今回は「 結合組織 」について。
めっちゃ大事なのに学校でもいまいちちゃんと教えてくれないこの言葉。
そんな悩みをここで解決しよう!
組織について
組織っていうのは細胞があつまったものだよ。
詳しくは「上皮組織」のところで解説してるから見てみてね。
その細胞が集まった組織は大きく4種類に分けられます。
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今回は「結合組織」だから支持組織の話ってことだな。
でも支持組織には骨とか軟骨も含まれるから一部だけの説明ってことでいいのか?
そうだね。
みんな、骨とか軟骨はなんとなくわかると思うけど、結合組織って聞いてもピンとこないよね。
でもそんなに難しくないから今回一緒に理解していこう!
支持組織とは
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支持組織は「 結合組織 」「軟骨・骨」「血液・リンパ液」に分かれます。
なんかそれぞれ特徴的だな。
たしかにこの中だと結合組織は全く意味が分からない。
ほんと分からないよね。
まずはこの 支持組織の全てに当てはまる特徴 を見てみようか。
支持組織の特徴
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支持組織は 細胞が少なく て間質が多い んだ。
細胞は分かるけど、間質ってなんだ?
間質 っていうのは細胞以外の部分を埋めてる 線維や基質 っていう無構造な部分のことだよ。
ココが意外とややこしい。
これが支持組織の特徴ですがよくわかりませんね。
ということで、今回のテーマである結合組織を例に 上皮組織と比較 してみましょう。
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こんな感じで上皮組織は細胞がぎっしりしてる。
でも結合組織は細胞(ピンク)が少なくて、その他の成分が多いんだ。
そしてこの 細胞以外の部分を間質や細胞外基質(細胞外マトリックス) って呼んでるよ。
なんとなくわかってきた。
細胞が少なくて他の成分が多いっていうのがイメージできてきたぞ!
ここまでが支持組織全体のお話です。
次から今回の本テーマである結合組織についてみていきましょう。
結合組織 とは
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結合組織っていうのはこんな感じ。
細胞とか組織の間にはどうしても隙間ができるからそこを埋めてるんだ。
そしてこの 結合組織には何が含まれるか 見てみましょう。
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結合組織 はまず 細胞とそれ以外(間質) の成分に分かれます。
細胞成分の中には線維芽細胞や脂肪細胞 、その他血球系の細胞などがいます。
間質成分は線維と基質 に分かれます。
線維には膠原線維 、細網線維 、弾性線維の3種類があります。
白血球以外良く分からないな。
細胞と間質について1つずつ説明してくれ。
もちろんだよ!
じゃあ細胞成分から見てみよう!
線維芽細胞
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結合組織のメイン細胞は線維芽細胞です。
これが結合組織の必要なものを作ります。
有名なものだと コラーゲン 。
これに関しては線維のところで詳しく説明します。
脂肪細胞
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脂肪細胞は 脂肪をつくって溜めこんで るよ。
こいつらが集まった組織は脂肪組織って呼ばれてるんだ。
それに関してはまたあとで見ていくよ。
マクロファージ(大食細胞)
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マクロファージはよく聞くから知ってた。
ごみとか食べてて、いる場所によって名前変わったりするよな。
その通り!
とにかくこいつは いらないものを食べてる って覚えてね。
肥満細胞(マスト細胞)
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これは顆粒をもってて 、 アレルギー に反応するよ。
IgE っていうアレルギー関係する抗体の受容体(受け皿みたいなもの)をもってるにも重要だね。
とにもかくにもアレルギーに関連するってことか。
これと似たような細胞で好塩基球ってのがいるけど、そいつとは違うのか?
良いトコついてきたね・・・
肥満細胞と好塩基球の違いは学者によって意見が違うんだ。
この2つは似ている点が多いけど、細胞の形や顆粒の性質に違いがあるのも事実。
まだまだ分かってないこともたくさんあるってことだね。
形質細胞
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形質細胞は リンパ球の仲間 で 抗体をつくってる よ。
細胞質や核が特徴的。
特に核は 車軸状核 と呼ばれる特徴的な核をしているよ。
車軸状核・・・・
分かる、わかるよあの絵は。
でもあの車輪の中の細い線的なとこを言いたいんだよね?
あれは車軸じゃなくてスポークじゃね?
てことは、スポーク状核じゃないの?
いや、思ったより車輪周りに詳しいな・・・
しかも俺がつけた名前じゃないから知らないよ、そんなの・・・
その他の細胞成分
このほか、色素細胞や他の白血球もいるけど今回は有名どころを紹介しました。
また機会があればその他の細胞についても紹介します。
次は 間質成分 を見ていきましょう!
