検査技師国試 合格のための 病理 強化問題集

検査技師国家試験対策

検査技師、細胞検査士のどっとゼブラです。
国家試験は知識の定着が必要。
そして知識定着には問題を解くのが一番。
ということでここではオリジナル問題を出していきます!

病理学は検査技師国家試験では2番目に出題数が多い科目。

出題の多いものを得意科目にすれば合格が楽になります。

必ず8割~9割取れるように知識を深めていきましょう!

*問題は随時追加していきます。

病理 強化問題1

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性染色体異常はどれか。2つ選べ。

  1. Down症候群
  2. Patou症候群
  3. Edward症候群
  4. Turner症候群
  5. Klinefelter症候群

答え【45】

解説

1
Down症候群は常染色体の21番が3つある21トリソミーで染色体数は47。最も頻度が高い染色体異常。小さいく扁平な顔、つり上がった目、知能の発育遅延、などがみられる。


Patou症候群は常染色体の13番目が3つある13トリソミーで染色体数は47。心疾患などがみられる。


Edward症候群は常染色体18番が3つある18トリソミーで染色体数は47。精神発育障害、指の屈曲拘縮、耳介の低位、心奇形、少顎症などがみられる。


Turner症候群は女性のX染色体が1つしかない性染色体異常で染色体数は45(45, X)。外部生殖器は女性型を示すが、性腺は未発達である。


Klinefelter症候群は男性の性染色体に2つ以上のX染色体がみられる性染色体異常で染色体数は47。XXYが最も多いとされる。身体的には男性であるが、体毛発達不良、無精子症がみられる。

病理強化問題2

フィブリンを大量に含む液の滲出を特徴とするのはどれか。

  1. 変質性炎
  2. 漿液性炎
  3. 線維素性炎
  4. カタル性炎
  5. 特異性炎

答え【3】

炎症は特徴によって12種類に分けられる。
一つずつ特徴だけ確認してみよう。

変質性炎

ヘルペスや肝炎ウイルスなどの ウイルス感染 でみられ、組織障害が強い。

合わせて思い出したいこと
  • ヘルペスウイルスの細胞像(その他子宮頸部細胞像)
  • 肝炎ウイルス関連

漿液性炎

血清成分(血液の液体成分)が浸出するもの。
火傷の水疱、急性鼻炎の漿液性鼻汁などがこれにあたる。

線維素性炎

多量のフィブリノゲンを含む液が滲出する。
偽膜性炎もこれに含まれる。
偽膜性大腸炎、大葉性肺炎などがこれにあたる。

左の偽膜性大腸炎にみられる黄色の部分にフィブリンが含まれる。

右の大葉性肺炎は1つの肺葉全体に炎症がおよぶもの。
組織を見ると肺胞の中にフィブリンが充満している。

カタル性炎

粘膜表面の炎症で、粘液分泌の強い亢進を伴ったもの。
粘液中の酸性ムコ多糖類やIgAに役割があることが分かっている。

特異性炎

特徴のある像の肉芽腫 を形成する炎症。
この特徴とは ラングハンス巨細胞類上皮細胞 が代表的。

ラングハンス巨細胞と類上皮細胞

組織球(マクロファージ)が形を変えたもの。

特異性炎に含まれる疾患は

  1. 結核
  2. サルコイドーシス
  3. 梅毒
  4. クローン病
  5. ハンセン病
  6. 野兎病
  7. 猫ひっかき病

今回の選択肢以外の炎症

  • 偽膜性炎
    上皮層にびらんや潰瘍があり、そこに線維素、白血球、壊死などが苔状に付着したもの。
  • 膜性炎
    粘膜などの上皮層にみられる炎症で線維素性の滲出物が膜状に付着したもの。
  • 化膿性炎
    ブドウ球菌や、連鎖球菌などの化膿菌によって起き、多量の好中球が滲出してくる。一か所に膿が満ちた場合は膿瘍と呼ばれる。
  • 出血性炎
    炎症に出血が加わって浸出液に多量の赤血球が混ざるもの。血管壁の障害が強い場合に起きる。
  • 壊死性(壊疽性)炎
    壊死(壊疽)を伴った急性炎症。
  • 繁殖性炎
    実質細胞が増殖する炎症。例えばウイルス性疾患などでウイルスの侵入を許した細胞が増殖するなど。
  • 増殖性炎
    線維芽細胞の増殖が主体をなす炎症。肝硬変、肺線維症など。

