MT・CTのどっとゼブラです。
意外と問題を作りやすい ビクトリア青 染色について。
作りやすいのはポイントがわかりやすいから。
ポイントをおさえていこう!
ビクトリア青 染色のポイント
ビクトリア青 染色は以下の3つを覚えましょう。
- 対比染色は何か
- 何を染めるか
- どういう時に使うか
この3つで模試にも対応できます。
ビクトリア青 染色の全体像
染色は全体の流れを何となく把握すると理解しやすくなります。
サラッと見ておきましょう。
ビクトリア青 染色は単体とHEとの二重染色の2つがあります。
単体での染色
- 脱パラ・脱キシ・親水
- ビクトリア青
(染色) - 70%エタノール
(分別) - ケルンエヒトロート
(核染色) - 脱水・透徹・封入
HEとの二重染色
- 脱パラ・脱キシ・親水
- ビクトリア青
(染色) - 70%エタノール
(分別) - HE染色
(染色・核染色) - 脱水・透徹・封入
ビクトリア青 染色は単体で染めるよりHEとの二重染色の方が多いです。
HE染色をすることで得られる情報量が増えるからです。
(例えば癌の部分が分かりやすくなる等)
ビクトリア青 染色の対比染色
この全体像でのポイントは工程の4番。
核染色(対比染色、後染色とも呼ぶ)が違う点です。
単体の場合は核を赤くするケルンエヒトロートを使用します。
青に染める染色は大体ケルンエヒトロートを使います。
青に対して赤を使うと見やすいためです。
そのため”対比染色”とも呼ばれます。
HE染色にはヘマトキシリンが入っているため青紫に染まります。
ビクトリア青 染色は何を染めるか
ビクトリア青 染色は主に次の3つを青く染めます。
- HBs抗原
- 弾性線維(血管)
- 軟骨基質
HBs抗原とはB型肝炎のウイルス抗原のことです。
弾性線維を染める染色はいくつかあるので合わせて覚えましょう。
- EVG染色
- ビクトリア青 染色
- オルセイン染色
他にも以下の2つがありますが、あまり出ません。
- ゴモリのアルデヒド・フクシン染色
- ワイゲルト染色
模試には出る可能性がありますが、まずは最初の3つを覚えましょう。
ビクトリア青 染色はどういう時に使うか
ビクトリア青 染色は基本的に次の2つを見たい時に使います。
- HBs感染を疑う時
- 癌細胞の血管侵襲を見たい時
1は分かりやすいと思います。
では2はどういう意味でしょうか。
イメージ図で確認してみましょう。
左図のHE染色では血管が周囲と同色で見分けがつきません。
右のビクトリア青 染色は弾性線維(血管)だけ青いため分かりやすくなります。
その青の中に癌細胞がいれば、血管の中に侵襲しているのが一目瞭然です。
これは弾性線維を染めれば検出できるので他の弾性線維染色でも同じことができます。
血管が青く染まるのは ビクトリア青 染色だけ。
青い血管はこの染色を選ぼう!
過去に出た問題を確認
63回AM52
大腸癌の特殊染色標本を別に示す。
この染色法が目的とする対象はどれか。
- 筋線維
- 弾性線維
- 細網線維
- 膠原線維
- 神経線維
答え【2】
53回PM90
胃癌静脈浸潤部の顕微鏡写真を別に示す。矢印で示される部位を青く染色している色素は何か。
- アルシアン青
- ビクトリア青
- ヘマトキシリン
- ベルリン青
- レゾルシン
答え【2】
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