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【内分泌細胞の染色まとめ】グリメリウス|マッソン・フォンタナ|アルデヒド・フクシン|ヘルマン・ヘレルストローム

内分泌の染色まとめ
どっとゼブラ
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この記事では内分泌系の4つの染色の重要ポイントをまとめました。

この記事にある内分泌系の染色
  1. グリメリウス染色
  2. マッソン・フォンタナ染色
  3. ゴモリのアルデヒド・フクシン染色
  4. ヘルマン・ヘレルストローム染色

国家試験対策としてはもちろん、学内の試験対策にも使えます。
ゴロイラストも豊富にあるので、ぜひ勉強にお使いください。

この記事の著者

どっとぜぶら
どっとぜぶら
細胞検査士
臨床検査技師
医学博士
Profile
・細胞検査士試験 1発合格
・12月からの勉強でMT国試150点

少しでも多くのMT, CT学習者の役に立ちたいと思いSNSなどで情報発信中。
テーマは【勉強ができない人はいない。やり方次第で誰でもできる!】
細胞診過去問解説集や病理の国試解説集を出しました。

内分泌細胞とは?

内分泌細胞はホルモンを分泌する細胞の総称です。
❶内分泌組織(下垂体、甲状腺・副腎など)に存在するもの
❷消化器や呼吸器などの上皮内に存在する神経内分泌細胞
などがその細胞にあたります。

神経内分泌細胞とは?

内分泌細胞の中でも神経の特徴も持つ細胞。
免疫染色でクロモグラニンAやシナプトフィジンなどの神経内分泌マーカーが陽性になる。

これらの細胞の鑑別の鑑別が必要な場合に特殊染色や免疫染色による同定が有効です。

グリメリウス染色

グリメリウス(Grimelius)染色は膵臓のランゲルハンス島A細胞の染色として報告された方法です。
A細胞以外にも神経内分泌腫瘍なども染めます。

マッソン・フォンタナ染色と似ていますが、還元剤を使う点が大きく異なります。

グリメリウス染色のポイント4つ
  1. 硝酸銀を使う
  2. 加温する
  3. 還元剤を使う
  4. 神経内分泌腫瘍に有効
  5. 好銀性・銀親和性細胞を両方染色可能

グリメリウス染色で染まるもの

グリメリウス染色で覚えたい染まるもの2つ
  1. 膵ランゲルハンス島A細胞
  2. 神経内分泌腫瘍

国家試験は上記2つだけでよいですが、細胞検査士試験受験者は好銀性細胞(還元能力が無い細胞)が染まることも覚えておいてください。

詳細解説はこちら
【グリメリウス染色】硝酸銀を使って内分泌系を染める染色をイラスト試験対策!
【グリメリウス染色】硝酸銀を使って内分泌系を染める染色をイラスト試験対策!

関連する過去問で知識定着

71回臨床検査技師国家試験
PM46
膵臓の特殊染色(別冊No. 8)を別に示す。
染色法はどれか。
1.PAM 染色
2.Bodian 染色
3.Grimelius 染色
4.Warthin-Starry 染色
5.Masson-Fontana 染色

Q
答えはここをクリック

3.Grimelius 染色

マッソン・フォンタナ染色

マッソン・フォンタナ染色は銀親和性歳暮・物質(銀還元能のあるもの)を染める方法です。

以下のような特徴があります。

マッソン・フォンタナ染色のポイント6つ
  1. アンモニア銀を使う
  2. 加温する
  3. メラニンを染める
  4. 神経内分泌顆粒を染める
  5. リポフスチンを染める
  6. クリプトコッカスを染める

アンモニア銀液の組成

この染色のキモは【アンモニア銀液で目的物質を染める】ことです。
アンモニア銀という銀は無く、硝酸銀とアンモニア水を混合して作ります。

アンモニア銀液の組成
  1. 硝酸銀水溶液
  2. アンモニア水

注意
「アンモニア銀を使う染色は?」や「硝酸銀を使う染色は?」という問題が出題されますが、どちらにも該当することになります。
マッソン・フォンタナ染色は基本的に「アンモニア銀を使う染色」で覚えて良いですが、選択肢によっては硝酸銀の染色の答えにもなる点に注意。

詳細解説はこちら
【マッソン・フォンタナ染色】原理・手順・目的・関連疾患をイラスト解説!
【マッソン・フォンタナ染色】原理・手順・目的・関連疾患をイラスト解説!

マッソン・フォンタナ染色 国家試験問題

問題 63P53

皮膚のH-E染色標本(別冊No.9)を別に示す。
組織内の褐色色素を証明する染色法はどれか。
1.PTAH 染色
2.Grimelius染色
3.Congo red染色
4.Berlin blue染色
5.Masson-Fontana染色

Q
答えはここをクリック

5.Masson-Fontana 染色

問題 65A47

皮膚のH-E染色標本(別冊No. 6)を別に示す。
矢印に示す褐色顆粒を染色する染色法はどれか。
2つ選べ。
1.Kossa 反応
2.Sudan Ⅲ染色
3.Schmorl 反応
4.Berlin blue 染色
5.Masson-Fontana 染色

Q
答えはここをクリック

3.Schmorl 反応
5.Masson-Fontana 染色

ゴモリのアルデヒド・フクシン染色

ゴモリのアルデヒド・フクシン染色は弾性線維が主な対象ですが、膠原線維、膵ランゲルハンス島B細胞、メラニン、HBs抗原、下垂体β細胞も染まります。

ゴモリのアルデヒド・フクシン染色で覚えること
  1. 酸性、塩基性両方のフクシンを含む
  2. 染まり方
    • 弾性線維(紫)
    • 膠原線維(緑)
    • 膵ラ島B細胞(紫)
    • HBs抗原(紫)
    • 下垂体β細胞(紫)

ヘルマン・ヘレルストローム染色

ヘルマン・ヘレルストローム染色は膵ランゲルハンス島D細胞を染める染色です。
グリメリウス染色と同様に還元剤を使って好銀性細胞を染め出します。

ヘルマン・ヘレルストローム染色で覚えること
  1. 硝酸銀を使う
  2. 加温する
  3. 膵ランゲルハンス島D細胞を染める

硝酸銀を使う染色は下のゴロを使って覚えてください。

硝酸銀染色のゴロ
小3でグリコだけだと腹減るわ

硝酸銀を使う染色のゴロ

その他のゴロ100個はこちら

加温する染色の一覧とゴロ

加温する染色のゴロ
顔が紳士なホイール持った魔法使い、
変などんぐりと悪いパン食べてグロッキー

画像
加温する染色のゴロ
  • 顔(加温)
  • 紳士(神経系染色と脂肪染色)
  • ホイール(Feulgen 反応)
  • 魔法使い(Masson-Fontana 染色)
  • 変な(ヘルマン・ヘレルストローム)
  • どん(DOPA反応)
  • ぐり(Grimelius染色)
  • 悪く(Warthin-Starry染色)
  • パン(PAM染色)
  • グロッキー(Grocott染色)

その他のゴロ100個はこちら

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