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色だけで画像問題は解ける! EVG染色 について

EVG染色
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MT・CTのどっとゼブラです。
今回は画像でも出やすい染色の EVG染色 。
画像で出やすいのは分かりやすいから。
この記事でポイントをおさえていこう!

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EVG染色 のポイント

EVG染色 は以下の点を覚えましょう

  1. 名前の意味
  2. 使われている試薬
  3. 何が何色に染まるか

これだけ覚えればある程度対応できます。

しかし、使われている試薬や色も多いのでなかなか大変です。
試薬は使う意味も理解すると覚えやすくなります。

EVG染色 の全体像

染色は全体の流れを何となく把握すると理解しやすくなります。
サラッと見ておきましょう。

  1. 脱パラ・脱キシ・親水
  2. ワイゲルトのレゾルシン・フクシン液
    (染色)
  3. 無水エタノール or 塩酸アルコール
    (分別)
  4. ワイゲルトの鉄ヘマトキシリン
    (核染色)
  5. 流水水洗
    (色出し)
  6. 塩酸アルコール(共染時)
    (分別)
  7. ワンギーソン液
    (染色)
  8. 無水エタノール
    (分別・脱水)
  9. 透徹・封入

EVG染色 の名前の意味

EVG染色 とはElastica van Giesonの頭文字を取ったものです。

このElasticaは弾性を指します。

van Giesonワンギーソン染色のことを指します。

つまりEVGは

弾性線維の染色&ワンギーソン染色の合体した染色
という意味。

ちなみに弾性線維の染色はワイゲルト染色のことを指します。

これを踏まえたうえで詳細を見ていきましょう。

弾性線維が分からない人はここで確認

EVG染色 の試薬

上でも説明したようにEVGは2種の染色が混合しています。

一気に覚えるより1種類ずつ分けた方が覚えやすいです。

Weigert染色

Weigert(ワイゲルト)染色は 弾性線維を染める液核を染める液 に分かれます。

  • 弾性線維→ワイゲルトのレゾルシンフクシン
  • 核→ワイゲルトの鉄ヘマトキシリン

これをそれぞれ見ていきます。

ワイゲルトのレゾルシンフクシン(弾性線維染色)

この染色液には3つが含まれます。

  1. 塩基性フクシン
  2. レゾルシン
  3. 塩化第二鉄

この液によって弾性線維が黒く染まります。

鉄や銀が含まれる染色は大体黒に染まります

ワイゲルトの鉄ヘマトキシリン

この染色液には3つが含まれますが全てを覚える必要はありません。

  1. ヘマトキシリン
  2. 塩化第二鉄
  3. 濃塩酸

覚えるべきポイントは鉄が含まれる点です。

鉄や銀が含まれる染色は大体黒に染まります

van Gieson染色

van Gieson(ワンギーソン)染色には2つの液が含まれます。

  1. ピクリン酸
  2. 酸フクシン

この2つの液は分子量の大小があり、その違いで異なる場所を染めます。

それぞれ次の部分を染めます。

ピクリン酸(黄色)

ピクリン酸は次の3つ染めます。

筋線維赤血球細胞質

ピクリン酸は分子量が小さい。

酸フクシン(赤色)

酸フクシンは次の1つを染めます。

膠原線維

酸フクシンは分子量が大きい。

EVG染色 液のまとめ

ワイゲルトのレゾルシンフクシン
  1. 塩基性フクシン
  2. レゾルシン
  3. 塩化第二鉄
ワイゲルトの鉄ヘマトキシリン
  1. ヘマトキシリン
  2. 塩化第二鉄
  3. 濃塩酸
ワンギーソン液
  1. ピクリン酸
  2. 酸フクシン

EVG染色 の染色結果

最後に何が何色に染まるか実際の画像で確認しましょう。

EVG染色
血管と上皮細胞の細胞質
  • 弾性線維:黒
  • 膠原線維:赤
  • 赤血球:黄色
  • 細胞質:黄色

このようにEVGでは黒・赤・黄の3色が見られます

この3色に染まるものは他に出題されません。
つまりこの3色の時点でEVGです。

国試での出題のされ方

EVGは弾性線維を染めるため、弾性線維が多い組織が出ます。

特に血管 で多く出題されます。

組織画像を見て肺や血管を分かるようにしておきましょう。

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