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染色法
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【グリメリウス染色】硝酸銀を使って内分泌系を染める染色をイラスト試験対策!

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ぜぶら
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この記事には試験突破のために必要なグリメリウス染色の情報を全て詰め込みました。
ゴロや国試問題もあるので最後までみていってください!

グリメリウス染色で覚える4つのポイント

グリメリウス染色のポイント4選
  1. 硝酸銀を使う
  2. 加温する
  3. 神経内分泌腫瘍に有効
  4. 好銀性・銀親和性細胞を両方染色可能
ぜぶら
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グリメリウス染色と聞いたらこれを思い出せるようにしておこう!
試験突破だけを考えるならこの4つを暗記でもOKだよ。

この記事ではこの4つのポイントを1つずつ解説していきます。

グリメリウス染色の全体像

染色は全体の流れを何となく把握すると理解しやすくなります。
サラッと見ておきましょう。
※水洗は省略

  1. 脱パラ・脱キシ・親水
  2. 硝酸銀液 37℃
    (染色)
  3. ヒドロキノン・亜硫酸ナトリウム
    (還元)
  4. 2%チオ硫酸ナトリウム
    (定着)
  5. ケルンエヒトロート
    (核染色)
  6. 脱水・透徹・封入

グリメリウス染色は還元剤が入っているのがポイントです。
還元剤によって好銀性細胞も染色できます。
マッソン・フォンタナ染色は還元剤が入らないため好銀性細胞が染まりません。

グリメリウス染色は加温する染色の1つ

グリメリウス染色は加温が必要です。
加温する染色は複数あるので、下のゴロで覚えてください。

加温する染色の一覧とゴロ

加温する染色のゴロ
【顔が紳士なホイール持った魔法使い、変などんぐりと悪いパン食べてグロッキー】

画像
加温する染色のゴロ
  • 顔(加温)
  • 紳士(神経系染色と脂肪染色)
  • ホイール(Feulgen 反応)
  • 魔法使い(Masson-Fontana 染色)
  • 変な(ヘルマン・ヘレルストローム)
  • どん(DOPA反応)
  • ぐり(Grimelius染色)
  • 悪く(Warthin-Starry染色)
  • パン(PAM染色)
  • グロッキー(Grocott染色)

その他のゴロ100個はこちら

グリメリウス染色は硝酸銀を使って黒く染める

グリメリウス染色は硝酸銀を使う染色の1つです。
硝酸銀を使う染色は多いのでゴロで覚えましょう。

また、銀液を使う染色は全て黒っぽい色に染まります。
グリメリウス染色は茶褐色っぽい色合いです。

硝酸銀染色のゴロ
小3でグリコだけだと腹減るわ

硝酸銀を使う染色のゴロ

グリメリウス染色は内分泌細胞を染める

内分泌細胞とはホルモンを出すような細胞のこと。
膵臓や下垂体など内分泌組織と呼ばれる器官だけでなく、消化器や呼吸器などあらゆる場所に存在しています。

その中でもグリメリウス染色の国試対策として覚えたいのは2つです。

グリメリウス染色で覚えたいもの2つ
  1. 膵ランゲルハンス島A細胞
  2. 神経内分泌腫瘍

とりあえずこの2つを覚えておきましょう。

神経内分泌腫瘍とは?

身体のあらゆる場所に存在する神経内分泌細胞から発生する腫瘍の総称。
例えば以下のようなものが該当する。

  • 小細胞癌
  • 大細胞神経内分泌癌(LCNEC)
  • カルチノイド腫瘍(定型・異型)

英語のNeuroendocrine Tumorから【NET】とも呼ばれ、悪性度が高いものは【NEC(Neuroendocrine Carcinoma)】と呼ばれる。

またホルモンを出すものは機能性、出さないものは非機能性と呼ばれ、そのホルモンによって症状が異なる。

グリメリウスは好銀性、銀親和性細胞の両方を染める

内分泌細胞は銀染色における反応性の違いから好銀性銀親和性に分けることができます。

好銀性と銀親和性の違いは還元能力があるかどうか

好銀性と銀親和性の違い
  • 好銀性
    銀イオンを自ら還元する能力はないが、還元剤の助けがあれば銀を還元して染色される性質。
  • 銀親和性
    銀イオンを自ら還元する能力があるため、還元剤なしで銀染色ができる性質。

グリメリウス染色とマッソン・フォンタナ染色は還元剤の有無が違う

この2つの染色はどちらも内分泌細胞を染めますが、還元液の有無による違いがあります。

  • グリメリウス染色
    還元液有り
  • マッソン・フォンタナ染色
    還元液無し

この還元剤の有無によって好銀性と銀親和性物質を染め分けることができます。

染色ごとの好銀性と銀親和性の染まり方
グリメリウス染色マッソン・フォンタナ染色
還元剤ありなし
好銀性の染まり
銀親和性の染まり

前腸・中腸・後腸由来のカルチノイドと染色性の違い

カルチノイド腫瘍はあらゆる場所に発生します。
発生部位によって前腸・中腸・後腸由来に分類ができ、それぞれグリメリウス染色とマッソン・フォンタナ染色の染まり方が変わると言われています。

前腸・中腸・後腸のカルチノイドと染色性

この染色性の違いによって原発の推定が可能ですが、最近はこの染め分けについてあまり聞かなくなりました。

※前腸は主に好銀性、中腸は主に銀親和性、後腸は主に好銀性ですが。

関連する過去問で知識定着

71回臨床検査技師国家試験
PM46
膵臓の特殊染色(別冊No. 8)を別に示す。
染色法はどれか。
1.PAM 染色
2.Bodian 染色
3.Grimelius 染色
4.Warthin-Starry 染色
5.Masson-Fontana 染色

Q
答えはここをクリック

よくある質問と回答(FAQ)

Q
なぜ後腸由来のカルチノイドはグリメリウス染色で陰性を示すのですか?

主にその神経内分泌顆粒の性質と含有物質が生化学的に他の部位由来のカルチノイドと異なるからであると考えられています。

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