病理強化問題3

腫瘍とその腫瘍に関連する腫瘍随伴症候群で誤っているのはどれか

  1. 膵神経内分泌腫瘍-低血糖
  2. 腎癌-多血症
  3. 卵巣癌-重症筋無力症
  4. 肺小細胞癌-クッシング症候群
  5. 褐色細胞腫-高血圧

答え【3】

腫瘍随伴症候群は赤本p48に記載されている。
赤本に載っているものは出てもおかしくない。
今回の分だけでも確認しておこう!

腫瘍随伴症候群とは

腫瘍が出すホルモンなどによって何かしらの症状が出ている状態のこと

膵神経内分泌腫瘍-低血糖

まず 膵腫瘍の種類 を知ろう!

他にもたくさんあるが、一部だけを抜粋

そしてこの赤字の神経内分泌腫瘍には

  1. 機能性
  2. 非機能性

の2つに分けられる。

機能性 神経内分泌腫瘍

機能性は ホルモン症状 があるものを指す。

ホルモン症状って?

例えば
・インスリン過剰による低血糖
・グルカゴン過剰による高血糖
とかだね。

腫瘍になるとホルモンを出す細胞が増えるためホルモンも過剰になる場合があります。

そうなると丁度いい効果を超え、異常な症状が出始めます。

膵神経内分泌腫瘍は膵のランゲルハンス島細胞が腫瘍化したものも含まれます。

ランゲルハンス島にはそもそも

  • グルカゴンを出すA細胞
  • インスリンを出すB細胞
  • ソマトスタチンを出すD細胞

などがいます。

そしてそれらの細胞が腫瘍化し、膵神経内分泌腫瘍になると、

  • インスリンを出す細胞が腫瘍化したらインスリノーマ
  • グルカゴンを出す細胞が腫瘍化したらグルカゴノーマ

になります。
(ソマトスタチンは省略)

さらにホルモンの機能はそれぞれ

  • インスリン→血糖値を下げる
  • グルカゴン→血糖値を上げる

です。

そのため、

インスリノーマになると異常に血糖値が下がり低血糖
グルカゴノーマになると異常に血糖値が上がり高血糖

になることがある。

そもそも正常の組織像が分からないと話が始まらないので必ず理解しておこう!

膵の正常組織の説明はこちら

腎癌-多血症

腎臓からはエリスロポエチンと呼ばれるホルモンが出ている。

エリスロポエチンってなに?

エリスロポエチンとは
EPOはエリスロポエチンを表しています

腎癌になるとこのエリスロポエチンが過剰に出ることがあり、多血症になることがある。

卵巣癌-重症筋無力症

重症筋無力症は卵巣癌とは関係ない。

よく合併すると言われるのは 胸腺腫

胸腺ってなに?

胸腺とは縦隔内にある臓器です。

縦隔とは左右の胸腔に挟まれた空間。
下図右の緑部分のこと。

胸腺腫はここにある胸腺からできた腫瘍です。
重症筋無力症との合併が有名です。

肺小細胞癌-クッシング症候群

肺小細胞癌は様々なホルモンを出し、様々な腫瘍随伴症候群を示します。

その一つにクッシング症候群があります。

クッシング症候群ってなんだったっけ?

小細胞癌の細胞像

肺小細胞癌の細胞像も出題されるため思い出しましょう。

ついでに他の呼吸器細胞像も!

褐色細胞腫-高血圧

副腎は皮質と髄質に分かれ、髄質からアドレナリンやノルアドレナリンが出ます。

それらのホルモンは血圧や心拍数を上昇させます。

褐色細胞腫はこの髄質にできやすい腫瘍です。

副腎髄質にできるためアドレナリンが過剰になり、高血圧になることがあります。

副腎の組織像

副腎の正常組織像は画像を見て分かるようにしておこう!

病理強化問題4

Dukes分類を用いる腫瘍はどれか。

  1. 胃癌
  2. 大腸癌
  3. 乳癌
  4. 前立腺癌
  5. 肝細胞癌

答え【2】

今回は腫瘍の分類法について。
今回の選択肢のものは乳癌以外は全て赤本に記載されている。
ということは出題されても文句が言えない。
ここで何にどの分類が使われるのか確認しておこう!

