す。腺癌で見られる構造の一つである。
み
- ミカエリス・ガットマン小体
マラコプラキアで見られる小体。大型マクロファージの細胞内外にカルシウムと鉄の沈着を伴った層状同心円状構造を有する小球(Michaelis-Gutmann bodies)のこと。この小体はPAS染色、鉄染色、コッサ反応陽性。 - ミスマッチ修復遺伝子
体の中にはDNAのミスを修復することができる機構が存在する。そしてその機構を動かすタンパクが存在する。そのタンパクに関連する遺伝子をミスマッチ修復遺伝子と呼ぶ。その遺伝子としてMSH1、MSH6、MLHなどが存在する。 - ミトコンドリア
内膜と外膜の二重膜構造を持つ細胞小器官の一つ。ATP産生やアポトーシスなどを行う。 - ミラーボール状
明るく広い細胞質を持つ腺細胞が球状集塊になった状態。明細胞癌でよくみられる。 - ミュラー管
発生時に出現するもので、卵管、子宮、膣の上部を形成する。
む
- ムチカルミン染色
基本的な染色対象は上皮性粘液とクリプトコッカスである。染色性はアルシアン青染色のpH2.5に近いが、間葉系の酸性粘液多糖類の染色は弱い。カルミン色素がアルミニウム塩と化合するとムチカルミン色素(塩基性色素)となる。このムチカルミン色素が多糖類の酸性基とイオン結合する。 - ムチン
粘液の主成分である糖タンパクで粘性がある。粘液の種類としては酸性粘液多糖類、酸性粘液、中性粘液の3つがある。それぞれの染色でアルシアン青とPAS反応の染まり方に違いが出る。
粘液とアルシアン青、PAS反応の関係性はこちら
め
- メイグリュンワルド・ギムザ染色
塩基性色素のメチレン青と酸性色素のエオジンが含まれる。メチレン青は酸化されるとアズールA、アズールBな異なる色調の色素が生じる。このことをロマノフスキー効果と言い、この染色の最大の特徴である。また、この効果によって本来の色調と異なる染色性を示すものを異染性(メタクロマジー)と呼ぶ。透過性が悪く、厚い標本や重積集塊の観察には不向きである。パッペンハイム染色とも呼ばれる。 - メセナミン銀
硝酸銀水溶液、メセナミン水溶液、ホウ砂、蒸留水からつくられる銀液。グロコット染色やPAM染色で用いられる。 - メタクロマジー
ロマノフスキー効果によって本来の色調と異なる染色性を示すものを異染性(メタクロマジー)と呼ぶ。ギムザ染色でみられる。 - メラニン
メラノサイトが産生する褐色の顆粒。シュモール染色やマッソン・フォンタナ染色で染めることができる。 - 免疫細胞化学染色
細胞内外にある蛋白に色を付けて可視化する方法。蛋白に対して抗体を結合させる免疫反応を用いるためこの名がつく。抗体の数や色を付ける方法によっていくつか種類がある。
免疫染色の種類と特徴の解説はこちら
も
- モールディング
相互圧排像とも呼ばれ、細胞同士が並んでさらにお互いが押し合っている状態。小細胞癌や浸潤性乳管癌 硬性型などでみられる。 - 毛細胆管
肝細胞間にある胆汁を流す細い管。集合して最終的に左右の肝管を通って肝臓から出ていく。 - モザイク
コルポスコピーの所見の一つ。血管によってモザイク模様を示す限局性の異常病変で酢酸加工によって出現する。
や
- 八つ頭状
腺癌に見られやすい細胞集塊所見の一つ。集塊からいくつか分岐が見られるような状態を指す。
ゆ
- ユークロマチン
クロマチンの種類の一つ。クロマチンはヒストンタンパクに巻き付いて核内に収納されているが、このヒストンへのまきつきが緩い状態のクロマチン。転写因子が結合する部位があるため、転写が活発な細胞(腺細胞など)で見られやすい。 - 有核細胞層
遠心分離した際にみられる核を持つ細胞が集まる層。バッフィーコートとも呼ばれる。 - 有糸分裂
真核細胞が分裂するときの核分裂様式の一つ。細胞周期のM期に入ると染色体を形成し、防水紙によって左右に引っ張られて分裂する。細胞診では有糸分裂している細胞をみることがあり、その細胞が多く見られるのは増殖が活発で悪性度の指標の一つとなることがある。mitosisとも呼ぶ。 - 有棘細胞層
皮膚に見られる層の一つ。デスモソーム結合が顕著でトゲトゲに見える。 - 油浸対物レンズ
油浸を用いて屈折率を変更する100倍の対物レンズ。油浸レンズのカラーコードは黒である(100倍は白)
よ
- 溶血
