MT・CTのどっとゼブラです。
今回は腎基底膜を染める PAM 染色について。
これは頻出染色だから絶対ポイントをおさえよう!
PAM 染色のポイント
PAM 染色のポイントは4つです。
- 切片は薄めに切る
- 原理
- 試薬
- 染まるもの
PAM 染色の全体像
染色は全体の流れを何となく把握すると理解しやすくなります。
サラッと見ておきましょう。
※水洗は省略
- 薄めに切る
(1~2μm) - 脱パラ・脱キシ・脱水
- 1%過ヨウ素酸
(酸化) - メセナミン銀液
(鍍銀) - 4%中性ホルマリン水溶液
(増感) - 0.2%塩化金水溶液
(置換) - 5%チオ硫酸ナトリウム
(定着) - HE染色
- 脱水・透徹・封入
この中でも
- 酸化してから銀に行くこと
- 試薬
①メセナミン銀
②ホルマリン
③塩化金
④チオ硫酸ナトリウム
は覚えておきましょう。
PAM 染色の切片厚
PAM 染色は1~2μmで切ります。
通常は3~4μm。
PAMは薄めに切ります。
薄くしないと糸球体基底膜の微細な変化が分からないためです。
薄く切る染色は次のようなものがあります。
- PAM
- AZAN
- Masson trichrome
2と3は3~4μmでもいいですが、推奨は薄めです。
PAM 染色の原理
染色原理はシンプルです。
- 過ヨウ素酸で酸化
↓ - アルデヒド基ができる
↓ - メセナミン銀液で染める
この酸化→アルデヒド→染色の流れは他にもあります。
それも併せて覚えておきましょう。
- PAS染色
過ヨウ素酸で酸化
↓
アルデヒド基が出現
↓
シッフ試薬で呈色
PAS染色の詳細はこちら - PAM染色
過ヨウ素酸で酸化
↓
アルデヒド基が出現
↓
メセナミン銀液で呈色 - Grocott染色
クロム酸で酸化
↓
アルデヒド基が出現
↓
メセナミン銀液で呈色 - Gridley染色
クロム酸で酸化
↓
アルデヒド基が出現
↓
シッフ試薬で呈色 - Feulgen反応
1N塩酸で加水分解
↓
アルデヒド基が出現
↓
シッフ試薬で呈色
この5つが思い出しにくい人はぜひゴロを使ってください。
ゴロ【パスタをフォークで食べるパンダがグローブをはめてグリーティング】
- パス(PAS反応)
- フォーク(フォイルゲン反応)
- パンダ(PAM)
- グローブ(Grocott染色)
- グリーディング(グリドリー染色)
PAM 染色の試薬
原理が分かれば試薬が分かります。
酸化→染色の順番なのでまずこの2つが大事です。
- 酸化剤として過ヨウ素酸
- 染色液としてメセナミン銀液
PAMは名前にも染色名が入っています。
PAMの【PA】は過ヨウ素酸のperiodic acid
PAMの【M】はメセナミン銀
こういう風に覚えると覚えやすいです。
メセナミン銀を使う染色はPAMを含め2つだけです。
- グロコット
- PAM
メセナミン銀液を使う染色はGrocott染色を含め2つです。
めぐろのパン屋 で覚えましょう。
ゴロ【目黒のパン屋】
- 目(メセナミン銀)
- 黒(Grocott染色)
- パン(PAM染色)
過ヨウ素酸とメセナミン銀液を覚えたら他の試薬を覚えましょう。
メセナミン銀液の注意点
どの銀液がどの染色に使えわれるか問われることがあります。
その際メセナミン銀液は硝酸銀が含まれるため注意です。
メセナミン銀という銀は無く、いくつかを合わせてメセナミン銀液を作ります。
- メセナミン水溶液
(ヘキサメチレンテトラミン) - 硝酸銀
- ホウ砂
そのため問題の選択肢によりますが、硝酸銀を含むのはどれかという問題の場合PAMの可能性もあります。
ここが要注意です。
PAM 染色で染まるもの
この染色は糸球体基底膜を黒く染めます。
染色対象としてそれ以外は覚えなくて良いです。
細胞診受験者は胞巣状軟部肉腫の針状結晶がPAMで染まることも覚えておきたい。
腎臓の画像が出たら染色は4つ
腎臓の画像が出た時点で染色は4つに絞られます。
画像問題は組織と色が分かれば分かります。
そのために組織が分かるようにしておきましょう。
各組織に慣れるためネットで組織像を検索するのがおすすめです。
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