TNM分類

ほとんどの組織にはTNM分類というものが使用されています。

これはTとNとMを組み合わせて進行度を測るものです。

これはほとんどの組織に当てはまるため今回はそれ以外について触れていきます。

ボールマン(Borrmann)分類

ボールマン分類は胃癌や大腸癌に使われます。
進行癌に対して使われることを覚えておきましょう。

基本的には肉眼的にどうなってるを分けるものです。
肉眼分類とも呼ばれますが、1~5型はボールマン分類と同じだと思ってください。

早期胃に対しては肉眼分類の0型と呼ばれるものがあります。

デュークス(Dukes)分類

デュークス分類は大腸癌の壁進達度(どこまでいってるか)に使われます。

この分類は転移も含めた分類になっています。
デュークスA~Dまであります。

サブタイプ分類(ルミナ―ル分類)

これは乳癌に使われる分類です。

今まで紹介した分類法と違い、進行度のためのものではありません

乳癌は発現するタンパクの種類によって治療法を決定します。
これをオーダーメイド医療などと表現します。

同じ腫瘍でも患者さんによって発現するタンパクの違いで治療法を変更します。

この分類法は大きく4つに分類されます。

どれは発現しているかは免疫染色で確認するよ。
増幅された遺伝子をFISHで確認する場合もあるよ。

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グリーソン(Greason)分類

これは前立腺癌に使われます。

この分類は悪性度を決める分類法です。
最終的に点数を付けるためグリーソンスコアとも呼ばれます。

前立腺癌は腫瘍内に異なる分化度、組織型の部分が共存することがあります。

1番広い部分と2番目に広い分化度の部分を選択肢し、それぞれ点数を付けます。

その点数を足して最終的なスコアとします。

エドモンドソン(Edomondson)分類

この分類は肝細胞癌に使われます。

現在は分化度で表記することが多いですが、本分類も記載はあります。

分化度とEdmondson分類に差異がある点に注意しましょう。

病理強化問題5

病理解剖によってはじめて発見される”がん”はどれか。

  1. オカルトがん
  2. 偶発がん
  3. ラテントがん
  4. 多発がん
  5. 重複がん

答え【3】

今回のような似た言葉は問題として出しやすい。
さらに全て赤本に書かれてるから出題されてもおかしくない。
模試対策にもなるから覚えておこう!

オカルトがん

転移があり、転移巣の症状が先に見つかり、その後原発巣が見つかるがん

つまり転移が先に見つかり原発巣が後で見つかるもの

偶発がん

手術や検査で偶然見つかるがん

元々がんがあることは知らずに他の検査をしたら見つかるもの

ラテントがん

病理解剖で初めて見つかるがん

がん以外の原因で亡くなった後解剖したら見つかるもの

多発がん

同じ臓器(もしくは同じ系統)に同じ種類のがんが複数個発生すること

重複がん

1つの臓器にいろんな種類のがんが発生すること

もしくは

複数の臓器に同じがんが発生すること

病理強化問題6

胎生期の血液循環について正しいのはどれか。2つ選べ

  1. 動脈管は左右の心房を繋ぐ
  2. 臍静脈には動脈血が流れる
  3. 卵円孔は大動脈と繋がる
  4. 臍動脈は2本である
  5. 静脈管は肝臓に繋がる

答え【24】

解説はこちら

今回は胎生期の血管と血液循環について。
ここは特徴的なものが多いから問題にしやすい。
おさえて損はないから理解しておこう!

病理強化問題7

疾患と染色の組み合わせで誤っているのはどれか。2つ選べ。

  1. 心内膜炎-トルイジン青
  2. 左心不全-ベルリン青
  3. 心筋梗塞-マッソントリクローム
  4. 粥状硬化症-ズダンⅢ
  5. 血管アミロイド変性-オイル赤O

答え【34】

今回は疾患と染色の関係性について。
この辺はややこしい。
まずは疾患がどういうものか、染色は何を染めるのかそれぞれ単独で覚えておこう。
それぞれを覚えたら繋がりを意識しよう!

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