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【4つの脂肪染色まとめ】SudanⅢ、Oil red O、Sudan black B、Nile blue

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今回は4つの脂肪染色 について。
脂肪染色はひっかけ的要素もあり問題にしやすい。
ポイントをおさえて1点アップ!

脂肪染色の種類と共通点

覚える脂肪染色は4種類です。

  1. Sudan Ⅲ
  2. Oil red O
  3. Sudan black B
  4. Nile blue

Nile blue以外は4つの共通点があります。

  1. 無極性色素
  2. 厚めの凍結切片を使う
  3. 染色工程にアルコールを含む
  4. 加温する

これを踏まえたうえで4種類のポイントをおさえていきましょう。

SudanⅢ染色

ポイントは7つ

  1. クリオスタットで厚めに切る
  2. 加温する
  3. 色素が無極性色素
  4. 物理的に染まる
  5. 染色工程にアルコールを含む
  6. 中性脂肪が赤く染まる
  7. 親水性封入剤で封入する

SudanⅢ①クリオスタットで厚めに切る

パラフィンブロックでは脂肪が溶けるため検出できません。

基本的には生の組織からクリオスタットで切片を作製します。
(ホルマリン固定組織からでも可能です)

この切片のことを凍結切片とも呼びます。

SudanⅢ②加温する

加温する染色は10種類

  1. 脂肪染色
  2. 神経系染色
  3. Feulgen 反応
  4. Masson-Fontana 染色
  5. ヘルマンヘレルストローム
  6. DOPA反応
  7. Grimelius染色
  8. Warthin-Starry染色
  9. PAM反応
  10. Grocott染色

SudanⅢ③色素が無極性色素

脂肪染色の色素はほとんど無極性

この色素の特徴として

  1. 水に溶けにくい
  2. アルコールに溶けやすい
  3. 荷電しない

の3つを覚えておきましょう。

SudanⅢ④物理的に染まる

多くの染色は化学的な結合で色を付けます。

例えば塩基性色素は陽性荷電なため陰性荷電とくっ付きます。

Sudan Ⅲなどの脂肪染色色素は目的物質に物理的な結合をします。

SudanⅢ⑤染色工程にアルコールを含む

Sudan Ⅲはアルコールが好き。
でも脂肪はもっと好き。

脂肪を見つけると色素は溶けてたアルコールから脂肪に移動します。

脂肪はアルコールに溶けるため工程にアルコールを含まないと思われがちだが、使われているので注意。

SudanⅢ⑥中性脂肪が赤く染まる

脂肪染色はいくつかありますが、それぞれ染めるものや色が違います。

SudanⅢ染色は

中性脂肪を赤く染める

ことを覚えておきましょう。

SudanⅢ⑦親水性封入剤で封入

非水溶性封入剤は脂肪を溶かします

そのため水溶性封入剤で封入します。

Oil red O染色

次は Oil red O染色について。
SudanⅢ染色とほぼ同じだから違うところだけおぼえよう!

Oil red O染色染色のポイントは次の7つ。

  1. クリオスタットで厚めに切る
  2. 加温する
  3. 色素が無極性色素
  4. 物理的に染まる
  5. 染色工程にアルコールを含む
  6. 中性脂肪が赤く染まる
  7. 親水性封入剤で封入する

SudanⅢ染色とほぼ同じ。

ただ色素以外で一か所違うところがあります。

アルコールの種類です。

微妙な違いですが出る可能性もあります。
頭の片隅に置いておきましょう。

Oil red O染色①イソプロを使う理由

イソプロピルアルコールは2つの効果があります

  1. 色素の溶解性
  2. 脂肪への浸透性を高める

結果、中性脂肪が赤色に染まりやすくなります。

何故 SudanⅢ染色に使わないのかは分かりません。
色素との相性があるのかもしれませんね。

Sudan black B 染色

基本的なポイントはSudanⅢ染色やOil red O染色と同じです。

異なる点は染めるものです。

今回の ズダン黒B は下表の8番が違います。

赤ではなく、黒く染まります。
名前に “黒” が入っているのでそのまま覚えましょう。

しかもSudanⅢやOil red Oより多くの脂質を染めることができます。

\ズダンⅢとオイル赤Oのポイント/
  1. 色素は無極性色素
  2. 化学的ではなく、物理的に染まる
  3. 切片を厚めに切る
  4. 凍結切片を使用する
  5. 染色工程にアルコールを用いる
  6. 加温する
  7. 親水性封入剤で封入
  8. 中性脂肪を赤く染める
\ズダン黒Bのポイント/
  1. 色素は無極性色素
  2. 化学的ではなく、物理的に染まる
  3. 切片を厚めに切る
  4. 凍結切片を使用する
  5. 染色工程にアルコールを用いる
  6. 加温する
  7. 親水性封入剤で封入
  8. 様々な脂質を黒く染める
    ・中性脂肪
    ・リン脂質
    ・脂肪酸
    ・コレステリン

Nile blue染色

ポイントは次の6つ。

  1. 色素は無極性色素
  2. 化学的ではなく、物理的に染まる
  3. 切片を厚めに切る
  4. 凍結切片を使用する
  5. 親水性封入剤で封入
  6. リン脂質と脂肪酸を青に染める
    中性脂肪とコレステリンエステルを赤く染める

ナイル青染色には以下の2つの色素が入っていると考えられています。
そしてそれぞれ染めるものが違います。

  • ナイル青
    リン脂質と脂肪酸を染める
  • ナイル赤
    中性脂肪とコレステリンエステルを染める

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