線維① 膠原線維
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膠原線維は線維芽細胞がつくる プロコラーゲンからできる んだ。
つまりコラーゲン なんだね。
この線維は引っ張っても切れにくくて伸びにくいっていう特徴があるよ。
線維芽細胞がプロコラーゲンを産生し、その両端が切れるとトロポコラーゲンになります。
そのトロポコラーゲンが集まるとコラーゲン細線維という細い線維になります。
その細い線維がさらに集まると膠原線維のできあがりです。
線維② 細網線維
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細網線維は膠原線維と同じ コラーゲン細線維からつくられる 。
でも膠原線維より細くて特殊な染め方をしないと見えない。
その染め方を 鍍銀染色 っていうよ。
そしてこの線維は枝分かれして網目状になる。
そうして細胞を移動するためもしくは保持するための空間をつくってるよ。
線維③ 弾性線維
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弾性線維は ゴムみたいに伸び縮みする 線維。
主成分は エラスチン でこれに弾力性があるよ。
この成分はだいたい線維芽細胞がつくるけど、動脈では平滑筋がつくってる。
色んな線維があるんだな。
いろんな線維があるからいろんなことができるってことか。
細胞間基質
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基質は上の黄色い部分みたいに何もないように見える部分のことだよ。
実際は何もないんじゃなくて、水分とか糖とかタンパクとかがあるよ。
そしてここの 主成分はグリコサミノグリカン っていう多糖なんだ。
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2つの糖が繰り返しくっついてできた多糖のグリコサミノグリカンが主成分です。
このグリコサミノグリカンは 大量の水分を保有 できて、圧縮に耐える力があります。
そして 粘りがある のも特徴です。
ヒアルロン酸って聞いたことあるけど、このグリコサミノグリカンの種類だったのか。
そうだね。
そしてヒアルロン酸以外はコアタンパクっていうのとくっ付いてるんだ。
その状態を プロテオグリカン って呼んでるよ。
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これらは線維芽細胞から作られます。
ここまでが間質の成分です。
次はこれらが集まった特殊な組織についてみてみましょう!
結合組織 の種類
いままで結合組織の細胞や成分をみてきたけど、これらが集まって特殊な組織をつくるんだ。
その種類をみてみよう!
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つまり 脂肪細胞があつまれば脂肪組織 、 弾性線維があつまれば弾性組織 ってことか。
そうだね。
その辺は名前の通りで分かりやすい。
でも分かりにくいもの多いと思うから1つずつみてみよう。
線維性 結合組織
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結合組織の中でもこの膠原線維が多い 線維性結合組織 が一般的だよ。
さらにこれは線維の密度や量で 疎性結合組織 と 密性結合組織 に分かれる。
疎性結合組織はあらゆるところにみられて、密性結合組織は腱や靭帯などにみられるよ。
それぞれの特徴を下にまとめたから見てみてね。
疎性結合組織
膠原線維と若干の弾性線維 が不規則に走る。
その中に線維芽細胞や脂肪細胞やリンパ球などが含まれる。
皮膚や粘膜下、血管や神経周囲など広く分布する。
密性結合組織
膠原線維の束が密に一定方向に配列する。
束に密になることで強い牽引力に耐えられる。
膠原線維の束の隙間に線維芽細胞が存在する。
腱、靭帯、筋膜、腱膜などがこれに該当する。
脂肪組織
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脂肪組織は 脂肪細胞が集合してできた組織。
脂肪細胞がつくってるから、保温効果とかクッション的な役割があるよ。
普通顕微鏡で見るときはその前にアルコールに通す処理をするから脂肪が溶けて抜けて見えるよ。
なんで右側は黒いんだ?
イラストは左右で違う染め方をしたと思って。
そうすると細胞細胞の周りは 細網線維で囲まれてる ことが分かるんだ。
右側はその細網線維が黒く染まってるのを表してるよ。
弾性組織
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弾性線維が多い組織 を弾性組織って呼んでるよ。
例で挙げると 大動脈 なんかがコレにあたる。
動脈は内膜・中膜・外膜の3層でできてるんだけど、中膜は厚くて弾性線維が多い。
弾性線維が豊富にあるおかげで心臓からの強い圧力に耐えれてるんだ。
もし大動脈に弾性線維がなかったら伸びられないから破裂してるのかもな。
細網組織
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細網組織は 細胞細胞と細網線維 からできてる。
星型の特殊な線維芽細胞「細網細胞」が網状構造をつくってるんだ。
細網線維はこの細胞に包まれてるよ。
肝臓、リンパ節 、脾臓 、骨髄 なんかがこの組織にあたるよ。
膠様組織
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グリコサミノグリカンが多くて 透明・粘液質なゼリー状の組織 が膠様組織。
突起のある線維芽細胞がみられるよ。
胎児 とか 臍帯 にみられる組織なんだ。
まとめ
習ってもややこしい結合組織どうだったかな?
少しでも理解してくれると嬉しいな。
なんとなく理解できた。
上皮との違いも分かったよ。
こういういろんな種類もので体ってできてるんだな。
いががだったでしょうか。
この辺のことって何故か詳しく説明してくれないんですよね。
今回私も勉強しなおしました。
もし何かリクエストなどあれば問い合わせフォームから連絡ください!
それではまた!
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