MT・CTのどっとゼブラです。
今回はアンモニア銀を使う 渡辺の鍍銀 について。
この染色のポイントは5つ!
どれも必要なものだから必ずおさえよう!
渡辺の鍍銀 のポイント
渡辺の鍍銀 は以下の5つを覚えましょう。
- 切片の厚さ
- 使われる試薬
- 何を何色に染めるか
- よく使われる臓器
- どんな時に有効か
この染色は意外と覚えることが多いですが、一緒に頑張っていきましょう。
渡辺の鍍銀 の全体像
染色は全体の流れを何となく把握すると理解しやすくなります。
サラッと見ておきましょう。
- 厚めに切片を切る
(6~8μm) - 脱パラ・脱キシ・親水
- 0.5%過マンガン酸カリウム水溶液
(酸化) - 2%シュウ酸水溶液
(還元) - 2%鉄ミョウバン
(増感) - アンモニア銀液
(鍍銀) - 95%アルコール
(分別) - ホルマリン・鉄ミョウバン液
(還元) - 0.2%塩化金水溶液
(調色) - シュウ酸水溶液
(染色性向上) - 2%チオ硫酸ナトリウム
※硫酸ナトリウムとは別物なので注意
(定着) - ケルンエヒトロート
(核染色) - 脱水・透徹・封入
銀を使う染色は基本的に銀液の後還元剤を使う。
銀液を使う染色の還元剤を思い出しておこう!
銀液と染色名の組み合わせが分からない人はそこから覚えてね
渡辺の鍍銀 の切片の厚さ
通常の切片は3~4μmです。
しかし渡辺の鍍銀などは6~8μmで厚めです。
何故厚めに切るのか
この染色に関しては
線維全体の走行を見るため です
厚めに切る染色一覧
厚めに切る染色は渡辺の鍍銀以外にもあります。
合わせて覚えておきましょう。
- 渡辺の鍍銀
- クレシル紫
- クリューバー・バレラ
- ボディアン
- ズダンⅢ
- オイル赤O
- ズダン黒B
- ナイル青
8個覚えるの難しい人は次の3つで覚えましょう。
渡辺の鍍銀
+
神経系の染色
+
脂肪染色
渡辺の鍍銀 で使われる試薬
試薬に関しては模試にたまに出ます。
ただ優先的に覚えるのは銀液のみです。
模試でも点を取りたい人、確実に点数を上げたい人は覚えておきましょう。
そのまま覚えると大変なので役割ごとに覚えると良いです。
アンモニア銀は硝酸銀から作られることにも注意。
①硝酸銀
②水酸化カリウム
③アンモニア水
アンモニア銀を使う染色のゴロはこちら
【アンモナイトを飼う渡辺さんがビビッて真っ青】
- アンモナイト(アンモニア銀)
- 飼う(カハール染色)
- 渡辺さん(渡辺の鍍銀)
- ビビッて(ビルショウスキー染色)
- 真っ青(Masson-Fontana 染色)
何を何色に染めるか
渡辺の鍍銀の一番の狙いは細網線維です。
細網線維を中心に色を覚えましょう。
- 細網線維:黒
(アンモニア銀) - 膠原線維:赤褐色
(アンモニア銀) - 赤血球:えんじ
(ケルンエヒトロート) - 細胞質:えんじ
(ケルンエヒトロート) - 核
(ケルンエヒトロート)
AZAN、Masson trichrome、PAMも細網線維を染めるので覚えておこう!
渡辺の鍍銀 が使われる臓器
この染色は基本的に細網組織に使われます。
細網組織の中でも特に肝臓での出題が多いです。
肝臓に黒色があれば渡辺の鍍銀を選んでもいいです。
肝臓は画像問題でよく使われる組織。
画像を見て肝臓だと分かるようにしておきましょう。
渡辺の鍍銀 はどんな時に有効か
基本的には次の2つを覚えましょう。
- 肝硬変
- 上皮性腫瘍と悪性腫瘍の鑑別
渡辺の鍍銀 と肝硬変
正常の肝臓は規則的に肝細胞が並びます。
これを肝細胞索と呼び、細胞周囲に細網線維が存在します。
肝硬変になるとこの肝細胞の配列が乱れます。
その乱れは細網線維を染めると分かりやすくなります。
渡辺の鍍銀 と上皮性・非上皮性腫瘍
上皮性腫瘍の場合、腫瘍細胞の集団を細網線維が囲みます。
非上皮性腫瘍は細胞集団ではなく、個々の細胞を細網線維が囲みます。
この細網線維の囲み方の違いが腫瘍の上皮性、非上皮性の鑑別に使えます。
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