赤血球が壊れること。細胞診検体では赤血球が多数含まれる場合がある。その場合は溶血処理を行うと細胞を効率的に回収できる。 - 溶血処理
細胞診検体では赤血球が多数含まれる場合があり、その際に赤血球を破壊して細胞回収率を上げる方法。①0.9%塩化アンモニウム溶液②1.2%週酸アンモニウム溶液③1%サポニンなどがある。 - 予備細胞
円柱上皮の基底部に存在する分化能を持つ細胞。慢性刺激などがあると予備細胞増生を起こす。
ら
- ライソゾーム(リソソーム)
細胞小器官の一つ。酸性の加水分解酵素を持ち、遺物の消化を行う。消化できなかったものは残渣小体と呼ばれ、リポフスチンとして沈着する。 - ライディッヒ細胞
間細胞とも呼ばれ、精巣の曲精細管の間に存在する。HE染色ではエオジンに好染する。テストステロンを産生する内分泌細胞である。核が丸明るく、大きな核小体が目立つ。細胞質には蛋白結晶のラインケ結晶を認める。 - ライトグリーンSF
細胞質などを染める酸性色素。パパニコロウ染色の細胞質を染める色素としては最も分子量が大きい。グロコット染色の背景を染める液としても使用される。 - ラインケの結晶
ライディッヒ細胞の細胞質に見られる棒状のタンパク質結晶。 - 裸核
細胞質が狭いか消失して核だけになっている(もしくはそう見える)状態のこと。 - ラズベリー小体
明細胞癌でみられる細胞集塊の中心にみられる基底膜様物質。ギムザ染色で異染性を示す。伊藤小体とも呼ばれる。 - ラッセル小体
多発性骨髄腫などの形質細胞腫瘍でみられる細胞質内の小体。免疫グロブリンの塊とされる。 - ラテント癌
防護の解剖によって初めて見つかった癌のこと。前立腺癌や甲状腺癌に多い。 - ラトケ嚢胞
胎生期に発生する下垂体前葉をつくるラトケ嚢が遺残して嚢胞化したもの。 - ラブドイド細胞
小児腎腫瘍の一つとして報告された悪性ラブドイド腫瘍にみられた特徴的な細胞。豊富な好酸性の細胞質と核小体が目立つ類円形の腫大した核をもつ。細胞質には中間系フィラメントの封入体がみられる。ビメンチンが陽性となる。 - ラミニン
基底膜を構成する蛋白のひとつ。上皮細胞を基底膜に結合させている。 - 卵管
卵巣からでた卵子を子宮まで運ぶ管。卵巣側から漏斗部、膨大部、峡部、間質部(子宮部)に分けられる。上皮は単層円柱上皮で被覆され、線毛細胞と分泌細胞で混在する。 - 卵管上皮化生
子宮内膜などで見られる化生性変化で線毛がみられる。 - ラングハンス巨細胞
マクロファージが融合したもの。核は多核で馬蹄形に並ぶ。結核などの特異性で見られる。 - ランゲルハンス島
膵臓にみられる内分泌腺。グルカゴンを分泌するA細胞、インスリンを分泌するB細胞、ソマトスタチンを分泌する、ガストリンを分泌するG細胞、ポリペプチドを分泌するPP細胞などが存在する。ランゲルハンス島細胞の腫瘍はホルモンを産生する機能性と産生しない非機能性が存在する。 - 卵巣腫瘍
卵巣に出来る腫瘍。大まかに分けると上皮性腫瘍、性索間質性腫瘍、胚細胞腫瘍に分類され、それぞれに良性、境界悪性、悪性が存在する。細胞診試験を受ける人はどこにどの腫瘍が分類されるかを覚えたい。 - 卵巣様間質
膵や胆管の粘液性嚢胞腫瘍でみられる紡錘形細胞が密に増生した間質。 - 卵胞
卵母細胞とそれを取り囲む卵胞上皮細胞のこと。原子卵胞、一次卵胞、二次卵胞、グラーフ卵胞と成熟していく。二次卵胞から卵胞上皮細胞が多層化し、顆粒膜細胞、莢膜細胞、外卵胞膜細胞に包まれる。顆粒膜細胞の間には卵胞液を入れた小間隙がみられ、それをコール・エクスナー小体と呼ぶ。
り
- リード・ステルンベルグ細胞
ホジキン細胞に見られる大きい2核の細胞。この核は鏡に映ったように対照的に見えるため鏡面像とよばれる。 - リガンド
受容体(レセプター)に結合する物質のこと。 - 立方上皮細胞
円柱上皮より少し背の低い立方状の細胞。尿細管上皮や甲状腺濾胞上皮などがこれで構成される。 - リパーゼ
膵液中に見られる中性脂肪を加水分解する酵素。 - リボソーム
大小のサブユニットで構成される細胞小器官で膜構造をもたない。RNAが作ったrRNAと蛋白で構成される。mRNAから蛋白を合成する。 - 良性
死に至ることのない疾患の総称。良性腫瘍は浸潤性増殖ではなく圧排性増殖を示す。 - 臨床進行期分類
がんがどの程度まで進行しているかを病巣の広がり具合や大きさによってステージングしたもの。 - リンパ球
白血球の種類一つ。主に液性免疫に関与するB細胞と主に細胞性免疫に関与するT細胞、NK細胞などが存在する。細胞の種類によって異なるCD抗原をもち、CD1、CD2など数字が一桁のものはT細胞が多く、CD20、CD30など数字が2桁のものはB細胞が多い。 - リンパ腫
リンパ腫というと悪性リンパ腫のことを指すことが多い。リンパ球が腫瘍化したもの。B細胞リンパ腫、T/NK細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫に大別される。種類によって悪性度が異なる。 - リンパ節
リンパ管とリンパ管を繋ぐ組織で遺物の除去など免疫反応を起こす。一方から数本の輸入リンパ管が侵入し、他方(門と呼ばれるくぼんだ部分)から輸出リンパ管が出ている。門の部分には血管と神経も出入りしている。リンパ節の表面は被膜で覆われている。リンパ節の実質は大ざっぱに皮質と髄質に分けられる。皮質とは被膜に近い部分を指し、髄質とはリンパ節の中央部から門にかけての部分を指す。皮質と髄質の間は傍皮質と呼ばれる。皮質のリンパ濾胞と髄質にはB細胞が多く、傍皮質にはT細胞が多い。 - リンパ組織
免疫の反応を起こす組織をリンパ組織と呼び、骨髄や胸腺のようにリンパ球の産生、分化、増殖などに関わる組織を一次リンパ組織と呼び、リンパ節、脾臓、一部の腸管、扁桃腺など免疫反応を起こす組織を二次リンパ組織と呼ぶ。 - Lymphoglandular body
リンパ球が多い組織に見られる細胞所見の一つ。細胞質の破砕物だと考えられており、背景の無構造物質として観察される。悪性リンパ腫で多いとされるが、良性疾患でも出現する。
る
- 類でんぷん小体
大脳や前立腺などにみられる球状物質。 - 類円形
細胞や核の形を表す言葉。比較的円形に近いことを示す。多くの場合は類円形であれば核異型に乏しいことが考えられ良性のことが多いが、類円形を特徴とする悪性腫瘍もあるため注意。 - 類骨
骨をつくる時に骨芽細胞がつくる石灰化していない骨の基盤となるもの。 - 類上皮細胞
特異性炎などでみられる上皮様の形態に変化したマクロファージのこと。 - 類洞
肝臓の肝細胞索と肝細胞索の間に見られる洞様毛細血管。クッパー細胞が存在する。
れ
- レセプター
受容体とも呼ばれる。細胞膜や細胞質、核に存在し、ホルモンなどのタンパクを受け取る皿のような役割を果たす。受容体に結合する蛋白をリガンドと呼ぶ。
ろ
- 漏出液
体腔液の種類の一つ。うっ血などの循環障害によって貯留した体腔液は漏出液で、①外観が透明~淡黄色②比重が1.015以下、蛋白量が3g/dL以下④リバル多反応陰性⑤細胞数が少数などの特徴がある。これらの性状と反対のものは滲出液と呼ばれる。漏出液は濾出液とも呼ばれる。 - ローピーコロイド
甲状腺乳頭癌に見られる細く伸ばされたコロイド。 - ロゼット
神経系腫瘍でみられる構造。腫瘍細胞が中心から放射状に配列する。中央に腔があるものを真正ロゼット(Flexner-Wintersteiner rosette, Ependimal rosette)と呼び、中央に腔が無いもの(Homer-Wright peseudo rosette)や中央に血管腔があるもの(Perivascular pseudo rosette)は偽ロゼットと呼ばれる。 - 濾胞過形成
反応性濾胞過形成とも呼ばれ、胚中心を持つリンパ濾胞からなる非腫瘍性のリンパ性疾患。反応性のリンパ性疾患は小型リンパ球が多数みられる。 - 濾胞樹状細胞
リンパ濾胞の胚中心に存在する樹枝状の細胞。B細胞に対して抗原提示を行う。
わ
- ワイベル・パラーデ顆粒
血管内皮細胞が持つ顆粒。フォン・ウィレブランド因子などを含み、血液凝固に関与する。 - ワルダイエル咽頭輪
口腔と鼻腔の後方開口部を囲む集合リンパ小節の総称。、口蓋扁桃・耳管扁桃・咽頭扁桃・舌扁桃よりなり、これらをを面から見ると輪状に配置されている。 - ワルチン・スターリー染色
スピロヘータやヘリコバクター。ピロリ菌を染める染色。硝酸銀でこれらの菌を黒く染めだす。
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